建築家 篠原一男
建築家にも色々あります。でもやっぱり、ボクはこの篠原一男先生を尊敬しております。学生の時に先生の授業をとってしまったのが運のツキ。
日本の伝統とモダニズムの建築との格闘、ポストモダンの時代においても、モダニズムを横断しようとした真の建築家と言っても過言ではないと思います。
形から空間を発想し、レヴィ=ストロースやドゥルーズの思想と共振しながらも進化していった先生の建築様式には、ほれぼれしてしまったのでした。
今は、流行らないのかもしれない。
なぜなら、今の時流にのっている建築家達は、状況だけをとらえた現実に即した空間作りをしていると思います。プログラム論のようなもの。形はそこから生まれ得ない。形のロジックは隠蔽されているような風潮かと。
篠原先生が実践された日本の伝統との対話は、デモクラティックな空間へと封建的な意匠を解放してゆく闘いでもあり、その方法は今もなお有効だし見習わなくてはと思うのです。
篠原先生は、時代の潮流に流されない、詩的に自己完結するだけではない、形の論理と社会の状況、詩的な美学とか三位一体となった建築家だと思います。
上の写真は、瀧口修造さんや実験工房の方々とも親しくされていた写真家、大辻清司さんの住宅「上原通りの家」です。写真家らしくエントランスは、カメラの構造のような感じで、青空を室内に映像として取り込んでいる。篠原先生の第三の様式の作品。
その他、篠原先生は、朝倉摂さんや谷川俊太郎さんの住宅や別荘を手掛けています。
日本のアヴァンギャルドの画家、中村正義の住宅『直方体の森』も。美術館として存続してるはずですが・・・。
「住宅は芸術である」
奥山信一さんが編集を行った
『アフォリズム・篠原一男の言説空間』が鹿島出版会より発売されました。熟読中です。
2006年7月15日
篠原先生は、逝ってしまいました。
建築には建築家の署名と国籍が明記されなくてはならない。
色々、授業で教えて頂いきました。どうもありがとうございました。
- 2008/09/19更新
- 2003/04/25登録
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コメント (10)
最新コメント5件
2003/04/27
hommax はい、確かにボクもその自由さは良いことだと思います。なので人それぞれの建築観があるだろうし、それをどうのこうの言うつもりもありません。しかし、ボクは一見自由にみえる現在が、ものすごい勢いで悲劇に向かっているように思うのです。社会情勢をみてもそう思ってしまいます。無意識のうちに歴史が反復されてしまうような状況は飯島洋一さんも指摘してるのですが、とにかくそのような危うい時代に生きていることも認識せねばならないと思っています。(個人的に)
87G 社会情勢をみて将来に不安を感じることは僕も同じです。でも、それでもやはり僕は作ることに対してポジティブでありたいと思っています。これは必ずしも現状に対して楽観的である、ということを意味するわけではなく、今だからこそできることが絶対にあるはずで、現状に嘆くばかりではなく、できることを積極的に探していこう、と。ですからHOMMAXさんと僕の問題意識は深いところでは共通しているものと感じています。その表れ方=建築観には違いがありますが(当然ですよね)。
hommax もちろん、ボクもクリエイトしてゆくことにポジティブですよ!同感です。だから、色々な表現には興味を持ち続けたいと思っています。お互い、がんばりましょ!
2008/09/20
ピラフ一味 熊本北警察署がこの人なんですね!警察署にしては「ありえねぇー!」と思っていたんです。
hommax そうですねー。学生の頃、熊本まで見学しに行きましたが、正面の逆ピラミッドのような形だけが他の部分に比べて浮いていた記憶がありました。
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建築家 篠原一男が亡くなった。 高齢であり、最近体調が優れないことが多く、講演会がキャンセルになることもあったようです。 しかし、遡ること6年ほど前僕は大学の特別講演で篠原さんが来...
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