ゲンターラの鞄(オーダーメイド) GUENTARLA
オーダーメイドの鞄を造るお店。お店といっても店舗を構えている訳ではない。六本木ヒルズに程近い、古いマンションの1室がアトリエだ。
堀内源太さんがひとつひとつお客の嗜好や使用目的を聞き、デザイン、革の選別、金具の選定をしてくれる。勿論、一から自分で考えた「絵」を持ち込み、型紙から起こすことも可能だ。
オーダーメイドは鞄に限らず難しい。なぜなら、製品の製造工程の最初から最後まで一人(あるいは数人)で行うことが多く、作り手の個性が色濃く反映されるためだ。作り手の作風と注文者の嗜好が合わないと、良い結果は決して得られない。しかし、合ってしまうととことんお付き合いしたくなる。それがオーダーの面白さでもある。
例えば、作り手のAさんとBさんに同じ鞄をオーダーした場合、機能、寸法(仕様)は同じでも実際に出来上がってくる鞄は全く違う雰囲気になる。
オーダーにあたっては、自分のスタイルを知り、自分に合う作り手を探し出すことがまず大切である。
このお店を知るきっかけになったのは、どうしても造りたいデザインの鞄があったのだが、キーポイントの金具のデザインがどうにも既製のものでは見当たらず、他のオーダーメイド店では作れなかった。そこでゲンターラで相談したところ、「造れますよ」の一言。散々、色々なところに相談したのにダメだったので、「本当かいな?」と思ったが、結果は予想以上のものが出来てきたのだ。
それもそのはず、元々このお店の金具の多くは、「自家製」である。彫金の素養のある堀内さんはないものは自分で造ってしまうし、定番の金具もオリジナルのものが多い。
革も素晴しい。予算に応じて、革も様々な種類の革から選択できる。
L.Vやエルメスといったブランドの鞄は確かに素晴しいと思う。L.Vの堅牢さ、エルメスの優美なデザイン、革の品質など追随を許さないものだ。伝統を継承するためにエルメスの鞄職人を育てるところから自分たちで行う姿勢は、敬服するばかりだ。(エルメスは鞄職人の学校を運営。優秀な卒業生のみがエルメスの職人になれる。入るのも、出るのも大変難関だと聞いている。)
しかし!自分が持ったとき似合うかどうかは全く別問題だ。服でも靴でも全体のバランスでその人に合っているか判断されるのと同じで鞄も持っている人の雰囲気、服装などで決まるように思う。その点で既存のブランド鞄は全く自分に似合う自信が持てなかった。また、日本でそれらの鞄を持っていてステキ!と思わせる人は男女を問わず殆どいない。・・・と思う。それもそのはず、エルメス、L.Vのホームであるフランスでさえ、これらを持っている人は殆ど見かけない・・・のだから。というより、余程のお金持ちでないとブランド鞄など持たないのが本場の常識である。
右を見ても、左を見てもL.V、プラダ、エルメスなど、さらに女子高生までそれらを持ち歩く日本人は、歴史が深い欧を仮に世界標準とするなら、明らかに異常であるし、異常を通り越して滑稽であると言われても返す言葉が見つからない。かの地では、幼少期から自分に似合う「スタイル」を見つけることを日常生活から仕込まれる。したがって、日本のようなことは起こらないし、自分自身に似合うスタイルをよく知っている。だから彼らのファッションはたとえ華美なものであったとしても、とても自然な感じがする。
じゃあゲンターラの鞄は似合うのか!?といえば、少なくともブランド鞄よりは気後れせずに持てる分良いように思う。ブランド鞄自体が持つオーラは歓迎だが、ロゴマークのオーラはどうにも気恥ずかしい(ロゴに私自身が負けてしまう)・・と思っている私には合っている。しかも、品質、パフォーマンスはエルメスに肉迫していると思う。(注文する側の価値観にもよるが、わがままが効くのと、値段の差を考えれば同等以上と申しあげたい。L.Vやエルメスにもオーダーがあることは周知のことであるが、敷居が高すぎてここでは前提にしていない。)何より、日本人が造った鞄である。
使用する金具、革、縫製技術は前出のブランドバッグと素人が見る限り同等レベルだ。また、物理的に製作不可能なものを除き、殆ど実現可能だ。
注文する際のコツというか最低限決めておかなければならないことがある。それは使用目的だ。極端に言えば、旅行用鞄なのか、ビジネス用に毎日持ち歩くものなのか・・。さらに、2~3泊用なのか1週間くらいの旅行を想定するのかで、デザインが全く違ってくるし、逆にこれがわからないとデザインできない。ある程度、構想がまとまってから訪れることをお勧めする。(自分の愛用鞄を持ち込み、それをベースにここをこういう風に・・とアレンジし造ってもらうのも一つの方法だ。)
また、いくつかの定番品や今までの製品の写真を参考にし、大きさ、革の種類、色などをアレンジしオーダーすることも可能だ。鞄だけでなく、財布、システム手帳、時計ベルトなども製作可能。
ゲンターラの場合、基本的に型紙製作から、革の選定・仕入、縫製まで全て堀内さんが一人で行うので、納期は最低3ヶ月、製作するものによってはそれ以上かかることをあらかじめ了承しなければならない。しかし、オーダーの楽しみの一つとして、構想を練る時間と、出来上がるのを待つ時間であると私は考えている。
- 2003/05/28更新
- 2003/04/29登録
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