関心空間はミュージックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

マウス・オン・マーズ / イディオロギー

mouse on mars / idiology

  • mouse on mars / idiologyの画像

01年作品。実は最新鋭と思われたテクノという音楽は、既に凝り固まったフレーズが纏わりついてしまっている飽和したジャンルなのだ、とあるミュージシャンに最近僕は教わった。言われてみれば、テクノ・ダンス・ビートはある程度の予定調和の中でこそカッコよさを増長できているし、外すと逆にダサいと思われる傾向はあるようだ。だからこそ、「ばかばかしい」とそれに退行したポスト・エレクトロ・ミュージックは生まれ、完全に踊れないオウテカのような極端なミュージシャンの出現を呼んだ。しかし、マウス・オン・マーズ(以下:MOM)のような前衛姿勢を崩さないタイプのテクノ・ミュージシャンが注目されだしたのも決して偶然などではないのだろう。

この『イディオロギー』はMOMの7thアルバムにあたる。ステレオ・ラヴ、ハイ・ラマズのプロデュースで一躍有名になった後、『二ウン・ニグン』(6th)を発表し、世界のリスナーを驚嘆させた彼等は、間髪入れずにわずか1年と半年のインターヴァルでこの新作を完成させた。重低音と立体音響、生音とエレクトロの共栄を重視させることがMOMの持ち味とされてきたが、それに加えて、いつになく挑発的で神経を逆撫でする楽曲が並んだことに僕は快楽と苦痛を覚えた。

このアルバムの大きな特徴は音楽拡散症状の放置である。ドイツ・ケルン出身のヤン・ヴェルナーとデュッセルドルフ出身のアンディー・トマーによるユニットがすなわちMOMなのだが、多彩なゲスト・ミュージシャンを加えることで、彼らの権謀術数が見事花開いた。黒人ドラマー、ドドのヴォーカルの大々的なフューチャーからして、これまでのインスト主義を覆すものだったが、F.Xランドミッツ、マシュ-・ハーバートらプログラミング陣らの参加は、ヒップ・ホップ、スカ、オーケストレーション、プログレ、インド、エスニックと様々な音楽風味を混ぜる結果をもたらした。音の歴史を紐解くようなサンプリングと生音の導入、一度封じ込めた後にビートでスピードを無理に速くした楽曲はポップというにはあまりに厳しく、しかし翻弄される音の境地は紛うことなくダンスビートのものだった。不可思議な流麗さ、何かしらそんな気分が全体を包んでいたのだ。

だが、これだけ滅茶苦茶にしながらも没個性にならないのは、MOMのアプローチが全て他では聴くことができない音楽を示しているからに他ならない。そう、ヴァラエティに富んでいても、何かのフォロワー的な感情を抱くことはここには一切ない!"idio"(固有の)"logy"(学問)というアルバムタイトルは、数式の明確さ、回答の複雑さを言い当てた彼等の美的センスの造語なのだ。

恐らく、個性とは何気ないことを研ぎ澄ませていけば出来上がっていくもので、はじめから持っているものだけでは人には伝わりにくいものなのだろう。日々を注目することで、予定調和からはみ出すことはきっと誰にでもできるに違いない。

mouse on mars / idiology

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

less画像 投稿者:
less
詳細情報
  • 価格: 2300円
  • メーカー: 徳間ジャパンコミュニケーションズ
  • 年(代): 2001年
  • 団体名: マウス・オン・マーズ
  • 2003/04/29更新
  • 2003/04/29登録
  • 2186クリック

このキーワードを共有する

コメント (0)

まだコメントされていません。

つながりキーワード (5)

毎年毎年「面白そうやけど、お金無いし、遠いしな~」って見逃してたメタモルフォーゼ。でも今年はそうもいかない状況になってしまいそうです。オフィシャルの告知はまだ先のようなの...

人名・団体名Microstoria

  • (kanori)

オヴァルのマーカス・ポップとヤン・ヴェルナーのユニット。 オヴァルにおける計算されたテクノロジーミュージックからは、音楽的なアプローチから創造される音。 ふたりの即興的な...

過去に様々な形態をとって音楽を作ってきたMatthew Herbertによるビッグバンドプロジェクトの1stアルバム。総勢19人のよる音の厚みをハーバートが再構築してます...

クラフトワークのヴォルフガング・フルーアのプロジェクトでマウス・オン・マーズのアンディ・トマのプロデュース。んもう最高!いやあ、かわいい!こんなのが大好きです。まぁ、マウ...

邦題『騒音的美学の終焉 』。ヴェルヴェッツの継承音楽、エクスペリメンタル・ポップス 、そしてポスト・ロック。彼らを指す言葉は様々あったが、時代とともに自分達の鳴らすテイス...

携帯でこのページにアクセス

mouse on mars / idiology

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-294014

キャンペーン


ロケットニュース24

未来検索 ガジェット通信
ページの先頭へ ページの先頭へ