カコノナイオトコ
過去のない男
「人生は前にしか進まない」
このキャッチコピーに泣く。泣いてしまう。まるで自分のことを言っているのではないか? と。
2002年度カンヌグランプリ・主演女優賞…手に入れた賞は数知れず。でもまぁ、それはいいでしょう。
簡単に内容を書くと、暴漢に襲われて記憶を失ってしまったある男の物語。紆余曲折を経て新しい環境を得た彼は、イルマという女性との恋に落ちるが…さてどうなるのでしょうか、という。
過去を「失う」ことによって人生が好転し、ひょんなことから再会した過去に、自ら別れを告げることによって幸せな結末を手に入れる…そういう構成になってたんですな。バカなんで、最後のほうになって気がつきました(汗)。
作品は一貫して淡々と進みますし、最後も決して大泣きするような感動でもない。まるでドキュメンタリー映画のよう。しかし、人生とはまさしく大きなドラマの集まりではなく、ささやかな日常の集まりである、ということであり、この映画はそんな当たり前のことを教えてくれるのだ。
そう、人生は前にしか進まないのだ。犬は吠えるがキャラバンは進むのだ。そして、そのささやかな日常がある男を暖かく包み救いを与えたとき…物語は終局を向かえ、会場は暖かくさわやかな感動に包まれる。
あ、そうそう。なんでCrazy Ken Bandの曲が使われてるの? 予告編で流れた時は「日本向けのサービスかな?」って思ったけど、本編でも使われててびっくりした。あの独特の曲の雰囲気と使われているシーンのあまりの一致振りを楽しめない外国人の方々はかわいそうだな、と思った。
- 2003/04/29登録
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