ぼくらがつくったぎたーのめいき
僕らが作ったギターの名器
椎野秀聰著。
著者は日本のギター製造黎明期から長らく、いくつかのブランドに立ち上がりから携わり、BESTAXという会社を世に出した後、楽器作りから少し離れていた。
この本に流れる通底したサウンドは何だろう。
40年前の若者たちの熱気と、音さえ出れば何でも売れた時代のこと。
日本はがむしゃらに成長して、音楽は若者の共通言語となり、外国文化に憧れた世代にとって、楽器とは「翻訳辞書」だったのかもしれない。
誰もがギターを弾けることを夢見て、買い求め、そして挫折した…。
楽器を作る側にも夢があった時代。
そして贅沢な時代が来て、難しいことは避けられて、音楽産業も
聴く側の環境も一変した。そんな数十年の流れと距離を置いて、
音楽とは。アメリカやヨーロッパの楽器つくりと、生き方に対する
考え方を説いている。
もう一度よく聴くと、クラフツマンシップという低音が聞こえた。
材料や、材質に対するこだわり。そろそろ日本もこれだけ「豊か」
なのだから、考え方を変えようよ。
20年経っても、アンバランスなサウンドを奏でている日本社会に
対する筆者のメッセージ。迷っている人の心に届いて欲しい。
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