ARCH ENEMY / BLACK EARTH
96年作品。現代型メロディック・デス・メタルを創り上げてしまった偉大なる男、マイケル・アモット率いるアーク・エネミーの1stアルバム。90年代後期のエクストリーム・ミュージックに多大なる影響を与え、強烈なアグレッションを撒き散らした彼等の功績は、その後イン・フレイムスらスウェーデンのメタル・シーンを日本のみならず世界に紹介する格好となる。恐らく、伝説はほんの一瞬で歴史に名を残すことを云うのだ。
マイケル・アモットを勇名にしたバンド、カーカスで彼が見せたプレイはこれまでのデス・メタルという概念を大きく変化させた。具体的な表現をするならば、ブルータルとソリッド一辺倒なデス・メタル・サウンドにウィットでキャッチ-なギター・フレーズを載せこみ、叙情的でエモーショナルな世界観を創り上げたといえよう。そのカーカス脱退後、マイケルはスピリチュアル・ベガ-ズという懐古主義ハードロック・バンドを立ち上げた(現在も活動中)のだが、『ハートワーク』を突き詰めたデス・メタルの真骨頂を待ち望むファンは多く、アーク・エネミーの誕生~『ブラック・アース』のリリースに狂おしいばかりの声を上げてしまうには、多少の時間を要した。
96年、動き出したアーク・エネミーのメンバーにはCARNEGEというバンドでかつてマイケルと行動を共にしたヨハン・リーヴァ (vo)、マイケルの弟である クリストファー・アモット (g:当時はまだ18歳) 、伝説のメロディック・デス・メタルバンドEUCHARISTに在籍していたダニエル・アーランドソン (ds)が究極のブルータルサウンドを追求したいという願望下に集結。屈強というイメージのメタルの名をさらに凌駕した、破壊力と圧倒的な出来栄えを『ブラック・アース』に詰め込んだ。
スラッシュとデスメタルのフレーヴァーをブレンドし、クラシックメタルの持っていた美旋律を加えたアーク・エネミーのサウンドは、全てが混ざり合うことでド迫力炸裂を起こす。ユニーク且つメロディックなリズムと、プログレッシヴなビート、アモット兄弟の身震いするようなツインギターのハーモニー、それとパワフルで叩きつけるようなヴォーカルがそこにはあった。雪崩のごとき勢いは紛れもなくこのアルバムの完成度の高さを物語っていたし、プロデューサーであるフレデリック・ノードストームの作るややゴツゴツした質感は、極度に溢れた彼らの才気を的確に表現していた。
暴力的なへヴィネスを示しながらもメロディアスであるというこの整合感には「慟哭」という言葉が値する。この後彼らはさらなる想像性と驚異的な活動を繰り返し、01年ヴォーカルをアンジェラ・ゴソウにチェンジし『Wages Of Sin』という陳腐な表現が憚られる新作を発表した。既に彼らは極地的なレベルのバンドではなく、メタルというものが再び世に君臨する一つのキーワードにまで上げられている。
まずは、彼らのアルバムと活動に高い賛辞を!
- 価格: 2330円
- メーカー: トイズ・ファクトリー
- 年(代): 1996年
- 団体名: アーク・エネミー
- 2003/05/25更新
- 2003/05/25登録
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コメント (1)
2003/05/27
less そうですよねー。今はブルータル路線残しながらも『Wages Of Sin』の音に行ってくれたのが個人的にひじょーに嬉しいんですよ(確かに突き進まれたらやばかった…)。そういえば僕の知り合いがひょんなことからマイケル・アモットとメル友になりまして、大阪に来たときに飲む約束をしていたのですが、来日時彼はすっかり忘れて全然違うところで飲んでいて、電話をかけ怒ったところ、めちゃくちゃ平謝りして大急ぎで知り合いのいる飲み屋に来たらしいです。いいヤツだなーマイケル…(その前にすっぽかすのはあかんですが)。
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