にほんごのみだれ
日本語の乱れ
つい先日、文庫化されたので改めて読み返すつもりで購入。
清水義範の作品は日本語(国語、言葉)をテーマにした作品が割と多いが、この辺りのテーマを扱うと実に面白い。きっと本人の最も得意とするところなんだろう。
半疑問系の言い回し、「ら」抜き言葉、抑揚の無い平板なアクセント使いなど、違和感を覚えつつも、日常の生活シーンに溶け込んでいるフレーズは数多い。いちいち突っ込んでたらキリが無いし、そんなことで煙たがられるのも嫌なので普段は気にも留めないが、こうして改めて著者が指摘する点を一つ一つ読み返すと、なるほど確かにウンザリするほど様々な言葉の乱れが日常には氾濫していることが分かる。そしてそれは決して若者だけに顕著に見られるものでなく、年配層や、言葉を「生業」とする、あらゆる人たち(アナウンサーや作家、など)にまで実に広範囲に及ぶということも。
それらは一様に「乱れ」として括ってしまえば確かにそうなのだが、元来言葉なんて時代毎に様々な変化を遂げながら現代に至るのだろうし、各シチュエーションで当事者同士がちゃんと心得ていて、互いにその意志を確実に伝達出来るのなら、ことさら目くじらを立てるようなものでもない、とも思う。
とは言えニュースキャスターなんかが「昨日?都内の?コンビニで?・・・」なんて半ギモンでやったらニュースでなくなってしまうけどね。
前置きが長くなったが、この作品はそんな日常に溢れるおかしな言い回しやアクセントなどを題材とした短編集である。
どれも可笑しくて思わず吹き出すこと必至だが、音声入力ソフトがどこまで方言を認識するかを検証する「耳の言葉、目の言葉」や、内密の話にあらゆる尾ひれが付いてやがて収拾がつかなくなる「伝言ゲーム」、小学生に作文の技法(比喩)を教えたところ、抱腹絶倒してしまう作品が相次ぐ「たとえて言うならば」、民間人として初めて宇宙旅行に出発した多国籍な12人の乗客の内、なんと4人が名古屋人だったという、まさに著者の真骨頂とも言える「二〇〇一年宇宙の恥」などが特にオススメ。くれぐれも図書館や通勤電車で読むときは、周囲に十分注意して欲しい。爆笑してしまうので。
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