ハンオチ/ヨコヤマヒデオ
『半落ち』横山秀夫
先に人に貸していたので、ようやく読みました『半落ち』。
大変面白かったです。一つの事件を、刑事→検事→新聞記者→弁護士→裁判官→刑務官 と(渋い男たちばかりで)視点を変えて追っていく連作方式。横山さんは元警察関係の方なんでしたっけ?どの職業描写もリアルなところが好きです。あと、みんな職業人であるところが。
横山さんの主人公はいつも苦悩を抱えていますね。私も年をとって(苦笑)自分の力ではどうしようもない不幸が人を襲うことがあるのだ、などということを経験すると、こういう人の小説が身にしみます。
(そういう例では、重松清なども)
どちらかと言えば、前半部の方がわくわくして、後半部まで印象が同じなのが、ちょっと物足りないですが、まあこういう雰囲気が横山さんの持ち味でもあるので…。
で、『半落ち』といえば、「ミステリーとして致命的な欠陥がある」とされ(by林真理子)、直木賞の選考過程で議論を呼び、朝日新聞にもその是非についての記事が掲載されました。
しかし、それは最後のネタばれに関することなので、ここでは触れません……。(私も掲載時はネタバレと前振りがあったので、その記事は飛ばしましたが、読んだ人はかわいそうだ……)
横山氏はそれ(元々の批判)に反論して、もう直木賞の候補になっても辞退するような気配……。
興味のある方は下のリンクからどうぞ。(一応、もろネタばれはないみたいです)
6.11 続いて 最新刊短編集『真相』を読みました。何だか重くてせつない話が多かったです。事件に巻き込まれた息子。死んだ級友。リストラ。強盗の片棒を担いでしまった。等、やっぱり 突然降りかかる不幸がキーワードの気がします。だからと言って、一概に「暗く重い」とだけは言い切れないんですよね。夫婦や家族の絆といったことが描かれているからかな。次は『第三の時効』を読みたいです。
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コメント (5)
2003/06/09
Tightenup 現在放映中のTVドラマ「顔 FACE」の原作者...ですよね。「このミステリーがすごい!」等...大変気になる作家です。是非読みたい~と思ってます。
ゆうしろう 短篇中心の方なので、すごいストーリーがあるわけではないのですが、「人の気持ち」や、「心が通い合うある瞬間」などを切り取っていて、じーんときます。『半落ち』は初めての長編挑戦だと聞いたような気も。オススメですよ。
2003/06/10
あこみみ 横山秀夫氏は、確か上毛新聞の記者だったはず。新聞記者は初めに「サツ周り」をするから、その関係ですかね?
ゆうしろう 記者さんでしたか。『陰の季節』の警察描写が細かかったので、警察かと思っていましたわ。すみません。
2003/10/06
ゆうしろう 私も欠陥ではないと思います。横山氏は、その批判がミステリー読者(業界)にも及んだことに怒りを覚えたみたい。新作『クライマーズ・ハイ』はこれまた傑作だそうですが、賞候補になったらどうするのかな。
つながりキーワード (5)
クライマーズ・ハイ
- (hitomi☆)
「半落ち」もよかったけど、横山秀夫氏の作品には熱いオヤジ達がたくさん登場するので、それがいい。 今の時代からは死滅しそうなオヤジが頑張っている。 最初はとっかかかりにくか...
横山秀夫
- (ふらっと)
今巷で話題の映画「半落ち」の原作者、と言ったら いちばん判りやすいだろうか。 新聞社勤務の経験を生かし 新聞社や警察を舞台にした小説は 他の追随を許さないのではないだろうか。 人の胸の内が...
第三の時効
- (ゆうしろう)
横山秀夫の短篇集。連作集というのかな、同じ県警の強行犯捜査係が舞台で、一班、二班、三班とそれぞれ短篇によって視点が違い、主人公だったのが別の短篇では脇に登場と、この構成も...
横山秀夫
- (密偵おまさ)
作家。 直木賞は惜しくも逃したけれど、警察を舞台にした小説を書かせたら、今、この人の右に出る人はいないでしょう。 人間の心理を細やかに描ける方なので、そろそろ警察以外を舞台にした作品も読んで...
このミス
- (ゆうしろう)
『このミステリーがすごい!』(通称『このミス』)今年も出ました。 毎年、楽しみにしています。 でも今年のベスト10は何か地味だなー、という印象。忙しくてあまり本を読んでい...
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読書録
- 行間の宇宙 | Tracked: 07.12.16 2:35 pm
こんにちは。関心空間 、 を楽しく読ませていただきました。また読ませていただきたいと思います。横山秀夫さんの本、初めて読んでみました。いいですよね。
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桜の森の満開の下
生きる歓び
箱男/安部公房


