なしきかほ
梨木香歩
なんにもメディアを受け付けない時があった。
なにもみたくなかった。
街行く人も、テレビも、音楽も、本も
そんな心がフリーズしてた時、この人の本に巡り逢った
なぜか、心にしっくりとなじんでゆく、
あたたかさとも言えない不思議な心地よさがあった。
≪読了分≫
「西の魔女が死んだ」
「裏庭」
「からくりからくさ」
「りかさん」
(新潮文庫)
「エンジェル エンジェル エンジェル」
(原生林)
作品的には、
「西の魔女~」がシンプルでよみやすく、彼女の作品を未読の方にもお薦めしたい。
感受性の強さはともすれば猜疑心や被害妄想を招きかねない。本当の魔女とは、自分をしっかり持ち、本当のものを曇りない瞳で見る力のある人間のことだ
そんなメッセージを、何かに揺れ動きそうになった時、私は心で唱える。
「裏庭」は異世界へのファンタジー。
死と再生というモチーフは良いが、中盤退屈なのが残念なところ。
「からくりからくさ」これは長くて、一見もつれた印象を与えるが、4人の若い女性が共同生活で紬とキリムと生きた人形の「りかさん」によって作品を織り上げてゆく様は圧巻だ。
「りかさん」前出「からくりからくさ」の主人公・蓉子が、幼い頃おばあちゃんから市松人形の「りかさん」を贈られてからのお話。蓉子は「りかさん」とともに、人形達と会話し、彼らに宿った想いを汲んでゆく。
この新潮文庫版は、書き下ろしでマーガレットの子供ミケルの話が掲載されている。生命の不思議さと人々の暖かさを感じる作品だ。
「エンジェル・エンジェル・エンジェル」寝たきりの祖母と不登校の孫の物語。孫のコウコと祖母の「さわちゃん」が、夜中会話をする。その会話は「さわちゃん」がコウコと同じ年頃だった時期が交錯してゆく・・・
梨木さんの作品に登場する人物には、「祖母と主人公(少女)」という
関係性が非常に多い。これは作者自身のパーソナリティに基づくものなのか・・・?
梨木さんの作品は、個人的には、もっとみんなに読んでもらえたらと思ってる。
- 2003/07/12更新
- 2003/06/15登録
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コメント (14)
最新コメント5件
2003/07/04
show-gun お昼休みに買うと、仕事中気になりますよね。わかります!私も購入直後喫茶店に入って読みふけりました。
2003/07/05
島崎丈太 読了しました。 マーガレットの子供の物語もなかなか良かった。
2003/07/12
show-gun ミケルの話は文庫書き下ろしで、ラッキーと思いました。育ち盛りをりかさんと共に過ごして、今の柔らかな空気を持つ蓉子になったのでしょうね。梨木さんの作品はおどろおどろしいモチーフに溺れる事なく、さわやかに「こちら」の世界と繋げてくれるから、読んでいてホッとします。
2003/11/13
らら わたしは『りかさん』が一番好きです。『春になったら苺を摘みに』も心に染みるエッセイですね。
2003/11/16
show-gun りかさん、蓉子がまっすぐに育っていく様がいいと思いますね。『春になったら苺を摘みに』未読です、このごろ梨木さんの世界から離れていたから読んで心落ち着かせたいですね。
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