『イコノエロティシズム』シブサワタツヒコビジュツロンシュウ
『イコノエロティシズム』澁澤龍彦美術論集
今まで刊行された澁澤の美術論集に収められなかったエッセーの集成がこの本。
美術を勉強するにつれて、年表的な美術歴史上に分類しきれない美術作家が数々発見され、紹介されている現状を目の当たりにし、美術史の進歩観に??、となっていた今、手にとって良かったと感じている一冊。
澁澤個人の趣向による分野、「魔的なもの」「エロティシズム」「幻想」「シュルレアリズム」、をキーコンセプトに出発しつつも、美術史的知識はもちろん、幅広い文学的知識に支えられた視点は非常にバランスがとれてて信頼感を感じる。
・・・もともと私には、歴史よりも神話を、観念よりもイメージを、抽象的概念よりも象徴を、そしてハーバート・リード風に言えば「イデア」よりも「イコン」を好む先天的な傾向があって、この私の性来の気質が養分を吸収すべく、おのずから探り当てた土壌が、すなわち神話や象徴やイメージの宝庫ともいうべき深層心理学や民俗学の土壌だったわけである。私は学者ではないから、その学問の領域に、なんらシステマティックな接近を企てたわけでもなく、読み漁った書物もごく限られた範囲にすぎないけれども、ただ、自分の気質に確信をもっているということが、いわば私の強みなのではないかと思っている。・・・「魔的なものの復活」より
普段、我々が目にする西洋美術史の教科書には出てこないマニアックな画家も載ってて大変面白い。
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