サイキョウデンセツ クロサワ
最強伝説 黒沢
コミック1巻、本日読了。
噂に触発され興味本位で読み出したものの、「イタイ」黒沢のキャラに引き込まれ、すっかり夢中になってしまった。
四十男の悲哀や妬み、普段は心の奥底に隠しているよこしまな感情などがない交ぜになりつつも、なんか憎み切れない本当はピュアな男、黒沢。この歳まで独身で家庭も無く、職場での自分の居場所も浮き気味。若い世代と通じ合うほど器用に振舞えず、集まらない人望に日々悶々とする毎日。このままじゃイカンという思いはある。でもその術が分からない。いつも結果はウラ目なのに、めげもせず必死に手探りで模索し、あがきまくるその姿は、言ってしまえば「ダサい」し、思わず読むほうが気恥ずかしいくらいに、焦れったくもどかしい訳なのだが、ストーリーの端々に作者が散りばめた黒沢のアツイ感情は、微妙に今の自分の気持ちとシンクロする部分もあり、本当は黒沢って俺そのものなんじゃないかとハタと身につまされる部分もある。自分も主人公にやや近い年齢ではあるし、細かな設定も不思議と一致する部分が多く、共感すればするほど、自己の浅ましさや打算、卑屈な性格やコンプレックスの呪縛などを作者に見透かされ、黒沢がズッコケるその度に「オマエノコトダヨ」と頭の後ろから囁かれているようで、怖くなり何度も後ろを振り返ってしまいたくなる。
ぶっちゃけ黒沢には北方謙三ばりに「フーゾクに行け!」とか「オンナを抱け!」とでも叱咤したくもなるのだが、いやいやそんな簡単なモンじゃないだろう。作者の福本伸行氏のプロフィールを見るほどに、今後のストーリー展開に期待を抱かずにいられない。「泣ける」と周囲で評判だが、この時点じゃ俺はまだ泣かなかったゾ。ここまではほんのプロローグ。あがきまくる黒沢が如何にして「オレだけの感動」を手にするか。上手く説明出来ないが、初めて芥川の「羅生門」を読んだときの「どうすりゃいいんだよ、俺」みたいな、あんなカンジ。面白かった。次に期待。(連載は読んでないので)
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