マタゾウノヒ
又蔵の火
藤沢周平の初期の時代小説で、舞台は江戸時代。「又蔵の火」ほか四編からなる短編集。
藤沢周平自身があとがきで「負のロマン」としている通り、出てくる主人公たちはどれも賭博にハマッちゃって身を崩し済みのやつだったり、なんかマイナス方向の運命やら宿命やらを背負っ茶ったりしているやつらばかりで、結末といえばまさに生か死かといったような感じ。実に暗い話ばかりだと思う。が、人間というものをとても感じられる気もした。
ふつうの話なら悪役だったりすぐにやられるチンピラの脇役だったりもするかもしれないやつらも、その背負った暗い宿命を掘り下げていけば、十分にヒーローになれるのだなと。
確かに負のストーリーであり、「正のロマン」では生み出されない物語だと思う。しかし読んでいて嫌な気分にさせられたり、気が滅入ったりすることはない。少なくとも嫌いではないし、引き込まれる面白さがある。
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