大滝詠一/ロング・ヴァケイション
リマスター盤をヘッドフォンで聞いていると、まずこの音圧に圧倒されます。爆風のような、しかも爽やかに突き抜けた音。凡百のパンク・バンドなど木っ端微塵にぶっ飛んでしまう、日本ポップス史上空前の傑作であります。
「うすく切ったオレンジをアイスティーにうかべ」るなんてこと、想像すらつかなかった日本人の(?)青春時代。松本隆の詞世界を得て、大滝詠一はそんなもともと嘘っぽい青春の風景さえ鮮やかに塗り替えてみせたのだろうと思います。
来るべき空虚な80年代の空気を、あらかじめポップスという虚構のなかに閉じ込めてしまった、基本にして前衛。まったく古びることがないどころか、あらためて魅力を深め続けつつある魔法のような一枚です。
- 2003/07/25登録
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