マルタ
フィレンツェを立ち、夜行列車に。駅そばのスーパーで、モツァレッラと生ハムのサンドを作ってもらい、おそうざいのカルチョーフィ(アーティチョーク)とペットボトルの水を持って乗り込む。6人入りの個室で3段ベッドの一番上をあてがわれて15時間。トスカーナの糸杉と田舎家の景色がだんだん海沿いのサボテンが目立つ荒涼とした風景に変わっていく。
シチリアのカターニャから高速フェリーでマルタへ。昨日までエレガントで陽気なフィレンツェにすっかり馴染んでいたのに、突然様子の違う、マナー最悪の太った南国系のマルタ人たち(しかもめちゃめちゃたくさんいる。両手に荷物をぱんぱんに持っていて、どうやら買い物と称した密輸っぽい)に囲まれ、物珍しそうにじろじろ見られる。フェリーは恐ろしいほど満員。猛スピードで飛ぶようにふわりふわーり走る。マルタに着いたのは深夜。
マルタはイタリアとアフリカの間ぐらいにある地中海の小さな島で、歴史的にも軍事的な要所として多くの民族が通過した国。一番最近の占領はイギリスだったので、公用語は英語。英会話学校がたくさんあり、日本人だけでなくヨーロッパ各地から多くの学生が英語を学ぶために来ていたりもする。特に東欧とか日照時間の少ない国から来た人にとってはまさに楽園なんだそうです。
首都ヴァレッタは、町全体が白い石造りの要塞都市で、世界遺産としても有名。また、小さな島なのに巨石神殿がたくさんあって、ピラミッドの時代より古いという謎の古代文明は、最近グラハム・ハンコックのインスピレーションも刺激。
さて、フェリーから降りて、先に英会話学校に短期留学で来ていた友人のホームステイ先におじゃまする。夏は雨がほとんど降らないので、水がすごく貴重だからシャワーは短くしなければならない。雨期の間に水をためて、それをトイレの水に利用しているという。それから家の中にグリーンを置くのがステイタスだったりするという。翌朝ドリーンという名の太ったマダムに、フィレンツェから着いたと言うと、ああ、行ったことあるわ、夏なのに、ストッキングを履く、ベリーエレガントな街ね、とか言いながら部屋を案内される。ここが寝室、ここがバスルーム、どうこのグリーンは? わたしグリーンが大好き、とかなんとか。フィレンツェのガラス工房で買った、すばらしくエレガントな小さなキャンディの置物をプレゼントすると、自慢のコレクションの中に置いてくれた。
- 2003/08/03更新
- 2003/08/03登録
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