『まあだかい』内田百けん
ちくま文庫内田百けん集成(全12巻)の第10巻。
「摩阿陀会(まあだかい)とは知らない人は勿論知らない。知る必要なぞ少しもない無意味な会であって、私がみんなから還暦を祝って貰ったのに、いまだに達者である。遠慮なく云えばいつ迄も死なない。未だ未だかと云うのが摩阿陀会である。・・・「無伴奏」より
還暦の祝いの次の年から、毎年決まって百けん先生の誕生日5月29日に、昔の学生(百けん先生は「教え子」という言い方が嫌いらしい。詳しくは本書にて)や同僚などによって執り行われる摩阿陀会の様子が事細かに書かれているもの。
死んだ時に死亡診断書を書く主治医のドクトルと、そうなった時、引導を渡してくれるお寺様に挟まれて上座に着席し、麦酒を一気に乾杯して、百けん先生の挨拶から会は始まります。次第に飲めや歌えの大騒ぎになり、ホテル会場の迷惑はそっちのけで遅くまで会場を占拠。酔ってひどく曖昧なまま二次会の店に席を移し、最終的に百けん先生の狭い家にすし詰め状態でなだれ込み、家にあるだけの酒や食べ物を食べつくしてしまう。例年あらすじが決まってるように運ぶ摩阿陀会。読んでいるうちに、百けん先生の様々な人との交流に先生の人柄を感じてホントにいい気持ちになります。
会の冒頭の挨拶は、いつものユーモア溢れる百けん節が痛快です。
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