関心空間はブックのクチコミも満載!

新着

... もっとみる
ログイン | ユーザー登録(無料)

あいはなぜおわるのか

「愛はなぜ終わるのか」

  • 「愛はなぜ終わるのか」の画像

 
 こんな題名だがちゃんとした人類学の本である。ニューヨーク自然史博物館の研究員である著者が,「結婚・不倫・離婚」といったニンゲンの男女間の問題をオスとメスの問題として捉えなおし,「死が二人を分かつまで云々かんぬん」という結婚の誓いの方が生物界の趨勢では異端であり変態的であると説いた「衝撃の書」。
 
 かなり乱暴に要約すると,ヒヒやチンパンジー,ゴリラなどニンゲンに近い動物の性行動の観察から,パートナーを固定しての性行動というのはその方が自分の遺伝子を後代に残すという意味合いから雌雄双方にとってメリットがあるからで,本来的には成した子供が独り立ちできるようになるまでの一時的なものである。そしてパートナーを換えずに次の子供を作るというのは,生き残りに有利な遺伝的多様性の追求という意味合いから言えば不合理な戦略である。つまり子育てが終わったら離婚して別の相手を探す方が自然だというのだな。
 それが現在のような(というより現在「まっとう」とされているような)恒久的パートナーシップに変化して来たのは偏に農耕という生産手段のためである。農耕に携わる男女は土地という不可分な経済基盤に依存しているので,妻あるいは夫が分かれてよその土地に流れて行くということができない。現存する狩猟民族の調査結果をみても,定住農耕民に較べて著しく離婚率が高いのだそうな。
 そして,現在先進国と言われる国々で離婚率が高くなっているのは,産業基盤が農耕から工業へ,工業から第三次産業へと移行するに従い個々人の「財産」が再び分割可能なものになって来たからであり,とりもなおさずそれは「農耕でゆがめられてきたニンゲンのセックスが生物として正常な形態を取り戻しつつある現れ」である,というのである。
 
 うーん,このデンで行けば40過ぎて結婚しておらず,(少なくとも自分が知る限りにおいては)子も成していないワタシなどはさしずめ「生き物のクズ」みたいなもんなので,ここで偉そうに論評するのもオソレオーイのだが,なかなかに説得力のある論説だと思える。もし有力な(感情論や神学でない)反論があればそれも是非読みたい。

 

「愛はなぜ終わるのか」

このページに
携帯でアクセス

2次元バーコード対応の携帯で読み取ってください

べ画像 投稿者:
詳細情報
  • 発売元: 草思社
  • 年(代): 1993年
  • 人名: ヘレン・E・フィッシャー/著
  • 吉田利子/訳
  • 2006/05/01更新
  • 2003/08/28登録
  • 4907クリック

このキーワードを共有する

このキーワードはコレクションに選ばれています(2)

コメント (16)

最新コメント5件

2003/08/28

CLASH ウエディングドレス相当のモノは、クジャクに限らず枚挙にいとまがないと思われます。

CLASH 結納相当の貢ぎ物の例もたくさん。

2003/08/29

Fuzzio ああ!確かに!雄の方が着飾ったり、鳴いてみたり...

sumi この間、同窓会で親が離婚した話や、仲が悪いのに子が独立しても一緒にいる両親にうんざりして実家に帰るのも嫌だという話を聞きました。60代の離婚も結構多いんだなあって。まわりを見てみると子どものいる夫婦よりいない夫婦の方が本当は仲がいいです。同じ仕事や趣味で繋がっていたり、ま、仲良くしないとやっていけないというか。その一方で子どものいる夫婦ほど、「仕方なく」一緒にいる人が多いみたいです。あくまで私のまわりの狭い調査ですが、特に何人かの子育ては戦争だし、闘いの同士がいつまでも恋愛対象でいられるのは難しいはずだし。私としては、愛は4年以上持つかもしれないけど、恋は4年も持たないだろうとは思います。

2006/09/08

島崎丈太 人間の子供は独り立ちする迄に異様に長時間かかるので(最近では30年近く?)、一人産んで巣立つまで待っていると生涯に一人か二人しか子供を作れない可能性が高いが、別のパートナーの子供が巣(家)に居る内に別のパートナーと一緒になると、子供vsパートナーで争いが起こる可能性が高い、というような部分も人間が比較的固定したパートナーと暮らし続ける理由の一つかも知れない、と思ったりします。 あと、人間以外の生物の多くは生殖能力が失せた時点で早々に死ぬような気がするのですが、人間はその後も比較的長く生きるので、子供が巣立った後の老後を共同して支え合って過ごす、という後天的な戦略(?)もあるのかも。

つながりキーワード (3)

過日のサルコジ仏大統領夫妻の離婚は、主要各紙のHPでも報じられていたが、私が見渡した範囲では、日本の主要紙では読売新聞だけが、「あなたが欧州問題に情熱を注ぐか、私の私生活...

ポリアモリー(複数の純愛)に興味あり! 1対1の信頼関係をたもちつつ、それに縛られずにOPENな愛の絆をはぐくんでいこうとするムーブメント。欧米では各地に支援組織が生まれ...

竹内久美子著。動物行動学からの知見を元に、人間の性行動について解説しています(http://www.kanshin.com/index.php3?...に影響され、購入)...

携帯でこのページにアクセス

「愛はなぜ終わるのか」

2次元バーコード対応の
携帯で上の画像を読み
取るとアクセスできます

トラックバック (0)

まだトラックバックされていません。

トラックバックURL
http://www.kanshin.com/tb/keyword-342110

キャンペーン


ロケットニュース24

未来検索 ガジェット通信
ページの先頭へ ページの先頭へ