オーティス・レディング/ペイン・イン・マイ・ハート
これは想像でしかないけれど、六十年代初めのアメリカのカーラジオから「These arms of mine」が流れてきたときの、聴き手のとまどいというか驚きは、日本のお茶の間にはじめて森進一の歌声が流れたときのそれに近いものがあったのではないだろうか。あるいは、坂本九の「上を向いて歩こう」とか。
つまり、どうしてこの若者はこんなにへんてこな歌い方をするのだろう…というとまどいと、それをはるかに超越してくる感情の波と。まるで本当に泣きながら歌っているようなその最高傑作をふくむ、オーティス・レディング、22歳のデビューアルバム。
結局、オーティスの実質的な活動はこれから(亡くなる)四年間あまりに限られるのだけれど、「These arms of mine」や「That’s What My Heart Needs」などのバラードに特に顕著な、そこにすべてを叩き込み歌い込めてしまうような濃密な歌唱は、ソウルミュージックの領域を超え、いまでは神格化された存在にまでなってしまいました。
まだMG’Sに一本化はされていませんが、スティーヴ・クロッパーを中心としたバックの演奏にも注目。
- 2003/08/31登録
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