タカノエツコ/ニジュッサイノゲンテン
高野悦子/二十歳の原点
++高野悦子++
1949年 栃木県那須郡西那須野町生まれ
1967年 立命館大学文学部史学科入学
1969年 6月24日未明 鉄道自殺
「独りであること」、「未熟であること」、これが私の二十歳の原点である。(本文より)
私のバイブル的本。
何度も何度も読んでその度に新しい発見がある。
この方が生きていれば50代。父より少し上ぐらいなので、とても悲しい。
何回も読んでいる私を見て父は「あまり何度も読むな」と言った。
多分それは、自殺とか思想とか学生運動とか。そういうのに私が引き込まれないようにする為だったと思うのだけど。
昔の学生は凄いなぁと思う。
深く物事を考える力?みたいなのが圧倒的にある。
私もそういう学生になるのが夢です。
「二十歳の原点」はこの方の日記です。手記。
詩も所々に書かれていてそれも好き。
才能あふれる素敵な方だったのじゃないかと思います。
他に「二十歳の原点ノート」「二十歳の原点序章」がある。
私が持っているのは文庫で。ハードカバーの方が装丁が凄く素敵なんです。特にカバー取った中身とか。
ハードカバーの方も欲しいなぁ。
彼女がよく行っていたシアンクレールという喫茶店は、もう取り壊されて無いそうで。悲しい。行ってみたかったです。
私も思案深い人になりたい。
*詩*(彼女の最後の日記の日にちに書かれている)
旅に出よう
テントとシュラフの入ったザックをしょい
ポケットには一箱の煙草と笛をもち
旅に出よう
出発の日は雨がよい
霧のようにやわらかい春の雨の日がよい
萌え出でた若芽がしっとりとぬれながら
そして富士の山にあるという
原始林の中にゆこう
ゆっくりとあせることなく
大きな杉の古木にきたら
一層暗いその根本に腰をおろして休もう
そして独占の機械工場で作られた一箱の煙草を取り出して
暗い古樹の下で一本の煙草を喫おう
近代社会の臭いのする その煙を
古木よ お前は何と感じるか
原始林の中にあるという湖をさがそう
そしてその岸辺にたたずんで
一本の煙草を喫おう
煙をすべて吐き出して
ザックのかたわらで静かに休もう
原始林を暗やみが包みこむ頃になったら
湖に小舟を浮かべよう
衣服を脱ぎすて
すべらかな肌をやみにつつみ
左手に笛をもって
湖の水面を暗やみの中に漂いながら
笛をふこう
小舟の幽かなるうつろいのさざめきの中
中天より涼風を肌に流させながら
静かに眠ろう
そしてただ笛を深い湖底に沈ませよう
- 2003/09/18登録
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