福島第一原発 原子炉破壊の危機 March 25-29, 2011
事態は安定化するどころか、原子炉の破損という事態になりつつある。
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(2011年3月29日)
プルトニウム 燃料棒溶融裏付け
福島第一原発敷地内の土壌から放射性物質のプルトニウムが検出された問題で、枝野幸男官房長官は二十九日午前の記者会見で「燃料棒から出ているのはほぼ間違いない。一定程度、(燃料棒が)溶融したことを裏付けている。大変深刻だ」と述べ、第一原発の炉心溶融が原因との見方を示した。東京電力は敷地内でプルトニウムの測定を続けるが、政府としても敷地外の周辺地域で測定を検討する考えを示した。
東電の武藤栄副社長は二十八日深夜の会見で「大変申し訳ない。引き続きモニタリング(測定)する」と陳謝した。
東電によると二十一、二十二日に採取した1、2号機の排気筒周辺など敷地内五カ所の土壌から、プルトニウム239、240を検出した。このうち、二カ所で238が土壌一キログラムあたり、〇・五四ベクレルと〇・一八ベクレルを検出した。国内で通常検出される土壌の238は最大で〇・一五ベクレルで、今回の事故で放出された可能性が高いと指摘。ただ、レベルが低く「人体に影響はない」としている。
福島第一原発では、3号機でプルトニウムとウランの混合酸化物(MOX)燃料を使うプルサーマル発電が行われていた。プルトニウムは他号機でも使用中の燃料などに含まれており、今回検出されたものがどの号機から放出されたかは分からないという。
東電などは、深刻な原発危機の脱却に向けた復旧作業を予定通り続ける方針。
1号機のタービン建屋の地下から海側の建屋外へつながるトレンチの立て坑では、高濃度の放射性物質を含んだ水があと十センチであふれる状況。このため、土のうなどを積んで海に流れないよう応急的な措置を取った。2、3号機の水位は安定しており、対策を検討中。
1〜3号機で立て坑の扉がなくなっていた。経済産業省原子力安全・保安院は地下水の状況を含め継続的に調査するよう東電に指示した。
1〜3号機のタービン建屋地下のたまり水については、東電は1号機で原子炉から出た蒸気を冷やして水に戻す「復水器」に回収する作業を行い、水位低下を確認した。
原子炉を冷やすために注水を続ければ、たまり水が増える可能性が高い。枝野官房長官は「原発の空だきを阻止しないといけない」と述べ、注水量を減らす中で原子炉の温度が上がらないようにする努力が必要だとした。
<プルトニウム> 原子炉でウラン燃料を燃焼させると生成され、天然にはほとんど存在しない放射性物質。鉛より重い重金属で、水の約二十倍の重さがある。代表的なプルトニウム239の半減期は約2万4000年と極めて長い。ウランよりも少量で核分裂反応を起こすことができ、高速増殖炉「もんじゅ」の核燃料となっている。長崎原爆にも使われた。核保有国の大半が利用している。
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【2011年3月29日 AFP】
問題が続出している福島第1原子力発電所について、東京電力が仏電力公社(EDF)、仏原子力大手アレバ(Areva)、仏原子力庁(Atomic Energy Commission、CEA)に支援を要請したことが28日明らかになった。
エリック・ベッソン(Eric Besson)仏産業・エネルギー・デジタル経済担当相が同日、RTLラジオに対し明らかにしたもので、「東電が初めてわが国の企業に支援を求めてきたことをうれしく思う」と述べた。
高濃度の放射性物質を含んだ水が原子炉のタービン建屋から漏出している事態については、「極めて深刻だ」との見方を示した。
■放射性物質を含む水処理の専門家を要請
ベッソン氏はまた、東電から「放射性物質を含む汚染水の処理に関する専門家の派遣」を要請され、アレバが専門家2人を派遣する予定だとした上で、「この困難な状況のなか、必要なだけの人数の専門家を派遣する準備がある」と述べた。
アレバはAFPに対し、必要な専門知識を伝授するため、東電と何度もやりとりしていることを明らかにしている。
国内58基の原発を運営するEDFは18日、作業ロボットなど130トンもの特殊機材を東電に送ると発表している。
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(2011/03/29-12:57)
「事故の深刻性表す」=プルトニウム検出で保安院−海水放射線は減少傾向
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官は29日午前の会見で、福島第1原発敷地内の土壌からプルトニウムが検出されたことについて、「事故の重大性、深刻性を表している」とする見解を示した。
西山審議官は、プルトニウムについて「高温で発生し、重さもあるので、簡単には出てこないはずだ」と説明。その上で「それだけの燃料の損傷があり、本来の閉じ込め機能を突破して出て来ている」と厳しい表情で語った。
また、2号機タービン建屋の地下トンネルや立て坑にたまった水表面から高い放射線が測定された問題では、東京電力に対し、水が立て坑からあふれた形跡の調査と、地下水のモニタリングを指示したことを明らかにした。
一方、25日と26日に海水から高濃度の放射性ヨウ素が検出された1〜4号機の放水口付近のモニタリングでは、28日の採取で濃度は限度の約30倍まで低下。27日に1150倍を検出した5、6号機放水口付近でも665.8倍に低下し、同保安院は「海への放射性物質の流出が止まった可能性はある」としている。
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「無分別が生んだ破局」と前知事 福島県の佐藤氏、仏紙に
【パリ共同】福島県の佐藤栄佐久前知事は29日付フランス紙ルモンドのインタビューで、福島第1原発の事故について、原発の運営に関わった人間の「無分別がもたらした破局だ」として東京電力や日本の原子力行政当局を強く批判した。
佐藤氏は福島県知事時代の1998年、全国で初めてプルサーマル計画を了承。プルトニウム・ウラン混合酸化物(MOX)燃料が福島第1原発6 件に搬入されたが、2002年に東電の原発トラブル隠しが発覚、了承を撤回した経緯がある。
佐藤氏は「(今回の事故6 件で)恐れていたことが現実になってしまった」と指摘。日本の原発行政を推進する経済産業省と監視機関の原子力安全・保安院を分離すべきだとの声があったのに実現していないことを挙げて「日本は民主国家だが、浸透していない分野がある。正体不明の利益に応じて、数々の決定がなされている」と原子力行政の不透明性を暴露した。
また「今回の破局は(原発に関する)政治決定プロセスの堕落に起因している」と指弾した。
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(2011/03 /29-12:01)
「大変深刻な事態」=プルトニウム観測強化−枝野官房長官
枝野幸男官房長官は29日午前の記者会見で、福島第1原子力発電所敷地内の土壌から放射性物質のプルトニウムが検出されたことについて「燃料棒が一定程度、溶融したことを裏付けるものだ。そのこと自体は大変深刻な事態だ」との認識を示した。また、「周辺部への影響を阻止し、収束させることに全力を挙げている」と強調した。
枝野長官は「事故の影響で高い濃度のプルトニウムが検出されるということになると対応が必要だ。継続的にモニタリングを続けていく」と述べ、土壌などプルトニウムの観測を強化していく考えを示した。
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東日本大震災:福島第1原発事故 プルトニウム検出 保安院審議官「憂うべき事態」
経済産業省原子力安全・保安院の西山英彦審議官はプルトニウムの検出について「健康影響は考えられないが、燃料棒の損傷があることを示している。放射性物質が漏れないようにする(原発に)あるべき五重の壁が破れたことを示す。憂うべき事態だ」と述べた。
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(2011年3月29日10時3分)
福島原発「深刻なまま」 カーニー米大統領報道官
【ワシントン=尾形聡彦】カーニー米大統領報道官は28日の会見で、東京電力福島第一原発の放射能漏れ事故の状況について、「深刻なままだ」との認識を示した。一方で、日本経済の今後については「日本の人々の回復力や日本経済の強さには自信を持っている」と語った。
カーニー報道官は、福島第一原発で原子炉から放射性物質が漏れ出た可能性が高まっていることを問われたのに対し、「事態を非常に注視しており、大統領も最新状況について定期的に説明を受けている」と言及。日本の状況は依然として深刻だとの認識を示したうえで、「だからこそ、我々は日本を助けるために、非常に多くの援助を行うことを約束している」と述べた。
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(2011年3月29日08時33分)
プルトニウム、燃料損傷の裏付け…健康影響ない
福島第一原発の敷地内5か所から見つかったプルトニウムは、微量で、ただちに健康影響を心配する量ではない。しかし、今回の原発事故で燃料の損傷がかなりの規模で起きていたことを示すものとなる。
東京工業大の二ノ方壽教授(原子炉工学)は「燃料が冷却できずに空だきになった際に、燃料の損傷が相当程度、進んだことを示すものだ。何らかの爆発的な現象や火災で生じた煙に乗って流されたのではないか」と指摘する。東電側はさらに採取地点を増やして、継続的に監視を行う方針。
今回検出されたのはプルトニウム238、239、240の3種類。数字は原子の重さ(質量数)の違いを示す。核兵器の原料として知られるのがプルトニウム239だ。いずれも、自然界にはほとんど存在せず、通常の原子炉内で運転した際に、ウラン燃料が変化して生じる。プルトニウムの半減期は最も長い239で、2万4000年。
東西冷戦期の1950〜60年代には核実験が多数行われ、その際にプルトニウムも大気中に放出されて、一部は放射性降下物として地上に降った。今回検出された量は、土壌中に含まれる核実験由来のプルトニウムとほぼ同じ。本来、土壌中のプルトニウムがどこから来たかの判別は困難だが、検出されたプルトニウムの種類の割合が、核実験時のものと異なる点から、原発由来のものと判断した。原子力事故では、97年3月の旧動力炉・核燃料開発事業団アスファルト固化施設爆発事故の後に、ごく微量の238が検出されている。
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(2011年3月29日03時04分)
日米両政府が東京電力福島第一原子力発電所事故への対応で連携を強化するため、合同の連絡調整会議を創設し、その下に課題ごとの検討・作業チームを新設したことが28日、明らかになった。
日米双方の政府高官や原子力専門家、自衛隊、米軍のほか、東電や原発関連企業も参加し、日米同盟を背景に総力戦の態勢を築く狙いがある。
検討・作業チームは、〈1〉放射性物質の拡散を防ぐため、早急な取り組みが必要な「放射性物質遮蔽」〈2〉中期的に原発を安定化させる「核燃料棒処理」〈3〉長期の対策となる「原発廃炉」〈4〉住民の健康管理など「医療・生活支援」――の四つだ。「医療」以外の3チームはすでに発足しており、「医療」チームも近く設けられる。細野豪志首相補佐官が4チームの取り組みを総括する。
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(2011年3月29日00時04分)
土壌からプルトニウム微量検出…福島第一原発
東京電力は28日、福島第一原子力発電所の敷地内の土壌から放射性物質のプルトニウムを検出したと発表した。
プルトニウムは過去の大気圏内核実験でも放出されているが、成分の特徴から東電は、今回の事故によってプルトニウムが外部に放出されたとみている。検出量はごくわずかで、人体には影響のないレベルだという。
東電によると、21日午後から22日朝にかけて、敷地内の5か所から土壌を採取。日本原子力研究開発機構が分析した結果、プルトニウム238、239、240が検出された。
このうち、敷地内グラウンドと固体廃棄物貯蔵庫前の2か所で検出されたプルトニウム238は、それぞれ乾燥した土壌1キロ・グラムあたり0・54ベクレルと0・18ベクレルで、国内で通常検出される量の最大約3・6倍。
今回はプルトニウム239、240に比べて、原子炉の中で生成する238の割合が高い。同社の武藤栄副社長らは、「238は今回の事故に起因すると思われる」としている。
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あの日、総理「少し勉強したい」と原発視察
政府の原子力安全委員会の班目春樹委員長は28日の参院予算委員会で、東日本巨大地震発生の翌12日に菅首相が東京電力福島第一原子力発電所を視察したことについて、「首相が『原子力について少し勉強したい』ということで私が同行した」と明らかにした。
首相は12日朝、ヘリコプターで同発電所を訪れ、約50分滞在して東電職員らから状況の説明を受けた。
この視察で東電の初動対応が遅れたとの指摘が出ている。班目氏は「現地で首相が行ったことで何か混乱があったとは承知していない」と述べたが、「勉強目的の視察」に改めて批判が出る可能性もある。
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(2011年3月28日18時00分 )
2号機付近の地下、水から高濃度放射線観測
東京電力は28日、福島第一原子力発電所2号機タービン建屋近くの立て坑が水で満たされ、水表面の放射線量が1時間あたり1000ミリ・シーベルトを超えていることを27日午後確認したと、発表した。
立て坑は、タービン建屋の下を通る「トレンチ」と呼ばれるトンネルの入り口で、深さ約16メートル。
配管やケーブルの点検に利用されるが、このうち15メートルが水で満たされていた。建屋内からは、高濃度の放射性物質を含む水が見つかっている。
2号機の放水口近くでは、高濃度の放射性物質が検出されているが、海から50~60メートル離れた立て坑の汚染水が海に流れ込んだかは不明。
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(2011年3月28日07時11分)
3号機、水蒸気が激しく噴出…陸自ヘリ撮影
防衛省は27日、陸上自衛隊のヘリが同日午前に東京電力福島第一原子力発電所を上空から撮影したビデオ映像を公開した。
3号機では、これまで水蒸気が上がっていた使用済み核燃料貯蔵プールだけでなく建屋内の別の場所からも水蒸気が激しく噴き出していた。原子炉工学に詳しい専門家は「原子炉格納容器の遮蔽物付近から噴出しているように見えるが、一時貯蔵プールの蒸気が狭い空間に潜り込み、噴き出ている可能性が高い」とした。
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(2011年3月28日01時21分)
セシウムを誤認か…東電、未明の再訂正会見
東京電力が福島第一原子力発電所2号機のタービン建屋で、運転中の原子炉内の水の1000万倍、29億ベクレルという高濃度の放射性物質を含む汚染水が見つかったとした27日午前の発表は、ほかの物質を誤認した分析ミスだった。
東電は、一度訂正した物質の名前を28日未明の会見で再訂正するなど、終始混乱した。
東電は、24日に作業員3人が被曝した事故を受け、24日から26日にかけて、1~4号機で見つかった汚染水について分析。2号機の数値は、炉内の水の1万倍程度としていたほかの汚染水と比べても際立っていた。29億ベクレルも含まれるとされたヨウ素134は、ウランの核分裂で生成する。寿命(半減期)は53分と短く、半日で1万分の1以下に減る。ところが、2号機の結果では、半減期の長いほかの物質の100倍以上も存在したことになっていた。
東電によると、27日午後に、同じ水を分析し直した結果、ヨウ素134と思っていた物質がほとんど減っておらず、原子の重さ(質量数)が同じセシウム134の間違いだったと気づいたという。セシウム134の半減期は2年と長く、放射線の放出が緩やかなので、ベクレルの数値は大きく下がる。同日夜の発表では、コバルト56の誤りの可能性が高いとしていたが、再検証の結果、違うとわかった。
今回のミスは単なる数字の問題だけでなく、状況判断に影響を与えるおそれがあった。古川路明・名古屋大学名誉教授は「もし多量にヨウ素134が出ているのならば、原子炉で、再び核分裂反応が短時間起きた可能性もあり得た」と話す。一方、データがおかしいと気づいた関係者もいた。原子力安全委員会の代谷誠治委員(元京都大学原子炉実験所長)は「ヨウ素134の量が突出して多いのは不思議だ」と、27日夜の訂正会見の前に、東電側に再分析を求めていたという。
安全委は、1号機の汚染水についても「あれだけ海水を使ったのにナトリウムの痕跡がない」と、再分析を求めている。
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(2011年3月27日12時16分)
2号機の水、放射性物質濃度は通常の1千万倍
福島第一原子力発電所2号機のタービン建屋地下の水たまりで26日に採取された水から、高濃度の放射性ヨウ素134が検出された。
経済産業省原子力安全・保安院が27日、発表した。濃度は1立方センチ当たり29億ベクレルで、運転中の原子炉内の水に通常含まれる放射性物質の濃度の約1000万倍に上る。
また、この水たまりの表面で計測した放射線量は毎時1000ミリ・シーベルトを超えた。隣の3号機では、25日に作業員3人が被曝した際、同400ミリ・シーベルトだったが、26日は750ミリ・シーベルトに上昇していた。今後の作業への影響が懸念される。
2号機で高濃度だったヨウ素134は、これまで大気や海水から検出されているヨウ素131とは別の物質で、放射線を出して別の元素に変わるのが速い(半減期が短い)。なくなるのが速い物質が高濃度だったことから、現在も原子炉の水が漏れ続けている可能性があるという。
一方、同原発の放水口付近で26日午後2時半に採取した海水からは、濃度基準の約1850・5倍のヨウ素131が検出された。
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(2011年3月26日22時51分)
核燃料の損傷、進行か…汚染水から放射性物質
東京電力福島第一原子力発電所の放水口付近で採取した海水から、高濃度の放射性ヨウ素131が検出された問題で、東電や経済産業省原子力安全・保安院、専門家は26日、汚染水が原子炉につながる配管などから海に放出されたという見方を強めた。
汚染水からは、燃料が核分裂した際に生成する多種類の放射性物質が検出され、燃料損傷が進んでいる可能性を示している。大気中の放射線量に大きな変化はなく、浮遊する放射性物質が降下して海に溶け込んだことが原因とは考えにくいとの見方が強い。
この海水は福島第一原発1〜4号機の放水口から南へ約330メートルの場所で採取された。検出された放射性ヨウ素131の濃度は1ミリ・リットル当たり50ベクレルで、原子炉等規制法で定める濃度基準の約1250倍だった。
海水が高濃度の放射性物質で汚染された原因について、原発周辺で大気中の放射線量が急増した事実はなく、浮遊している放射性物質を落とす雨も降っていないことから、東電は26日の記者会見で「原子炉につながる配管から汚染水が流れ出した可能性がある」と説明した。
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(2011年3月27日01時19分)
原発一進一退 被害を最小限に食い止めよ(3月27日付・読売社説)
東京電力福島第一原子力発電所の鎮圧作業が一進一退を続けている。
原子炉の核反応は地震で自動停止したが、津波で冷却機能が損なわれた。1、2、3号機は心臓部「圧力容器」内の核燃料が過熱し、一部は溶融したとみられている。
事態の悪化を防ぐため、臨時のポンプを使い、圧力容器に注水する応急措置が続けられている。
電源供給、冷却機能の回復作業も進む。1〜3号機は中央制御室に電源が戻った。注水用の水も、機器類を傷める海水から、真水に切り替わった。
圧力容器の温度などは安定しており、最も危機的な状況は脱しつつある。これをいかに常態化させるか。いまが正念場だ。
現場では懸命の復旧作業が続くが、24日には作業員の大量被曝(ひばく)事故が起きた。劣悪な環境で長期の緊張を強いられている作業員の疲労が心配だ。二度とこうした事故が起きないよう、政府、東電は安全管理を徹底すべきである。
状況は依然、楽観できない。
経済産業省原子力安全・保安院は、原子炉内から配管経由で高濃度の放射能を含む水が漏れ、施設内各所に汚染を広げている、と懸念している。これが作業を遅らせている。水の除去を急ぎたい。
事態が急変して圧力容器が損傷し、炉心が溶け落ちる可能性も指摘されている。ただ、その場合も圧力容器を包む格納容器と防護壁が受け止め、外部への爆発的拡散は起きない設計になっている。
チェルノブイリ原発事故の再来を心配する声まで一部にある。放射能が首都圏まで飛来したことなどが原因だろうが、この時は炉心の核反応が爆発的に起き、火災を伴った。今回は原子炉の構造、事故の状況が全く違うため、専門家の多くは否定的だ。
政府は、刻々変わる被害状況や汚染のデータを迅速かつ正確に情報公開するとともに、想定外の事態まで見通した対処方針を国民に説明しておかねばならない。それが不安軽減につながるだろう。
それにしても、政府の周辺住民の避難対策には疑問が多い。
これまで政府は、原発周辺20〜30キロの住民に屋内退避を指示していた。ところが25日、突如「自主避難」に切り替えた。
どこへ、どう避難すればいいのか。住民は一任されても対応のしようがあるまい。政府の責任で避難指示を出すべきだ。
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(2011.03.26 Sat 14:17 JST)
原子炉燃料が破損し放射性物質が漏出か 作業員の被曝
東京(CNN) 東日本大震災に伴う東京電力の福島第一原子力発電所事故で経済産業省原子力安全・保安院は25日、3号機のタービン建屋内で24日に発生した作業員3人の被曝(ひばく)に関連し原子炉の燃料が破損して放射性物質が漏れ出た可能性があるとの見方を示した。
3人は建屋内で外部電源の復旧作業中、通常の原子炉内の冷却水より約1万倍強い放射能が検出された水たまりにつかっていた。この水たまりの深さは約15センチとされ、原子炉格納容器が破損し、しみ出た可能性もある。
東京電力によると3人は水たまりの放射能に40~50分間、接触していた。国際原子力機関(IAEA)は日本政府当局の情報を引用しながら、3人は放射線量の検知器の警報が鳴ったものの間違った数値と考え、これを無視した可能性があると説明した。
3人の被曝を受け、3号機での復旧作業は中断している。3人は病院で手当てを受けている。うち2人は「ベータ線熱傷」の被害を受けたともみられる。
水たまりに放射能が含まれていたことについて米マサチューセッツ工科大学の原子力科学専門のハッチンソン教授は、原子炉などを冷却するため放水作業が実施されており必ずしも予想外のことではないとし、「私は特に驚いていない」とも述べた。
また、東電は26日、第一原発の他の原子炉2基関連の建屋でも同じように放射線量が高い水がたまっているのが見付かり、復旧作業を中断し作業員に退避を命じたと発表した。
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(2011年3月26日11時18分)
1、2号機でも高放射線量含む水…復旧作業遅れ
東京電力福島第一原子力発電所3号機で作業員が被曝した事故で、東電は26日、1、2号機でも原子炉から漏れ出たとみられる高放射線量の水を確認したと発表した。
水たまりは、いずれも3号機と同様にタービン建屋地下にあり、原子炉につながる配管やポンプから漏れ出た可能性が高い。水たまりは、4号機でも確認されており、東電で分析する。水たまりが見つかった場所は、冷却機能を回復するために電気ケーブルを引く作業を行う必要がある場所で、復旧作業に遅れが出始めている。
東電が、1号機のタービン建屋地下1階で24日に採取した水を分析したところ、水の持つ放射能は1立方センチ・メートルあたり約380万ベクレルで、作業員が被曝した水とほぼ同じだった。水表面の放射線量も調べた結果、人体への影響を示す数値は毎時200ミリ・シーベルトで、3号機で作業員が被曝した水の約半分の高さだった。燃料が損壊されて出る放射性ヨウ素のほか、長期にわたり強い放射線を出し続けるセシウム137も検出されており、原子炉から漏れ出た可能性が高い。
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(2011年3月25日23時27分)
被ばく量、30km圏外で高い地域も
福島第一原発から半径20〜30キロ・メートル圏内の自治体に対し、政府が住民の自主避難を促すよう求めた背景には、原子力安全委員会が23日に公表した放射性物質の拡散予測結果がある。
「SPEEDI(スピーディ)」と呼ばれる予測システムはずっと屋外にいた場合を想定。同じ福島第一原発の30キロ・メートル圏内でも、地域によって被曝(ひばく)量が大きく異なり、30キロ・メートル圏外でも非常に高い地域があることを示した。放射性物質の広がりは地形や風向きに大きく左右される。安全委の班目(まだらめ)春樹委員長は23日の記者会見で、「スピーディの予測結果から、ある程度、放射性物質の拡散の傾向が見て取れる。同心円状に避難範囲を決めているが、そろそろきめ細かく設定し直す時期に来ている」と語った。
実際、福島県が観測した大気中の放射線量の結果から、15日から24日午後4時までずっと屋外にいた場合の被曝量を計算すると、同原発から北に約24キロ・メートル離れた南相馬市では620マイクロ・シーベルトなのに、北西約40キロ・メートルの飯舘村では4000マイクロ・シーベルトで、1年間に日本人が自然から受ける1500マイクロ・シーベルトを大きく上回る。こうした結果は、スピーディの予測とも一致する。
東京女子大の広瀬弘忠教授(災害・リスク心理学)によると、放射線量が特定の観測地点だけ高くなる現象は、チェルノブイリ原発事故の際もみられた。広瀬教授は「政府は予測結果をもっと早く公表し、避難区域の設定に生かすべきだった。避難の範囲を同心円で設定し、徐々に広げていったのは科学的な根拠に乏しい」と語る。
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(2011年3月25日13時49分)
作業員被ばく、1万倍の高濃度放射能どこから?
作業員3人が被曝(ひばく)した東京電力福島第一原子力発電所3号機では、タービン建屋地下にたまった水から、通常の原子炉の冷却水と比べて、1万倍に達する高濃度の放射性物質が検出された。放射性物質は核燃料が損傷して漏れ出したと考えられるが、どこから水は流れてきたのか——。
経済産業省原子力安全・保安院は25日午前の記者会見で、「原子炉か、使用済み核燃料一時貯蔵プールかどちらかと思うが、はっきりしない。原子炉はデータを見る限り、閉じこめの機能はあると思うが、放射性物質が出ているので検証しなければいけない。原子炉が破損している可能性も十分ある」と指摘した。
専門家は、〈1〉原子炉建屋4〜5階のプールに一時貯蔵している使用済み燃料が破損し、大量の放水とともに流れ出した〈2〉原子炉からタービン建屋につながる主蒸気配管を閉鎖する弁などに不具合が発生し、蒸気が少しずつ漏れている〈3〉大気に放出された大量の放射性物質が水に溶け込んだ——という三つのシナリオを指摘する。
3号機では、14日に水素爆発が起き、貯蔵プールのある原子炉建屋が大きく壊れた。プールの冷却や給水ができなかったため、使用済み核燃料が過熱、一部が破損した可能性が指摘されている。その後、プールに水を供給するため、東京消防庁や自衛隊などが、24日までに約4050トンの海水を放水した。
専門家は〈1〉について、放水量が非常に多い点に注目する。放射線量が高く、がれきが散乱する中、プールが満水になったかどうか確認は困難で、放水量はプールの容積の3倍近い1425トンに達した。
満水時、水面は地上から約40メートルの高さにある一方、タービン建屋地下1階は深さ約9メートルで、その落差は50メートル近くある。プールからあふれた大量の水が、破損した原子炉建屋から外に漏れ出し、タービン建屋に流れ込んだ可能性がある。
〈2〉については、津波ですべての電源が失われるまで、主蒸気を遮断する機能が正常に働いていたが、東電は「原子炉からタービンにつながる配管などが損傷した可能性は否定できない」とする。
また、〈3〉について専門家は、原発周辺の大気中の放射性物質の濃度などから否定的だ。
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(2011年3月25日12時57分)
汚染水に高濃度放射性物質、核燃料破損・漏出か
東京電力福島第一原子力発電所3号機の作業員被曝問題で、東電は25日、福島県立医大病院に入院していた作業員2人が放射線医学総合研究所(千葉市)へ転院し、4日程度経過を観察することになったと発表した。
2人にはこれまで急性放射線障害の症状は出ていないという。作業員は被曝量の警報が出ていたにもかかわらず作業を続けていたことも判明。経済産業省原子力安全・保安院は再発防止のため、作業時の放射線管理のあり方を改善するよう口頭で指示した。
東電によると、被曝のため入院したのは、協力企業社員の30歳代男性と20歳代男性。他の1人とともに3号機タービン建屋地下1階で24日、電気ケーブル敷設作業中に約40~50分間、くるぶしまで水につかり、緊急作業時の年間被曝限度に近い173~180ミリ・シーベルトの放射線を浴びた。
東電は25日、現場にたまっていた水を採取し、分析した結果、ヨウ素131やセリウム144、セシウム137など9種類の合計で、1立方センチ・メートルあたり約390万ベクレルの放射性物質が検出されたことを明らかにした。
セシウム137は核燃料内に存在するため、東電は3号機の原子炉か使用済み核燃料一時貯蔵プール内の燃料が損傷して溶け出し、外部に漏れた可能性があるとしている。
東電によると、たまっていた水の放射性物質の濃度は、通常運転時の原子炉内の冷却水の1万倍。ただ、核燃料は金属で覆わており、冷却水に放射性物質が漏れ出すことはないため、通常時の放射性物質の濃度はかなり低く、今回、溶け出た物質の量はあまり多くないとみられる。
2人は作業中、被曝量が20ミリ・シーベルトを超えると鳴動するよう設定した線量計を携帯。途中で線量計のアラームが鳴っていることに気づいたが、前日の作業時には現場付近の放射線量が低かったため、線量計の故障と思って作業を続けた。東電の内規では作業の前後には現場の放射線量を計測すると定めているが、今回は作業後に線量計の計測値を確認していただけだったという。
保安院の指導を受け、東電は同原発の全作業員に対し、線量計のアラームが鳴った際には作業を中断し、水にぬれた場合は直ちに検査するよう指示。25日朝から、3号機のタービン建屋地下1階以外での復旧作業を再開した。同地下1階にたまった汚染水を取り除く作業も計画している。
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(2011年3月25日13時13分 )
第一原発に真水注水、米軍支援で週明けにも実施
日米両政府は25日、東日本巨大地震で被災した東京電力福島第一原子力発電所の原子炉内部を継続的に冷却するため、米軍と自衛隊が協力して真水の注水を行う方向で最終調整に入った。
米軍が大量に貯水できる「はしけ船」に真水を積んで発電所の近くに運び、米軍から提供を受けた大型注水設備で東電と自衛隊が注水する方針だ。北沢防衛相が同日午前の閣議後の記者会見で明らかにした。米側の申し出を受けたもので、週明けにも作業に着手したい考えだ。
北沢氏によると、緊急的に行っている海水による注水について、米側は塩分で原子炉内部が腐食する可能性があり、不測の事態を招きかねないと懸念しているという。日本政府も発電所近くの「坂下ダム」(福島県大熊町)から真水を採水する方針だが、北沢氏は「ダムだけでは地震の影響で本来の水量を確保できない可能性がある」と述べた。
はしけ船は、在日米海軍司令部のある神奈川県横須賀市から福島県いわき市の小名浜港まで、海上自衛隊の多用途支援艦でえい航する。注水後も、海自の補給艦で真水を足す計画だ。
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(2011年3月25日07時38分)(三号機は最も危険なプルサーマル)
3号機地下の水、放射性物質濃度は通常の1万倍
東京電力福島原子力発電所3号機の電源復旧作業中に作業員3人が被曝した問題で、東電は25日未明、タービン建屋地下1階の水に含まれる放射性物質の濃度は通常運転時の原子炉内の水の約1万倍に達したと発表した。
通常はほとんど検出されない放射性物質も高い濃度で検出され、同社は3号機の原子炉か使用済み核燃料一時貯蔵プール内の核燃料が破損した後、現場周辺に漏れ出した可能性が高いという。
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(2011年03月29日)
管理区域外に大量の汚染水発見、処理は無理?
東京電力福島第一原子力発電所は、建屋を破壊され、外界に放射性物質を放出する異常な事態に陥っている。3月28日、2号機タービン建屋の海側にあるトレンチの中に高い放射線量の水が大量に詰まっている事実が明らかにされた。東京電力は3月28日、事態にどう対処したのか。東京都千代田区内幸町の東京電力本店から報告する
■28日未明
28日午前零時52分、原子力施設管理部の3人の課長らの記者会見が始まる。各プラントの最新状況を説明するための定例の記者会見だ。
前日の27日からこの日の未明にかけて、タービン建屋地下で見つかった「たまり水」の放射能の測定結果に関する発表が一転二転し、武藤栄副社長の記者会見が3回も開かれ、その最後の会見が直前まで続いていた。そのあおりで、3人の課長の会見の開始が遅くなった。
まず取り上げられるのは、「たまり水」をどこに移すか、という問題。
すでに1号機ではタービン建屋内にある復水器に移しつつあるが、2号機、3号機ではいまだ検討が続いている。1号機と同様にする方向で検討していたが、小林照明課長によると、2、3号機の復水器はすでに水でほぼいっぱいになっている。そこで、復水器の中にある放射能の比較的少ない水を復水貯蔵タンクなどに移し、その後に「たまり水」を入れる方策を検討している。
燃料プールへの状況について、黒田光課長が説明を始める。2号機の燃料プールについて、満水であることを確認し、さらに、27日午後5時50分時点で水温が56度だったとの計測数値を得られたという。4号機の燃料プールについても、午後4時55分からコンクリートポンプ車で注水を始めたが、満水に達したことを示す形跡があり、午後7時25分に予定より早く終了させた。
燃料プールはとりあえず良い方向が見えてきたとして、それでは原子炉はどうなのか。原子炉建屋の外部であるタービン建屋の中にまで、炉内から漏れ出したとしか考えられないような高レベルの汚染水があるのが見つかっている。これはすなわち、炉に水を入れれば入れるほど、その水が外部に抜けていることを意味するのではないか。そして、それが、いくら水を入れても炉の水位が上がってこない原因となっているのではないか。
黒田課長を相手に複数の記者が考え得る可能性を詰めていく。
——原子炉内に入れた水はどうなっているのか?
圧力容器(の容積)は300立米くらいです。今、毎分280リットルくらいの水を入れていると、1日で300立米くらい以上になってしまいます。(その水がどうなっているか)まず一つは蒸発分があります。入れている部分の半分くらいは蒸発していると見込んでいます。なら、あと半分だと、2日で一杯になってしまうんじゃないかということになります。(蒸発しなかった水は)やはり格納容器側に少なからず行っていると思います。ですから、格納容器と一緒に水位を上げていくイメージです。格納容器(2、3、4号機の格納容器のてっぺんまでの容量)は3700立米くらいあります。ですので、半分と見込んでも、1900立米くらいあるわけです。あとは、サンプリングの結果から、いくらか外に(水が)出ている部分があって、そこらへんをもう少し見極めなければならないと思っています。きょう、ポンプを変えて、いくらか流量の調節ができるようになっています。流量を絞ったりしてどの程度で水位が平衡するかを調べれば、どのくらい気化していて、どのくらい入っていなければならないのに出ていってるのか、もしかしたらイメージがわいてくるかもしれないということで、数日かけて、なるべく流量を絞りたいですし、何か分かってきたらお知らせしたい。
——それは何号機の話?
これは1、2、3、同じだと思います。だいたい同じ量の水を入れて水位が上がってきていないので、同じような状況だと。
——水を入れれば入れるほど、炉内の圧力が上がるはず。
一時的には圧力が上がるけども、冷えれば、そのあと(圧力も)下がってくるわけですね。そこの頃合いだと思います。流量を上げたり下げたりしながら、崩壊する(元素崩壊が進んで崩壊熱が少なくなる)のを待つのもありますし。
——圧力抑制プールの中の水は抜く方法がないじゃないですか。最後はドライ(格納容器内のガスを外界に放出するガス抜き)でも何でも抜く腹を決めてるわけですよね?
なるべくドライは開けないようにして、冷える効果で圧力が下がる状態に早く持っていきたい。
——1号機では最悪の場合を考えて「ドライベントも仕方ない」と決めてないと、その方法は採れないと思うんですが
そうですね。最悪は(ガス抜きのための弁を)開く可能性はあると。
——格納容器に水が出ている?
そういう想定をしています。
——要するに、圧力容器は穴があいているんですね?
穴というか、どっか配管なり何なりで、気層ではなく、液層の部分で、格納容器と(の間に)パス(通り道)があるんじゃないかなと想定しています。
——つまり、下のほうにある?
そういうイメージですね。
——なんであいた?
分からないです。水位が上がってこないところを見ると、そういうふうなことを想像するのが普通かなと思います。
——それで「健全性を保てている」と言える?
気層側は圧力がたっています(気圧より高い圧力の数値が計測されている)ので、気層側で外にどんどん抜けていってるというのはないと思っていますので、そういった意味では、大きく壊れていないと。
——この状態で「健全性を保てている」と言えるんですか?
「健全性が保てている」という言葉がどうか分かりませんけども、少なくとも水がタービン側に出ているんだろうということが分析結果から予想できるわけで、それをもって……
——燃料から溶けた水が圧力容器から漏れ出して、さらに、原子炉建屋の外にまで出ている状態という認識は間違ってますか?
タービンで発見されてますので、そうですね。
——これをもって「健全性が保てている」と言うのは欺瞞のように聞こえる。
「大きく壊れていない」という言い方ですね。まだ圧力を保っている状態ですので、完全に大気と一緒になってしまっている状態ではないということです。度合いですよね。チェルノブイリ(1986年に事故を起こした旧ソ連の原発)のように完全に破裂して外に全部出てしまう状態にはならないという意味合いですね。
——「完全に」ではない。
まだある程度の障壁になっている。
黒田課長は、声音を下げて、記者と一緒に考えるように質問への答えを出していく。「この人は本当のことを言っているんだな」という納得感が会見場に広がるが、それは、話の内容の深刻さと裏腹である。
■28日夕
午後5時29分、「福島第一原子力発電所プラント状況等のお知らせ」と題する、いつもの資料の「3月28日午後2時現在」版が配布される。その4枚目、最後から2番目の段落に新たな事実が書き込まれている。
「3月27日午後3時30分頃、1〜3号機タービン建屋外のトレンチの立坑に水が溜まっていることを確認しました。水表面の線量は、1号機が毎時0.4ミリシーベルト、2号機が毎時1000ミリシーベルト以上でした。なお、3号機については、がれきが障害となり線量を測定することができませんでした。引き続き、立坑内の水を監視してまいります」
タービン建屋の地下ではすでに高いレベルの放射能汚染水が見つかっていたが、それと同程度に放射性物質で汚染された水が、建屋の外、つまり、放射線管理区域の外部から見つかったということを意味する。
——管理区域外ですね、これは?
そうです。外です。トレンチというのは、タービン建屋からポンプ室まで配管や電線などを通す通路で、人が行き来できる。配管が通っていますので、見やすいように巡視できるような状態になっています。
——トレンチが水を保持する能力は?
構造はコンクリートの構造になっていますので、それなりの機能を有していると思うが、確認がとれていない。
——もともと水が通る場所ではないですよね?
部分的に継ぎ目がある。ゴム製の止水板が入れているので、防水はかろうじてあるが、完全ではないだろう。
——トレンチのつなぎ目から地下に漏れてそれが海に回る可能性は?
ないとは言えないと思います。トレンチ自体、完全な防水とは言い切れないと思いますので。
——トレンチと海を直結する配管はない?
ない。
東電の説明によれば、立坑の出口に近いところ(1号機は10センチ、2号機は1メートル、3号機は1.5メートル)まで水が詰まっているが、外に流れ出した形跡はないという。とはいえ、トレンチの内部はもともと水が入るようなことを想定して作られているのではない。一応の防水加工はあるというが、それが完全ではないことは東電も認める。
東電側関係者の説明によると、立坑の海側の出口は小屋で囲われているが、その戸は機能していなかったという。3月11日に津波に襲われた際に破られたとみられ、立坑もトレンチもその際に水没したとみられる。そして、その津波の水の勢いで、タービン建屋との間の仕切りの配管貫通部に水の通り道ができてしまった可能性がある。タービン建屋地下の汚水と立坑の中の水はいわばツーツーとなっており、その結果、汚染が広がったとみられる。
大きな問題となりそうなのはその汚水の量の多さだ。立坑とトレンチを合わせた体積は1号機が3100立米、2号機が6000立米、3号機が4200立米。そこを通る配管の容積の分は差し引かなければならないが、たとえば、2号機の6000立米のかなりの部分の水はタービン建屋地下の「たまり水」と同程度に汚染されている可能性がある。
一方で、タービン建屋地下の汚水の排水先として検討されている復水器は容量が限られている。その復水器の水の排出先である復水貯蔵タンクの残容量は、1号機が700立米(容量全体では2000立米)、2号機が900立米(同2359立米)、3号機が1500立米(同2500立米)、4号機が2000立米(2500立米)。これとは別に、定期検査中に原子炉の圧力抑制プールの水を貯めておく共用の大型タンクが2つあり、3400立米ずつ計6800立米の容量がある。これらを合わせても、すべての水を入れることは難しそうだ。
■副社長の夜の定例会見
午後6時42分、武藤栄副社長の記者会見が3階で始まる。
□圧力容器の「健全性」
——きょうの未明の会見でお話があったんですが、圧力容器に関して、「下のほうに穴があいている可能性が高い、下のほうの穴から放射性物質を含んだ水が出ていると考えるのがふつうである」というお話がありました。
私、そういうこと申し上げたことはございません。
——副社長から伺ったのではなく、きょうの未明の会見で(原子力設備管理部の課長が言った話で)す。
いろいろな可能性が考えられるということは申し上げているかもしれませんが、それを断定的に判断したということではないと思います。
—— 「そう考えるのが普通である」というお話がございました。で、そういう状況で、今のところ東電さんとしては圧力容器の状態について健全性が保てているというお考えを示してこられていますが、そういう認識が正しいのか。
原子炉の中の状況について、非常に限られたデータで状態を判断してきておりまして、したがいまして、明確に申し上げるのは困難を伴う状況ですが、全体としてみると、これまでのいろいろなパラメーター(水位や圧力の計測数値)の変化を見ますと、大きな変化が起きたということはない、と思っております。原子炉の中の水が格納容器の中に出てきている可能性は考えなければなりませんが、いまおっしゃったような、ある特定の部位で破損しているということを我々として判断しているということはございません。
——原子炉を経由した水が外に流れ出ている可能性がきわめて高い状況の中で、圧力容器の健全性が保てているというお考えなんでしょうか?
「健全性」というのをどのように定義するかということになると思いますけども、原子炉圧力容器にはさまざまな配管も接続されておりますし、そこにはポンプがあったり、バルブがあったりするわけでありまして、その全体で原子炉一次系という系統を構成しております。その中のどこからか水が出ている可能性は否定できないと思いますが、圧力容器そのものの健全性について何か問題があるということを決めるような手立てはないと思います。
——この状態が「健全性が保てている」とお考えなのか?
「健全性」というものをどういうふうに定義されるかということによるわけで、一次系からさまざまなルートを通って原子炉の中の水が表に出ている可能性は否定はできませんけれども、原子炉圧力容器そのものが大きな損傷を受けているというふうに我々が判断しているというわけでは決してございません。
——それでは、副社長の「健全性」の定義はいかがですか?
一次系の中から放射性物質が表に出てきているという可能性はさまざまなルートについて考える必要がありますが、「健全性」という漠然とした概念について議論するのは今の状態ではあんまり……、出てくる放射能の量と関係はな……、明確に関係づけて原子炉の健全性を議論するということではないと思います。
——「健全性」という言葉が使われてきたわけですが、これからその言葉にこだわらないということでいいですか?
原子炉からどのくらい放射性物質が表に出てくるかというのが重要なわけでして、今後、さまざまな検証していく中で、さまざまな検討がされると思いますが、現時点でどこを通って放射性物質が格納容器の中に出てきているのか判断する材料は持ち合わせていないということでございます。
——官邸(総理大臣官邸)から「あなたの考える健全性とは何か」と問われても同じ回答ですか?
格納容器から出る放射能をいかに最小化するかということが重要なことでありまして、それに向けてさまざまな努力をしているということであります。
原子炉圧力容器が健全であったのかどうかということにつきましては、現時点では我々はそれを明確に確認する手立てはございません。これは、この事故に関して検証する中で明らかになっていくべき性格のものだと思います。
検証というのは、当然、この事故については、多くの国内の機関、海外の機関も含めて、どういうことが起きたのかということが検証されていくことだと思います。
——炉の穴の話について「私は承知していない」という話がありましたが
原子炉の底部については、明確にその場所だと決定づけて判断したことではないと申し上げたということです。
——皆さん(原子力設備管理部の課長たちは)いろいろな可能性について我々(記者)に説明してくれているので、武藤さんのほうから「変な発言がないように」とかプレッシャーがかからないように私からお願いします。
いっさいそういうプレッシャーをかけるというようなことはございませんし、起きていることについてきちんと説明するのが我々の基本的な考え方でございます。
□トレンチの高線量水の報告遅れ
——きのうの午後3時半ごろ、1〜3号機のタービン建屋外のトレンチの立坑に水がたまっているということなんですが、副社長はこれについて、いつ、ご存じになったか?
きのう午後発見された水の件だと思いますが、私は本日、これについて報告を受けております。
——きょうの何時ですか?
放射線の量も含めて内容につきまして報告を受けましたのはきょうの午後になります。
——陣頭指揮をとっている立場の方が24時間たって知るというのはどういうことなんでしょうか?
事実関係については確認をしたいと思いますが、内容につきまして線量率を含めて報告を受けたのはきょうの午後です。
——感想は?
内容については、きちんとプレスするように社内で指導したということです。
——担当者にはどういう指導を?
事実関係をしっかり確認する必要があると思いますし、水をどういうふうに処理するのか、速やかに対策を講じるようにと指示をしております。
——報告が来るのが遅いと思いませんでしたか?
できるだけ迅速にいろいろな情報を共有するというのは、こうした事態をスピーディーに対処していくのに重要なことだと思いますので、ご指摘のような点を踏まえて、さらに社内でしっかりをやっていきたい。
——世間から「隠した」と思われるような恐れはないか?
まったくそういう意図はないと思っておりますが、ご指摘のようなことのないように社内でしっかり確認したいと思います。
——世間から見ると「隠蔽」と言われて仕方ないんじゃないですか?
そういう誤解を招くことがないように、情報の流れについて再度確認して徹底したいと思います。我々としては、日々、できるだけ透明性高くしたいと思っています。ただ、さまざまなことが起きますので、重要度の高いものについては、できるだけ速やかにご報告できるようにしたいと思います。
□トレンチの水をどうするか?
——これが海に流れ出てしまうとすると、たいへん心配なんですが、ここはどういう構造になっているのか、海に流れた形跡はあるのかないのか?
トレンチというのは、タービン建屋からさらに地下をずうっと通った通路になっているわけで、その通路が立ち上がって立坑になっているわけで、その立坑の中に水があると確認されたということであります。その水の深さの立坑の深さを比較しますと、水の高さのほうが低いということが確認をされております。
——今回、見つかった水なんですけど、放射線管理区域外でこれだけ高いのが観測されたのはどうでしょうか?
通常はそういうことのないところでありますので、通常の事象ではないと思っております。
——事故が起きているので、「通常の事象ではない」のは当たり前で、その程度のご認識ということなんでしょうか?
特に2号機につきましては、線量がたいへん高いので、外に出ることのないような方策を考える必要があると思っておりまして、その点について現在、検討しているところです。
——きのうの午後3時に分かったことがきょうの午後にならないと私どものところに届かない。しかも、特段の対応策が現時点でとられていない、と。情報収集が遅いと。改善の必要性はお感じになっているのでしょうか? 対応について、迅速性について、改善されていないようにお見受けするんですが、その…はどう思われているんでしょうか?
ご指摘のような点につきましては、これに限らず、さまざまなことが起きていますので、特に重要度の高いものについては、迅速に情報を共有して対処策をスピーディーに考えられるようにしたいと思います。
——遅いと思っておられるのかどうか?
経緯も含めて再度よく確認をして、しっかりと対策をとりたいと思います。
——この水に関して措置は?
できるだけ早く対処を考えたいと思います。
——きのうまでの段階ではタービン建屋の地下の高濃度の水の排水をしましょうということでした。きょうになると、外にも見つかった、と状況が変わったわけです。今後、排水作業はどういうふうに行われるんでしょうか?
きょうのトレンチの水につきましては、屋外だということもありますので、まず、これ以上、状態を悪化させないようにするということが大事だと思います。その処置につきましては、できるだけ早く考える必要があると思います。屋内につきましては、1号機はホットウェル(復水器)の中に戻すことを考えたわけです。ほかの号機につきましては、ホットウェル(復水器)の中に水がありますので、これを他のタンクに移すということで準備を進めてきておりまして、これが空けば、タービン建屋地下の水を移せるということで、今、準備を進めています。
——地下の排水作業をストップして屋外の対策をしなければならないのか?
屋外の水について処理する方策が決まれば、それについて当然、全力を挙げて対策をとっていくことになる。外の環境に対する影響を最小化するということで優先度を決めていくことになると思います。
□現場作業員の置かれた環境
——現場作業員に支給されている食事が過酷という話が出ていんですが。
現場の状況は、現場の環境から厳しい状況にあるとよく認識しているつもりです。非常にスペース的にも限られている中で、どうやって工夫をするかということについては、きょうも社内で議論したことですが、できるだけ現場で作業をしてもらう方々が困ることのないように、生活支援をしっかりサポートして、現場で少しでも働きやすい環境を作っていくことは大事だと思います。どうしても生ものは持ち込めないので、制約がありますが、できるだけ充実していきたいと思っています。
—— 交代要員を送ることはできないのか?
たいへんに多くの方が被災をされる中で、発電所で仕事をされている方も、厳しい環境の中で発電所で使命感をもって仕事をしていただいている。そういう中で仕事をしていただける方々には本当に深く感謝しなければならないと思っています。そういった厳しい環境の中で仕事をしていただているので、我々としても、できるだけの支援をして、環境を少しでも良くすることが重要だと思っております。新しい人を東京あるいは柏崎(新潟県にある東京電力の柏崎刈羽原子力発電所)を含めて投入をしまして、現場でもローテーションを回して、休みが取れるような、そういう作業環境、勤務環境を作っていくということで、すでに実施することといたしております。
午後7時32分、武藤副社長の会見が終わる。
■微量のプルトニウムを検出
午後11時39分、記者たちへの資料の配布が始まる。
「福島第一原子力発電所の敷地内(5地点)において、3月21日および22日に採取した土壌中に含まれるプルトニウムの分析を行った結果、この度、プルトニウム238、239、240が検出されましたので、お知らせいたします」
そう書かれている。
予測はしていたが、ついに来たか、と記者たちは感じる。
午後11時44分、武藤副社長が現れて、記者会見を始める。前日夕方からの30時間に武藤副社長は実に5回の記者会見を開いたことになる。
まず資料の1ページ目を読み上げ、そのあと、記者との質疑に移る。
人体に問題となるようなレベルではございません。
検出された濃度につきましては、別紙の通りでございますけども、同位体比で考えますと、過去の核実験で観測されたものと少し異なる。プルトニウムを使いました核実験で観測されるものと比較いたしまして、今回、5地点のうち2地点(グラウンド付近、固体廃棄物貯蔵庫前)でプルトニウム238が観測されています。原子炉の中でウランが長い時間照射されることで出てくる核種でして、核実験のように瞬時に核反応が進んだ場合に比べて、多いということで、今回の事故に由来するものと考えられます。今回の事故に由来するというのは、今回の事故で損傷を受けた燃料から出てきた可能性があるということだと思います。
——全体として人体に影響のないレベルということですが、239、240に比べて238の毒性は?
これは同じようにアルファ核種で、プルトニウムであることに変わりありません。
——今回の検査はどこに調べてもらい、結果報告はいつか? 今後は?
今回の試料を取りましたのは3月21、22日です。それを測定して分析が始まりましたのは23日でございます。報告を頂いたのはきょうでございまして、きようお知らせしました。お願いしましたのは日本原子力研究開発機構でございます。今回の結果が出ましたので、引き続き、発電所内の3カ所について、毎週2回、測定していきたいと思います。
——238なんですが、いつごろ、この土壌に到達したかは分かるんでしょうか?
それはこれだけのデータでは分からないです。
——今後の定点は3カ所ということなんですが、敷地外はやらないんでしょうか?
まず、3地点でやりたいと思いますが、それ以外の地点につきましても、この結果を見ながら検討していきたいと思います。
——グラウンド付近で238、239、240の比率がかなり違うんでしょうが、グラウンド付近は何か理由があるんでしょうか?
プルトニウムの同位体の比率というのは原子炉の中でどの程度照射されたかという時間によって変わると思います。したがって、そうしたものが少し違うものが観測されたのだと思います。
——238が出た2地点は今回の事故に由来する可能性があるということですが、239、240が出た地点については、過去の核実験の影響だと考えられるのでしょうか?
一般的には原子炉の中で長い間照射された燃料ならば、238が高い比率で出てくると思います。239、240についてはもともと存在していた可能性があると思いますし、ただ、あまり照射されていない原子炉の中から出てきた可能性を否定することはできないと思います。このデータだけから言うことは難しいと思います。
——今までのデータはあるんですか?
過去のデータにつきましては、一般環境で国内いろいろなところで測定されております。発電所が立地されているところで測定されたデータもございます。今年度、たとえば、福島県で、0.21ベクレル/キログラムといったような数値が観測されております。そうした数値と比べて今回の測定結果はそれほど大きな差はないと観測されています。国内のたいへん広域にわたって環境サンプリングされておりまして、検出限界から4.5までの間に入っているということです。
——これまで原子力の事故でプルトニウムが放出された例がチェルノブイリのほかにあるか?
少し確認したい。他にどういった例があるかも含めて確認したい。
——国内ではどうですか?
確認する必要があると思います。ほかの事例も含めて確認する必要があります。
——東電では初めて?
過去、発電所の周辺のサンプリングがどうだったか確認したい。
——今後のサンプリングする3カ所なんですが、なぜその3カ所にしたんですか?
ちょうど発電所の中央にあります1、2号機から500メートルくらい。開けた場所で土壌のサンプリングができるということからこの3点を選びました。
——空気のほうの測定のご予定は?
ダストについても結果が出しだいご報告したい。
——今回のプルトニウムはもともと何だったもの?
プルトニウムはウランからできるものです。ウランは燃焼するわけですが、同時にプルトニウムができます。全体として見ますと、燃料集合体の使用済燃料の1%くらいプルトニウムが含まれているということです。
——損傷した燃料というのは原子炉かプールか?
現時点ではどちらとも申し上げられないと思います。
——3号機はMOX燃料(プルトニウムをウランに混ぜ合わせた燃料)を使っている。
MOX燃料は最初新しい状態で4%ほどプルトニウムが入っております。ウラン燃料も原子炉の中で照射されて取り出されるときには1%くらいのプルトニウムが蓄積されます。今回のプルトニウムがどこから来たのかということを特定するのはできないと思っております。
——500メートル地点でサンプリングしたということなんですが、もっと近い場所では?
今回のレベルでは人体に影響があるようなレベルではない、これまで日本国内各地でふつうに土壌の中から検出されたのと変わらないと思っています。今回、原子炉から割合近いところと距離があるところから取っていますけれども、特に500メートルのところと750メートルのところで値に大きな差がないと思っております。もともと大気圏内核実験で存在していた量なので。
——プルトニウムというのはどのくらい飛散する?
今回観測されたレベルでどこまでいったかを見るのはそれほど簡単ではない。
——今回の土壌で野菜とか栽培しても大丈夫?
日本国内各地でもともと観測されたレベルですので、問題はない。
——国への報告は? 国からの指示は?
報告はしてあります。まだコメント等は頂いていません。
——いままで原子炉からプルトニウムが出たことは聞いたことがないが、発生源の会社としてどうなのか?
今回のものは原子炉由来の可能性が考えられるわけで、今回の事故の中で出てきた可能性があるということで、たいへん申し訳なく思っております。
——どのくらいになると人体に影響があるんでしょうか?
プルトニウムというものはアルファ線を出す核種でありまして、紙1枚ありますと遮られてしまうということで、外部被曝の影響はたいへん小さいと思っています。今回の前提として、皮膚を透過しない程度のものでありますので、外部被曝の程度はたいへん小さいと思います。
——出てきた原因として、燃料損傷の可能性が考えられる、ということですが、原子力安全委員会の会見で、ペレットが溶けた可能性があると言っているんですが、どう考えますか?
燃料が損傷した可能性があるということでありますけど、私どもは燃料が溶けたかどうかということにつきましてはまだ判断することはまだできないと申しますか、炉心溶融したのかどうかというのは現時点では分からないと思っています。そういう可能性もあるというご指摘を頂いたということだと思います。
——これ以上増えるのかという質問に「引き続きモニタリング」というお答えでしたが、海洋汚染もあって、こうやって出続けるものを止める手立てはない、というお答えでしたが、
「止める手立てはない」と申し上げたつもりはなくて、できるだけ放出量を減らすよう努力をしているということ。これまで様々な努力をしてきているわけです。
——今回のサンプリングの仕方ですが、どういう土を取って?
表土であります。一般的にとられているサンプリングの手法であります。
——どれくらいの土を?
数百グラムのオーダーの土を取って分析しております。
——プルトニウム検出は想定の範囲内?
通常とは少し違う状況の中で、燃料棒から出てきた可能性を否定できないというふうに思っております。心配をおかけいたしていることにおわび申し上げたいと思っています。
——想定外?
通常の運転中には検出されることのない核種でございます。ただ、レベルそのものにつきましては、通常、測定されるレベルの範囲だと思います。
——具体的にはどういうレベルになったら危険だと?
引き続きモニタリングをしてまいりたいと思います。
——238が今回出たことで原子炉の状況が新たに分かるものではない?
もう少し総合的にどういう核種がどこで検出されたかを含めて将来検証されるものと思います。燃料の損傷がどういう状況であったかは将来検証されると思います。
——閉じ込めるというのは破綻しているということなんですか?
プルトニウムだけではなくて、放射能が何らかの経路で出てきているということはあるわけですが、全体として見れば、原子炉の中に放射性物質はとどまっているわけで、そこから出てくる量をできるだけ少なくする、ということです。
——トレンチにもそうとうある。
全体の中でそういうものが何らかの経路で出てきているということなので、その量を最小化するよう努力しているということです。
——プルトニウムが体内に入った場合にたいへん高い毒性があるということは副社長も認識していらっしゃいますか?
身体への入り方にもよると思いますけど、入り方によっては、いろんな取り込み方があるわけですが、口から取った場合は非常に吸収されにくい、一般的には、影響が小さいと言われております。
——肺から吸い込むと高い?
経口摂取に比べると、呼吸で吸い込んだ場合には体内に長くとどまると言われています。
——たまり水からも出てきますよね?
水をサンプリングして測定するかどうかについても考えたいと思います。
——燃料棒に由来するものだと伺いましたが、ならば水からも出てくると思いますが
現時点では分かりません。出方がいろいろあると思いますので、水に溶けるもの、粒子状で出てくるもの、それぞれ特徴があると思いますので。
昔、ソ連や米国は地下ではなく大気圏内で水爆や原爆の実験を行っていた。その際にプルトニウムが飛散し、世界に広がった。それが落ちてきて、今も、各地に残っている。プルトニウムは半減期が長く、なかなか減らないからだ。そうした、もともとあったプルトニウムの量とさして変わりはないというのが副社長がもっとも強調したいことのようだ。
- 2011/04/06更新
- 2011/03/25登録
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