カガクトオカルト
科学とオカルト
池田清彦/PHP新書
構造主義生物学者の科学、オカルト、社会の三題噺。
筆者は、科学を自然の中から何らかの同一性を引き出す術とする。同一性は、引き出す方(人間)と引き出される方(自然)の「関係」の中にある。引き出された同一性(たとえばクオーク)は、自然の中に自存する「普遍で不変の実体」であることを証明しているわけではなく、そう考えるとこの世界の現象をうまく説明できるということを示しているにすぎない。
また、オカルトの発生源は「かけがえのない私」探しにあるとする。しかし、社会や制度というものは、常に「かけがえのある個人」(交換可能な個人)を前提としているため、「かけがえのない私」探しが終了することはない(著書の最後で「かけがえのない私」探しは、「純粋な趣味の追求」によって救い上げられているが)。
科学観については、今をときめく(?)養老孟司と大きな差異はないようだ(ちなみに、生物における物理化学層の上のレイヤーを、池田は「構造」、養老は「機能」と呼ぶ)。しかし、養老孟司が科学の外部として重要視するものが「常識(コモンセンス)、共同体、人間性」であるのに対して、こっちは「無常(万物流転)」であることが、売り上げの大きな差異となっているようだ(苦笑)。
- 2003/12/19更新
- 2003/12/01登録
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コメント (9)
最新コメント5件
2003/12/03
NYANKO あれはオカルトだと思います(わはは)
2026 「科学教」ですね(笑)。
2003/12/12
半無人 この著者は、ちょうど「科学教の迷信」という本も書いてます。従来の科学観の毒の部分を抜くためにがんばってると思います。
2026 ああ、すでに「科学教」っていう言葉あったんですね(笑)。
2004/04/01
2026 いいのがありました。内田樹先生のHP→
http://www.geocities.co.jp/Berkeley/...
で「インターネット持仏堂」という連載対談をやっているのですが、それの「その13」からが半無人さんんの関心領域とピッタリな気がします。よかったら読んでみて下さい。
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