ガウディ建築と幾何学の魅力
それを知ったのは、先日観に行った東京現代美術館の「ガウディ かたちの探求展」からなのですが、正直、今までは彼のあの独創的な、曲線を多用したゴシック調のデザインは芸術性という観点からのみ生まれたものだと思っていました。建築について多少造詣のある人なら、とっくに知り得てることなのでしょうが、無知な私には、目からウロコみたいなものでした。
デザイン性だけでも十分有り余る魅力を感じてはいましたが、”幾何学的な造形”が生む効果を知り、今までとは違った視点で彼の建築を見つめることが出来ました。展示されていたいくつかの幾何学形状について簡単に書き出します。
「カテナリー・アーチ」
最高傑作と名高いグエル教会や、テレサ学院、誰もが知っているサグラダファミリア、グエル邸、グエル公園等ガウディ建築全体に多用されている美しくシャープな形状は、デザイン性だけでなく構造の安全性を考え用いられたもの。
「錐状面」
幻想的且つ荘厳なカサ・ミラや、サグラダファミリア聖堂仮設学校等に見られる波打つ壁や屋根。コストと耐久性を考慮した上の形状。
「双曲線面ヴォールト」「凸面ヴォールト」
ゴシック様式(リヴ・ヴォールト)やロマネスク様式(交差ヴォールト)等で多用されるヴォールト(=かまぼこ型)もガウディは独自に「双曲線面ヴォールト」「凸面ヴォールト」として多く用いていますが、これもコストや耐久性のみならず、光の取り入れや音の反響や残響に対しても、より効果的であるそう。
その他、「二重回転の円柱」や「幾何学形の双晶」他、独自の幾何学的造形の効果が、模型やCGで展開されていました。
中でも印象的だったのが、今回の展示用に再現された、有名な逆吊り実験模型でした。
銀色に輝く華奢な鎖で構成された圧力線のアーチの集合体が、その真下の床に敷かれた大きな鏡によって逆さに反転し、理想的な建築構造として映し出されていました。
美、性能‥そこに、ガウディが研究のすえ獲得した独自の幾何学的構造の魅力が集約されていました。
あまりの美しさに我を忘れてしばし見入ってしまう程でした。
館内にこういうガウディの言葉がありました。
「
建築作品が美しいためには、
すべての構成要素が、配置、大きさ、形態、色彩の点で
完全でなければならない
私はすべてを計算する。
こうして必然性から導かれた論理的な形態が生まれる。
私は総合者を意味する幾何学者である。
」
ガウディ建築が何故、世紀を超えて今も尚、人々を魅了し続けるのか。
この言葉にその答えがあるような気がします。
今回、ガウディ建築の新たな魅力を発見し、ますますfavorite度が上がりましたが、それでもやっぱり、自分の中でいちばん好きなガウディ作品は変わりませんでした。
他建築物同様の幾何学的構造。
自然環境との融合というエコロジカルな視点を組み込んだ点。
色鮮やかな破砕タイルや幻想的なオブジェら。
「グエル公園」のエコ・フレンドリーな佇まいと愛らしさが、やっぱり大好きなのです。
ガウディHP
http://www.gaudi2002.bcn.es/japones/
http://www.shibata.nu/gaudi/
ガウディ・ファンクラブ
http://www.guell.co.jp/gaudi/
ガウディ かたちの探求展(12/14まで)
http://www.mot-art-museum.jp/ex/...
- 2003/12/12登録
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