ナルタル
なるたる ― 骸なる星 珠たる子
「アブガン零年」のところでも書いたけど、「暗いところからじゃないと語れないもの」ってのは確かにあって・・・
そういうのには、作品の作り手の心象が反映されていくわけなんだけど・・。
「なるたる」のラストは賛否両論・・っていうか、
「バッドエンドだったね・・。」
って思っている人はけっこういるのかもしれないけど、
ぼくはそうは思わない
確かに、
地球全体が核戦争で荒廃し、主人公の大切なひとや友人たちは次々と死んだり、殺されていったり・・
生き残った人々も「地球」という「竜」によって殺されていってしまう・・。
でも、
最後に微かな希望が描かれていて・・・
「陰」と「陽」の子供・・
涅(槃)とシイナの子供たちが仲良く砂浜を駆けているところで、物語は幕を閉じる
それは、
この作者なりの精一杯の希望の表現だったんだけど・・・。
鬼頭は巻末で、たたみかけるようにこんなことを言っている
「かけがえのない命」。
そんなモノに救いを求めていても先には進みません。
あなたがいなくても、たいして困りません
自分がいなくても
まったく困らないでしょう
だからこそ、
無くてもよい存在だからこそ、
がんばるのだと思うのです
・・・・これでまた、誤解を招く・・のだろうな・・。
(・・返歌しとこう↓)
なくてもいい存在だからこそ・・
そんな弱くて、儚いものたちだからこそ・・
繋がりあって存在を確かめていく必要がある
・・・そういうことが言いたかった・・のではないだろうか
(以下は物語箇条です m(_ _)m)
-------------------------------------
■「竜骸」・「夢」・「魂の座」―「星の記憶」
選ばれた子どもたちは「竜骸」(あるいは「竜の子」)という奇妙な生物を駆る
「竜骸」は星(地球)から生まれたもの
地球の意志を代表するものの分節
「竜骸」は「夢」を見ることができない
「夢」とは・・(たぶん)多様性や複雑性の代謝過程
「魂」はそのための受け皿(ろ過装置)
「竜骸」(地球の分節)は「魂」(ろ過装置)を取り込み、複雑性を代謝することによって地球というシステム全体にそれを還元するための装置(末端機構)
「魂」を完全に取り込み、「竜」となることによって、「夢」を見ることができる(複雑性を代謝できる)ようになり、星の記憶・・地球全体の「夢」となる
(cf.C.G.ユング、「集合的無意識」、「魂」は西田的な「純粋経験」と言ってもいい・・んじゃないだろうか・・)
■「乙姫」
「竜骸」が「竜」にまで発展したときにできるモノ
っていうか
「魂」が「竜骸」と完全に融和した際に生じるアンテナ・・のようなもの(?)
人の姿をある程度保つことによって、多様性に対する感度を上げる
■「2匹の竜」
地球(シェオル)という2匹の竜
涅(クリ)とシイナという2つの魂・・
陰と陽という2つの魂が入ることによって、2匹の竜骸は竜となり、地球という機構が完全に機能するようになる
(cf.ガイア理論)
■「虚無」と「混沌」
須藤が「虚無」、鶴丸が「混沌」
暴力という混沌の象徴としての鶴丸
理性―合理性の象徴としての須藤
虚無へ収斂する破壊と
混沌へ拡散する創造
合理性は地球の危機に応えて、破壊を志向する
混沌は、暴力という方法をとりながらも、創造性と結ぶ・・・(?)
いや、
創造性が混沌の元へ集まっていくのか・・
このときの混沌とはなにも暴力のことだけではなくて・・
情報の圧倒的爆発なども含めて考えている・・ってことか
cf.
ウィトゲンシュタイン的プラスの方法:
戦地という圧倒的な混沌(情報量の洪水)の中で境地にたどり着いた
「禅」的なマイナスの方法:
自らを極限まで追い込むこと(情報を遮断すること)によって、内なる認識の深奥にまで降りていく(それによってあらかじめあったレセプター(「純粋経験」)を再認識する)
■シイナと鶴丸
地球の光の部分としてのシイナ
混沌にして創造との結節点の象徴としての鶴丸
光は創造性を愛する
創造性によって光が生まれる
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こんな感じ・・・かな
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追記:
鬼頭莫宏の絵柄は・・明らかにアレです
ちょっと・・キケンなかほりがします
それは士郎正宗にも通じることなんだけど・・
本人達の趣味ってことで、しょうがない・・・のかな・・。
※画像はウチの竜骸、「ヒッタちゃん」です m(_ _)m
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関連:
なるたるアニメ化・・かぁ
http://www.kids-station.com/minisite/...
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コメント (15)
最新コメント5件
2004/01/12
m_um_u. あ・・いま見たら、「クリ」と「シイナ」で「クリシュナ」だ・・。・・なるほど
2004/02/03
SSMG 「父親が誰でもいい」のはたしかエマノンもそうだった筈...関係ないかな
m_um_u. エマノンって・・?これですか?(http://www.sf-fantasy.com/magazine/...) (これだったら見てないです)
SSMG さいで、ソレです。たしかそのシリーズの「かりそめ─」でそんな述懐があった筈。それをふと、思い出したり
m_um_u. 推測ですけど、やっぱ「星の子」だからかなぁ・・。あと、「父親が誰でもいい」ってことの現実的なつながりだと「代理母」とかにつながっていくのでしょうが・・それは関係ないしなぁ・・。 むしろ神話関係でしょうね
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