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あきひこかくかたりき

「秋日子かく語りき」(大島弓子)

  • 「秋日子かく語りき」(大島弓子)の画像

ある人に薦められて読んでみようと思ったマンガです
そして、
「お薦め」といわれるだけあって・・・すごい内容でした・・


ちょっと・・・いまごろ気づいてびっくりしているのですが・・


とりあえず、お話してみようと思います m(_ _)m

(以下、内容です)
---------------------------------------------------

主人公、秋日子はふつうの女子高生。
でも、
ある日、突然ぽっくりいってしまう
(気づいたら天国(?)へ)

それは寿命かといえばそういうわけではなくて、ちょっとした間違いだった

2人は並んで神様の使いの下へ行く
そこで、間違いが発覚して、秋日子は人間界へ帰って一件落着、となるはずだったが・・


「!?・・ちょっと待ってよ神様!」


竜子さん、突然の待ったコール
「あんな人生納得してない」「いやです~っ・・死にたくないっ!」「生き返らせてください」

それを見かねた秋日子さん
「しばらくの間、この人に私の帰り道を貸してさし上げるわけには・・?」


そんなこんなで二人は入れ替わって、竜子さんは秋日子さんの体を借りて、現世へ戻ります
「期限は7日間」という限定で


で、

いろいろな遣り残したことを(秋日子さんの身体を借りた)竜子さんが片付けていくわけですが・・


その中でも注目は物語の終盤です

まず、秋日子のセリフで、この物語全体が輪廻転生に関わるものだったのだということが分かるのですが・・

「そいであの人は死んでどうなったの?」
「神様といったわ あの人 ある国の美しい次期王女様に生まれるんですって」

(・・これ、たぶん「集合的無意識」も絡んでる)
「じゃあさひとつのものに大勢の希望が集中したらどうなるのさ」
「そしたらみんなで一人の人になるのよ すてきでしょ」


問題は次の箇所です・・


 しかしわたしは
 花や蝶になりたいというのでなければ
 我々はとってもちかい今生(みらい)のうちに
 それぞれの夢をかなえることが
 できるのだと
 固くそう思っていた


これは・・・「永劫回帰」の思想じゃないか・・

「永劫回帰」とはF.ニーチェが人間の苦悩を超えるために作り上げた概念です。

「死んでも来世がある」と思い込むことよって、現世の幸福や、それにつなげるための努力を放棄してしまうような姿勢に対して・・
(あるいはいまの生きている人生で功徳を積めば、天国へいけると信じ込むような姿勢に対して)

「死んでも来世なんかない!いまある苦悩は、いま解決しないとずっと続いていくんだ(未来永劫に回帰する)!!」、
ということを伝えるために作り上げたもの・・

つまり、「明日できるからいいや♪」的安易な先延ばしや「明日のために今日は犠牲にする」的な・・
厳しい現実から目をそらすために作り上げる嘘偽りを否定するための論理です

(まぁ、端的にいうと「いまやれ!すぐやれ!」ってことなんですが・・)

そうはいっても注意すべきなのは、「簡易な快楽を優先しろ!」的な論理ではないということです

永劫に回帰する生という運命を聞かされたときにも、「もう一度この人生を生きたい!」と胸を張って言えるだけの、充実した人生を送るために努力を惜しむな、ということが言いたかったのだと思います


※ちなみにニーチェの書で「ツァラトゥストラかく語りき」というものがあるので、ニーチェ繋がりはほぼ確定です♪
(山から降りてきたゾロアスターくんの話です)


そんなこんなの秋日子話
一度ご覧になってみるのもよろしいかと・・m(_ _)m


--
関連:
フリードリヒ・ニーチェ(@wiki)
http://ja.wikipedia.org/wiki/...

ニーチェ関連のことば
http://www.ne.jp/asahi/village/good/...

「永劫回帰」関連
http://nyanko800.zdap.jp/P09.htm

---------------------------------------------------
付記:
最近TV版のラストを見ました。
原作とは大分違いましたが・・

「ありがたき日常の幸福の見つめなおし(⇒そのためにそのときにできる努力は惜しまないこと)」
というメッセージ性は繋がっていたと思います

あと、
やっぱ宮崎あおいちゃんはかわいかったです (^-^)

「秋日子かく語りき」(大島弓子)

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m_um_u.画像 投稿者:
m_um_u.
  • 2004/02/23更新
  • 2004/02/22登録
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コメント (5)

2004/02/23

梅子 大島弓子とニーチェがつながるとは考えたこともなかったです。でも、そう言えば、狂人ぷりが似てるかも。←大島弓子さん本人ではなく漫画の登場人物が

m_um_u. ああ・・大島さんの人となりって全然知らないのです。でも、作品を見ていると「・・半端じゃないかも」って感じが伝わってきます。たとえば、「秋日子~」の中には既視感の話が出てきますが(「水の中のティッシュペーパー」)、これなんかもその辺の作家とは全然違う感じです。このギミックを神秘的に使ってるとかじゃなくて、ほんとに体験してたから使ってた感じがします(ぼくもけっこうあるので・・)。んで、そのあとの語りもムリがない感じ。あと、仏教関連の名前っぽいのもけっこう出てきて(「えんじゅ」とか「ずしおう」)、「これもけっこう半端じゃなかったのでは・・?」と期待しているところです (これからほかの単行本読んでく予定です♪)

m_um_u. そういういろんなメッセージが込められているかも知れないけど、これだけ多様な解釈を許す形で作品を提出しているというのは・・ほんとにすごい力だと思います(っていいつつ、ぼくの解釈も一面に過ぎないのですが・・(^^;))

m_um_u. あと、この作品で最後の疑問は、作品の最後でフォークダンスのときに流れる音楽・・「美しき青きドナウ」です。ここでシュトラウスを用いているのですが・・同じシュトラウスでもJohanのほうなんですね・・。んで、「~ドナウ」と・・。ほんらいならR.シュトラウスの「ツァラトゥストラかく語りき」が関連してくるはずなんだけど・・・・たぶん、あまりにもいかめしくなるからちょっと変えたんだと思います。( でも、「ドナウ」の主題が分からない・・・(^^;))

m_um_u. あと、ニーチェくんは狂人ってほどでもないです。まぁ、結果的にそうなった面はあるんですが・・アレは・・なんつーか・・・恐がり屋さんなんですね(笑)(そのくせプライドが高い、と) だから、そのバランスが崩れて精神的に突っ込んでいってしまうところがあったんだと思います。 (恋とかでも素直にしとけばよかったのにね 笑)

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大島弓子の作品の中で一番好きです。

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