superchunk / here's to shutting up
僕はまったく成長していなかった
僕はただ登場しただけ
どうすればいいかまったく知らずに
そして今は出ていきたいんだ
あの翼に乗って
きみが僕をみつけてくれる場所へ
きみはどう思う
(OUT ON THE WING#05)
スーパーチャンクの8作目『ヒアズ・トゥ・シャッティング・アップ』は01年にリリースされた。前作から2年のインターヴァルで、益々音に深みを増した彼らの姿には、何の心配もなく胸を張って素晴らしいと声をあげることができる。もし、このアルバムをレコードで持っていたら、僕はもったいなくって、メタルテープに落として何回も聞いてぼろぼろにしちゃってただろう。
マック・マッコーハン(Vo&g)、ローラ・バランス(b)、ジャック・マクック(g)、ジョン・ワースター(ds)の93年から変わらないメンバーは、一時の斬新さよりもゆたっりとわが道を進みゆく探求者に感じることが僕は多い。『フーリッシュ』で人生観の変わった僕(過去のレヴュー参照)は彼らの音だけでなく、姿勢にも多大な影響を受けた。『カム・ピック・ミー・アップ』(99)はジム・オルークのオーヴァープロデュースか?なんてことも書いたけど、彼らの基本的な安心感を与えるサウンドはその根底にきちんとあった。繊細でありながら大胆に、そして等身大の自分を反映することのできるバンド、だからこそ人が加われば新たなパワーをも生み出すことができるのだ。
この作品のギターの重なり合いは、きわめてベーシックだ。シンセサイザーの混在が生んだ音の広がりを崩さないように、大切に封じ込めるように、3コードを中心に動く。劈くようなギターフューチャーの場面でも、Animal Has Left its Shell(#06)のようにストリングスを重きに置いたとしても。
このアルバムで僕が最も好きなナンバーはACT SUPRRISED(#07)だ。実際は結構凝ったジャムを行っているのだが、まるで点が繋がった線のようにすっきりと一本、宙を結んでいる。ギターソロの後、マックが何度もサビを歌い続け最後までその結晶が変化し続ける。
きみの口調で話して たちつくして 見つめて
僕の目を
(ACT SURPRISED#07)
音楽と出会えてよかったと思うのは、自分がどうしようもないときに何かのヒントを与えてくれるということ。そして、何よりもいいことは大好きな人と自分の好きな音楽について話ができるということだ。
このアルバムの話を一生懸命していたヤマギワは燃えてしまったけど、演奏される音楽は僕の気持ちをそのまま封じ込めてくれている。今もなお、ゆったりと進むように。
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