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Andre Mehmari "LACHRIMAE"

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インディゴブルーの波紋は光を従え再び舞い降りる。
Andre Mehmariの2nd「LACHRIMAE」。「涙」。本当に涙が零れ落ちる、いつの間にか。前作「CANTO」もそれは美しい神品と感ずるアルバムだったが、この「LACHRIMAE」を聴くと単なる序章にすぎなかったことに、Andreという超才に恐れさえいだく。聴き比べると、「CANTO」がGismontiやJobimなどと語られるものであるのに対し、この「LACHRIMAE」の前にはストラビンスキーやバッハと並ぶAndre自身しかいない。Andre自身がうけてきた影響の数々、今までのディスコグラフィーから得てきたもの、それらすべてが今ここに、この音楽しかないという形で現れた。参加するCelio Barros, Sergio Razeはすでに2枚のアルバムで共演する不動のリズム。そして本作では新たにRogerio Boccato, Ze Alexandre Calvalhoのリズム隊も。Orquestra Popular de CamaraのチェリストDimos Goudaroulis、Nouvelleのクラリネット奏者Luca Raele、そしてMonica Salmaso。これだけの音の美神に選ばれしミュージシャン達に囲まれながらも、Andreは一際高く眩しく輝く。鍵盤を指先がそっと離れていく音、シンバルの揺れやブラシの囁きあう音、弦の小さく震える音までも再現する録音も素晴らしいが、なによりその音のすべてが体の隅々まで響き渡るのを感じる高揚感。それは女神とのセックスといえばいいのか。世界に轟き渡るぼんやりと白い轟音の中で、一筋の涙が光を照らすとするならそれはAndreがくれたものだ。心の深い洞窟で長い年月の果てにできた鍾乳石が垂らす最初の一滴。落ちて広がる先は無限の透明な青。広がる波紋の行く先は静寂の旅路。いつしか風をまとい、木々の間を通り抜け、光に染まる波紋は私の洞窟にも届く。Andre Mehmariとして。私から零れ落ちる涙も世界の最初の一滴に似ているだろうか。せめてどこかに届いて欲しい。「LACHRIMAE」を聴く誰かのもとへと。(sh2o)

Andre Mehmari  "LACHRIMAE"

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投稿者:
sh2o
  • 2004/03/14更新
  • 2004/03/14登録
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