よしながふみ
よしながふみさんの「愛すべき娘たち」を読んだ。
大人の女の人向けのマンガというと、
セックスの話か、育児や嫁姑の話が多くて、
要するに女性週刊誌をマンガという技法で書いたんだなっていうのが多い。
「愛すべき娘たち」は、本当の意味での、大人女性向けの作品である。
作品中に性描写はない。
でも少女マンガでは決してない。
なぜなら、”少女”には登場人物たちの心の動きを理解することができないからだ。
どこかにいそうなある家庭とその友人たちの話がオムニバス形式で綴られている。静かに語られる不思議な話の中には、不思議な人物はいない。少々変わってはいても、みんな、自分(読み手)と同じ人間なのだ。
そんな物語を読むうち、読み手は自分の中にある忘れていた気持ちを思い出すだろう。思春期と呼ばれる時期に自分を強く支配していた思いーー大人になって日常の中で忘れられてた思いーー物語を自分に照らし合わせてみたとき、胸の中でかすかにうごめくそれらの思いを感じる。
大人になって、複雑な思考にも耐えうるようになって、思考の複雑化で複雑になった心を理性の層で覆って、そうして日々を過ごす。
そんな大人に贈る物語。
ちなみに、よしながふみさんの作品では、ドラマにもなった「西洋骨董洋菓子店」も面白いです。やっぱり大人向けですが、こちらは色気(?)も多め。新書館より全4巻。
- 2004/03/22更新
- 2004/03/22登録
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