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ニコラ・フィリベール監督『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(1994)

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ルーブル美術館で働く人にスポットを当てた静かなドキュメンタリー映画だ。

まず、驚かされるのは、そこで働く職員の美術品に対する気軽さと、扱いの手荒さだろう。しかし、その手荒さは、日々の生活と歴史的なものとの近しさの結果である。パリの街はすべてが歴史的な美術品で覆われた博物館のような場所だ。我々は歴史的なものが生活から離れてしまっており、それらを恐るおそる囲うことで観光的に展示をするだけだ。それを生活の感覚を持って利用することができないのは、都市の風景を見ればわかるように仕様がないことだ。

また、歩いて回ると15キロという美術館自体の広大さもさることながら、その地下に広がる迷路のような回廊の存在、そこから繋がる無数の小部屋に驚かされる。まるで巨大なピラミッドのようだ。そこには、学芸員や警備員、搬入や展示の作業員や画家、職人や写真家、歴史家や科学者や音響技士など、様々な職業の人が働いている。その数1200名。

そのなかで一番登場するのは青い服を着た作業員たちだ。たぶん制服だと思うが、それぞれ中に青いティーシャツやネルシャツを着込んでいて、みんな微妙にファッションが異なっている。巨大な絵画の裏から、ぞろぞろと汚れた衣服をまとった作業員が出てくる。その向こうでは、腕を組んだ学芸員たちが「最後の晩餐」を見上げながら、色について議論している。その作業員と学芸員たちの風景からは、言葉の国フランスの表情が垣間見える。

人気(ひとけ)のないルーブルを、ドキュメンタリーでありながら細かいカメラワークで、静かに捉えている。じっくりと丁寧ではなく、人々が働くいくつかの場面を静かに提出する感じ。作品そのものを映し出すこともない。膨大な作品が並ぶだけだ。

「観光客を喜ばすだけなら、ビーナスとモナリザを飾っておけばいい。ルーブルは一冊の本だ」。

ニコラ・フィリベール監督『パリ・ルーヴル美術館の秘密』(1994)

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  • 2004/03/30更新
  • 2004/03/30登録
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コメント (1)

2004/03/31

横浜まで見に行きました。やはりルーブルには行かれましたか?全部、回るなんてできないですよね?

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