生駒宝山寺
聖天(しょうてん・しょうでん)信仰というものがある。
聖天は正式名称を歓喜天とも言う。象頭人身の男女二体の神が抱き合う姿を持ち、インドのガネーシャ神が原型と言われている。
でも、まぁ、ガネーシャがでっぷりふくよかなのに比べて、聖天はえらくスリムな上に、等身も高い。
で、二体の象(身体は人間)が抱き合っているのだけれども、これ、片一方は菩薩。で、もう片方は悪魔。
象頭人型の悪魔が暴れ回って、世の中を混乱に陥れた時、己の身をこの悪魔に与えて悪魔を鎮め、仏に帰依させたのが片方の菩薩(十一面観音)という訳だそうで。
(これを知った時、思わず頭に浮かんだのは『帝都物語』(荒俣宏・著)1部のラスト。自分の身体を与えて、加藤を鎮めた目方恵子ってこんな感じかなと思ったり)
……という訳で、この聖天はひどく気難しい仏さんです。その代わり、利益はとても強大。タタリも非常に強いで有名。
聖天信仰で有名なのが、聖天の大好物「大根」を食べないという断ち物信仰。心願達成率は素晴らしいものだが、もし挫けた時の代償は凄まじい。並大抵の根性で聖天に近付くのは、非常に危険なのだ。
よって、多くの寺は聖天を祀りたがらない。というのも、聖天は他の仏に比べて、供養が非常に困難且つ複雑なんだそうだ。細かく定められた法に則って、清浄を守らなければならない。
ここからが本題。その聖天を祀ってあるのが、つまり、生駒宝山寺(生駒聖天)なのだ。
私は聖天に忌み嫌われていたのか、3度目の挑戦でようやく入山に成功(2度は頭痛と豪雨で断念)。
近鉄奈良線「生駒駅」で下車後、徒歩で生駒ケーブルに乗り継ぐ。このケーブルカーが、また何とも狂った形をしているのだ。昇りが巨大なイヌ型をしており、下りがネコ型をしている。……そぐわなすぎる。
参道には、途中には気光研究所なんかもある。さすが、「生駒オカルト地帯」の一端を担うに相応しい。
そんな参道の階段を登ると、宝山寺の鳥居が見えてくる。……て、何で寺に鳥居があるねん? という疑問はさておき。
宝山寺の主仏は意外にも不動明王である。しかし確実に、隣に鎮座する聖天堂の方が有名だ。
聖天堂の前には、聖天のシンボル『歓喜団』型の賽銭箱や『大根』印の入った手すりが連なる。
堂内と言っても拝礼所。お爺さんが独り、必死に祈っている。よく見ると、すかし彫りの奥に、別のお堂が見える。本尊は見えない。
それもその筈。寺の関係者に訊くと、聖天は「秘仏中の秘仏」らしい。清水寺が30数年に一度の開帳とか言って、本尊を見せたりしているが、こっちは本物の秘仏である。話を聞いた関係者ですら、一度も見た事が無いらしい。
一日一度、午前二時に、官長ただ一人が、聖天に香油をかけに行けるとのこと。拝仏できるのは、その時だけらしい。
また、宝山寺本堂は、背後に岸壁を背負って建っているのだが、この岸壁の中腹に、人為的に作られた穴が空いている。
これが、役小角が修行したという伝説の残る「般若窟」だ。
絶壁にぽっかり空いた穴は、古代へのロマン(←死語)を掻き立ててくれちゃったりするのではないでしょうか。
このキーワードはコレクションに選ばれています(2)
- メイン
- コメント(0)
- つながり(3)
- トラックバック(0)
コメント (0)
まだコメントされていません。
つながりキーワード (3)
神社仏閣
- (いにしえ)
観光としていくか、なにかを求めていくか。日本人の心の中の源風景としての存在。 でもなぜかいつまでたっても大半が5時閉門、季節で変えるべし。何のための存在か?8時ー5時...
愛宕念仏寺・花祭り
- (ハイパー田舎人)
京都嵯峨野の有名な化野念仏寺よりもう少し奥にある「愛宕寺」。 本名は「等覚山愛宕念仏寺」といい、天台宗延暦寺派のお寺です。 愛宕念仏寺の建立は奈良時代にさかのぼり、聖徳太...
ガネーシャ
- (りらん)
ガネーシャは商売・知恵などの神とされ、現世利益の神として大変な人気者なのだそうです。 なぜ象頭なのか?には諸説あり。首を切られて最初に見つかった生き物(それが象で)の首と...







比叡山 延暦寺
神社仏閣


