Apollo/Brian Eno
仕事や人間関係などで、ほとほと疲れ果ててしまうときがある。音楽でも聴いて気分転換したいのだが、そういう状態のときは、それも案外難しい。
いつもは自分を楽しませてくれる音楽が、なぜかうるさく感じられる。
数分単位の曲ごとに次々とムードが変わり、演奏される音はこちらの注意を惹こうとし、歌詞や声そのものが、こちらに向かって何かを訴えかけようとする。
何も聴かない方がいいのかもしれないが、そんなときだからこそ、何か聴いていたい気もするのだ。静か過ぎると、余計に落ち着かなくなり、苛々してくるのである。
だから私は、もうそうなってしまったときはBrian Enoの「Apollo」を聴くようにしている。
「Apollo」は、NASAの月面着陸の記録映画用に、Brian Enoが製作したサントラである。atmospheres and soundtracksという副題にあるように、音によって作り出された空気感が、自分が本当に宇宙空間にいるかのような気にさせてくれる。静かな音の連なりが、意識だけを宇宙へと飛ばしてくれるのだ。
心や身体に染み付いたモノが、その宇宙を漂ううちに流れ落ちていくような気に、私はなる。
例えば、好きなゲームや映画の音楽を聴いていると、まさにその世界のただなかにいるような気がして、心安らぐという人はいないだろうか。曲を聴くというよりも、曲の作り出す仮想空間にダイブし、現実から自分を切り離し、それに浸りきったという感覚を味わったことが。
「Apollo」は、まさにそういった方にお薦めなタイプの音楽なのである。
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コメント (7)
最新コメント5件
2008/02/29
おさぼー つながり,ありがとうございました.ここ最近において,カレのアルバムは殆ど輸入盤しかないってことは…日本では評価が低いんですよねー.ちょっと寂しく思います.今の時代に凄くマッチしていると思うんですけど.
薫 いいえこちらこそ、リンクありがとうございました。いまではロックとかポップスみたいな音楽は、それを聴いていた過去の自分を思い出すための記憶再生装置みたいになっていて、あまり音楽それ自体として楽しめていない自分がいます。個人的には、彼のやっているような方向に、音楽全体が向かって行って、音楽とかミュージシャンというものが、芸能の手段であったり、かっこいいものや、時代や新しい世代の象徴になったり、何かのメッセージを伝えたりするような時代はもう終わって、音楽や音楽をすると言う行為から付加価値がとれて、音楽はよりシンプルな方向に向かうような気がしているのですが、まだ日本では評価が低いとしたら、それは残念ですね。それともまだ、楽曲が売れて、儲けになって、世の中でも大きな位置を占めていた時のシステム?やその価値観みたいなものを、売る方ややる方が、まだ未練を残しているのが日本なんですかね。
おさぼー コメ,ありがとうございます.いやはやそんなに深く考えたことはございません…(滝汗)ただ,一つ申し上げさせて頂くならば,音楽自体さほど大きな変化はワタシが生きている間はないだろうと思っております.
2008/03/01
薫 そうですね、長々と言っておきながら、わたしも変化しない方がいいです(笑)もう若くはないんで、何も変化しない方がいいんです実は(笑)
おさぼー ははは.映画がいい例だと思います.新しい技術がたくさん生まれますが,やっぱり人は生々しいものを好む.例は違いますが格闘技なんかそういう意味では面白いと思います.どんなに平和になっても「人」と「人」の肉弾戦はなくならない.なぜなのかなぁなんて思ったりもします.失礼いたしました.
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