緑ワイン「カサールガルシア」
「CASAL GARCIA」通称緑ワインと呼ばれるものの一銘柄。緑ワインはポルトガルで作られているワインで、微発泡の白ワインの事を言う。アルコール度数は少し低めで7%。ほのかに甘い口当たりだけど、きりっと引きしあった白の味わいがある。マカオは以前ポルトガルの租借地だったので、今でもマカオではポルトガルのワインが嗜まれている。
マカオに行くといつも僕はコロネア島に足が向く。小さな島で、静かなところだ。コロネア市のあたりもいい風情を出しているが、僕はそこから歩いて竹湾へ行く。
もともとポルトガルから派遣されている官吏や軍人の別荘地であったこの島は、今もその面影があり、ちょうど竹湾のあたりは、別荘地そのもの。あまり小さすぎて観光にも向かない場所ではあるが、かつての別荘はホテルになっていたりして、静かに遊ぶにはちょうどよい具合だ。
ホテルは坂の斜面にあり、ビーチから山へ登って屋上から下の階に入るような格好になっている。その屋上は広いテラスになっており、そこで海をながめながら、食事が出来るようになっている。
本格的なポルトガル料理-鱈だのオリーブだのポルトガルソーセージ、生ハムメロンなどを注文して、それらをつまみながら飲む緑ワインは、僕の至上の贅沢で、人生につかれると僕はいつもここを訪れる。全部でしめて300パタカくらいですむのも素敵だが、自分の「至上の贅沢」は我ながら安物だと思う。
グラスに注いだ緑ワインごしに海を眺めて、遠くを行く船をグラスに入れる。私は彼らと会う事も無く、話すことも無く、グラス越しにすれ違うだけ。見ぬ人を思いつ、緑の雫を愛惜しむ。今から何百年か前にも、ポルトガルから派遣されたマカオ総督なんかが、この同じ場所で、緑ワインを飲みながら、遠くの故国を思っていたのだろうか、と思いを馳せると、自分の今の人生の瑣末な煩わしさなどは、何百年経とうとも誰に思いだされる事はないほどつまらないことだ、と独り密かに自嘲するのだ。
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