Serge Gainsbourg " La Noyee"
このごろ,突然ぼろぎれのように扱われた人たちのことを考える。
イラクの戦争の映像をテレビでみていたりすると,大切に家族に育てられてきた人たちが人殺しをしたり,殺されたりしている。最近のイラクの人質事件でもそうだが,普通にボランティア活動に励んで暮らしてた人が突然政府の反対勢力のように扱われて,政府が個人をほとんど名指しで批判するようなことを見ると,言論の自由なんてないように感じる。そもそも見るからに素人の三人に政府が本気で警戒していたのも情けない。イラクの犯人たちがお人好しで,人質に何日も食事を与えておいてくれて良かった。日本の政府の非人間的な対応と比べると,ずっと人間的だ。
60年前に突然,番号の付いたボロぎれから人間に戻らされた人たちがいる。ゲンズブールもその一人だ。
「漂流物」というタイトルの曲がカルラブルーニのCDに入ってた。この曲で流されているのは,恋人だ。伸ばした手が届きそうだったり離れたりする。とかいう歌だ。時代の流れに流され,手を伸ばしても手が届かないところへ大切な家族が流されていくことを経験した人が,怖れのない世界でもう一度,同じように手を伸ばすという歌だと思う。最近,戦争を経験した人の文章や歌や芸術すべてを見ると,とてもかなわないと思ってしまう。集中力とか命への掘りさげ方が壮絶だ。簡単な言葉で短く言えてしまうのだ。こんな命や人生のはかなさをいい加減な罵りと韻と美しいメロディーでやっちまうなんてさすがだね~。まいったまいった。
- 2004/05/03更新
- 2004/05/03登録
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