十代目坂東三津五郎
今一番贔屓な役者さん。
口跡にしても演技にしても、隅と隅をあわせてきちんと丁寧に折りたたまれた風呂敷をみるように、すっきりと気持ちいいお芝居を見せてくれる役者さんです。菊五郎とともに今最も、江戸の空気というものを現代の観客に感じさせてくれる。
特に魅力的なのは踊り。
三津五郎は坂東流の家元なんだから当たり前といえば当たり前だが、飄々とした洒脱な味わいのあるキッチリとした踊りぶり。歌舞伎座の場合、長いお芝居のあとだと踊りで帰ってしまう人がおおいのだけれど、この人の踊りを見ないで帰るのはデザートとコーヒーを飲まないで食事を終わるようなもので、非常にもったいないと思う。はらりと口にとける、上品な干菓子のような味わいなので、濃厚なお芝居を見た後に非常によい気分で劇場をあとにできる。水面下では物凄い体力を使う高度なテクニックを使う踊りをさらっと見せてくれる。三津五郎さんは、友人であり同時に共演者としてもライバルである勘三郎の息子さん二人にも踊りを教えている。特に勘太郎のきっちりとしたキレのある踊りぶりには、三津五郎の影響を垣間見ることができると思う。
すべての演技のベースに踊りがあるから、この人の舞台上での動きの一つ一つが非常に美しい。三津五郎は、ただ舞台上を歩くだけでも他の役者さんとは一線を引く。歩くたびに形を変え舞台の空間に刻まれる着物の皺がはっとするほど美しい。
踊りで一番難しいのでは歩くことと三津五郎の祖父の八代目三津五郎の本で読んだことがあるけど、この人を見ると確かに一朝一夕でできるようなものではないのだなと実感させられます。
「三津五郎、その城マニアっぷり」
あと、三津五郎は日本の城マニア。昔今の40代後半ぐらいの人の間で城ブームがあって、城のプロマイドや城模型がはやったというのだが、これは想像がつかない。
三津五郎は城マニアっぷりはテレビ放送の公私混同趣味企画(代表 松方弘樹の釣り)「湯の町コンサルタントシリーズ」でも設定として遺憾なく発揮されている。三津五郎は城マニアの温泉コンサルタントという設定。もちろん温泉だから入浴シーンつき。ちなみに城は推理に重要な役割を果たしたりはしない。ケータイは城ストラップ。
ラジオではみうらじゅんと城VS仏像で対談。余談だが、みうらじゅんは対談後城に何箇所か行ってみたが山の上にあるから登るの大変だし、土台しか残ってないし、キッチュなみやげ物以外城の魅力がまったく何もわからなかったそうな。たぶん私もみうらじゅんといっしょだ。
エッセイで城話をして、城に行く暇も城原稿も書く暇がないから本のページ数が足りないと悩んだりもするがお願いだから城で全部エッセイを埋めようとせず歌舞伎のことかけよ!と突っ込みを入れたい。
(結局、城エッセイが集まらずお父さんの九代目三津五郎の対談でページ数を埋めることに。)
HPの家族旅行でも城にいったりもするが、天守閣から身を乗り出し満面の笑みを浮かべる三津五郎の顔を見ると、家族サービスの名の元に一番城をたのしんでいるのは、三津五郎さんである。さすが、違いのわかる男。
今5月歌舞伎座の海老蔵の襲名興行で夜の部「魚屋宗五郎」にでています。チケットを取り損ねて残念。
2004.5
団十郎の急病につき「勧進帳」弁慶を代役。幕見しにいこうかな。
2004.8
『金閣寺』
髪をなでている姿も美しい、ビューティフルな大膳さまでした。貢さんも、芝居の呼吸や、身のこなしが美しい。勘三郎(万野)も、丁寧に演じていてとてもよいねよいね。来年の納涼は三津五郎が座頭なようです。
来年は是非に是非に踊りをー。
2005.1
今月30日にはまた三津五郎ファンにとっての踏み絵、『湯の町コンサルタントシリーズ4』(TBS二時間ミステリー劇場)放映。今年は大河ドラマ『功名が辻』にも出ますね。あと歌舞伎以外の舞台では、『獅子を飼う』(サンシャイン劇場)で、秀吉の役。見に行こうか行くまいか。
あと今年の浅草歌舞伎では獅童に「鳴神」を教えたそうです。三津五郎のことだから、物凄くスパルタなお稽古だったに違いありません。『映画やテレビでいくら100点を取っていても歌舞伎が20点なら20点の歌舞伎俳優』とか、獅童にとっては一番厳しいお人だからなあ。(獅童をほぼ黙殺したり、マスコミ人気だけをとりあげちやほやする人よりは、よっぽど情があるお人だなとおもうのですが。)稽古、カメラはいってないかなあ。スパルタな三津五郎も、怒られている獅童もマニア的にムチャクチャ見てみたい。
4月にはこんぴら歌舞伎で座頭をやるそう。三津五郎が出演するのは第一部の「浅妻舟・まかしょ」の変化舞踊、二部の「浮世柄比翼稲妻」の名古屋山三。これ、国立でお正月に同じ役をやりましたね。その時は相手役が福助だったけど今回は、亀治郎。前回見逃して非常に後悔したお芝居だったので、お金と時間さえ許されるなら通しで見て来たいです。
えーと、あとマニア的には待望の『京鹿子娘道成寺』を一日だけ金沢でやるようです。ずーっと、周囲の困惑を顧みず、しつこく三津五郎の『京鹿子娘道成寺』が見たいといっていた私の夢と希望と願いと欲望が叶いました。できれば素踊りじゃなくて衣裳つき希望。三津五郎は女形をめったにやらないけど、とってもとってもチャーミングな女形です。こんぴらを見逃しても、『京鹿子娘道成寺』には万難を排してでも出かけないと。
2007.1
去年は、歌舞伎以外も大河に映画に歌舞伎以外の舞台に大活躍でした。金沢いったり琴平行ったり、ほぼ追っかけ状態。昔は、じみーな感じだったのに、花も実もある渋いいい役者さんになってきたなあと、しみじみ思います。踊りの素晴らしさに伴って、舞台での色気もでてきたかんじで、色気というのはもちろん天然の人もいるのだけれど、後天的に身につく人もいるのだなあと感心。今年は11月の「先代萩」の沖の井がなかなか面白かった。来年は女形も増やしていただきたいです。「暫」の女なまずもまた見たい。あと踊りでは「流星」と変化舞踊、できれば、「京鹿子娘道成寺」に道行つきヴァージョンで再チャレンジしていただきたいものです。
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コメント (12)
最新コメント5件
2006/03/24
Rume 最近、八代目三津五郎の「戯場戯語」という本を読んだところ、時計マニアは七代目ではなく彦三郎さんという役者さんだったことが判明。すいません。永六輔のやつ。(永六輔の芸人エピソード集にで読んだ。)
2006/04/06
Rume 赤坂のすき焼きやさん「よしはし」http://tokyo.gourmet.livedoor.com/...は、八代目のお屋敷を改装して使っているそうです。ここもいきたい。
2007/01/02
birochana 隅と隅を合わせて云々・・・全くソノ通りだと思って、あまりのうまい表現に感動すらおぼえました。踊りをみる目がない私ではありますが、この人の格は私にも伝わります
Rume いや、どうも。踊りを見るのは好きなだけで、専門的知識は皆無なのですが、この人の踊りは本当に凄いと思います。昔は優等生的な地味な役者さんで、華がないなあと思っていたんですが、ここ数年でとてもいい役者さんになってきました。若手歌舞伎役者にとっての、ガンコジジイ、雷おやじとして、君臨して欲しいです。
2007/03/28
Rume ちなみに、写真の襲名記念随筆集「あばれ熨斗」、前半がほとんど城の話でしめられてます。
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