YES オノ・ヨーコ展
2003年の年末に水戸芸術館でもやっていたオノ・ヨーコ展。それが巡回して東京都現代美術館での展示だから、首都圏ではかなりの人が見ているのだろう。もう会期も後半ということもあり、人出もかなりのものである。客層は女性の、それも若い人が多い。高校生ぐらいの。みな一生懸命手帳になにやら書き写しているが、よくよく見てみるとキャプションを丸写ししている。何かの課題だろうか?変なの。
まあいいや。展示はオーソドックスな年代順となっているようだ。オノ・ヨーコの出世作ともいえる、「グレープフルーツ・ジュース」の日本版が展示されている。「インストラクション(指示)」と呼ばれる形式の作品。詩なのだが、一連の詩は命令形で書かれており、見るものに想像を促して、頭の中で作品を形作らせる。そしてそれを楽しむのだ。
命令形は正直、疲れる。なにさまだよ!という感もなきにしもあらず。だけどその破壊的なんだけど限りなくピュアな世界は、麻薬のようなハマリ感があると思う。
吹き抜けスペースには、「モーニング・ビームス」と「リバーベッド」というインスタレーション。天気がよかったこともあって、沢山の白い紐が輝く姿はまるで物質感の無いシャワー、といった感じ。ピンと張った紐にたいし、地面にふわりとある紐の結び目が、なんとも抽象的な対照をなして、無重力感・無方向感をさらに増している。爽快なインスタレーション。
じっさいのブツを見て、ちょっと感動してしまったのが「プレイ・イット・バイ・トラスト」というチェスのテーブルセットを模した彫刻。いくつかは実際に座って遊べるようになっている。このチェステーブルは、白一色。盤も白、駒も白、テーブルも椅子も白。一見したところ、ああ白いオブジェね、という感じだが、このチェス、実は駒が全て白いことによって、敵と味方の区別がつかない。つまり、チェスの手がある程度進んでくると、駒が果たして自分のものなのか、相手のものなのか分からないのである。一見して分からないし、とてもささやかなアイデアなんだけれど、実は物凄く重要なテーマを含んでいそうだ。
敵味方の区別のない戦いという状態。それは、ぐちゃぐちゃになったチャンバラのような”白”兵戦を想起させる。空虚な戦い。見えない敵との戦い。だがしかし、「プレイ・イット・バイ・トラスト」の題名が暗示するのは、そうした混沌状態を超えての、信頼にもとづく共存関係だろうか。
理想的な抽象表現、というものがあるとすると、これか、と思った。身近な題材を、ちょっとひっくり返して大きな意味を象徴する。見た目的にも、かなりクールでいけてました。
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コメント (5)
2004/06/23
Mooncat 私は実際に、YES
オノ ヨ-コ展に
行けないのですが、
「白一色のチェステーブル」のコメントは、興味を持って
読ませてもらいました。
ろくぶて ありゃ、行けないですか。このあと、鹿児島県霧島アートの森、滋賀県立近代美術館に巡回するそうですよ。
とんとこ 読みまくる展覧会、お茶しながら目がうつろでした。願掛けの木、ひと月前はよれてましたけど、元気ですか?
ろくぶて ハハハ、よれてましたか! オノヨーコは神様ではないので荷が重過ぎるのかもしれませんね(^^ゞ 私が見たときは、リフレッシュしてましたよ。
とんとこ それはよかった!
「木がかわいそう」と言う願?がかかってたくらいです。
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