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シン・ザトウイチモノガタリ

新・座頭市物語

「構えるでなく 抜くでなく 音と匂いでたたっ切る 座頭市の新剣法」劇場公開時ポスターの言葉より。
 
 ポスターの通り、この映画の主人公である座頭市(座頭とはあんま・はりなどを業とした者の総称であり、そして盲人のことでもある。市はそのとおり、盲目であり、あんまを仕事としている)の剣法は今までに見たことがないカッコイイものだった。

先に書いたように主人公、目が見えない。従来の殺陣ではダメだ。それじゃあ・・・と座頭市を演じる勝新太郎が考え出したのが「視覚以外の感覚で敵を感知し、間合いに入ったものを居合いで斬る」というものだ。これがとにかくカッコイイ。この映画は要するに「市の剣の師匠が悪い奴なので斬ってしまう」というストーリーなのだが、最後の師匠との対決シーンで座頭市が見せる居合いは、正直なにが起こったのかわからないほどにすごいものだった。ちなみに、この作品から26年あとに撮られた『座頭市』で勝新太郎(当時60歳近い)が見せる居合いは人間の動きじゃない。とにかく、観れば言っていることが理解してもらえるだろう。
 
ただ『座頭市』にしろ、この作品にしろ、本当に描きたかったのはそういう「殺陣の格好良さ」だけではなくて「人間としての格好良さ」だと思える。

例えばこういう場面がある。座頭市が幼なじみとの再会を祝って三味線で一曲やっていると、宿にヤクザが乗り込んできて、お金を巻き上げていってしまう。そこでは何もしないが次の日、しっかりとヤクザをしばき倒してしっかりとお金を取り返すのだ。
 
他にも、剣の師匠の妹と恋仲になりアタフタしていて妙に可愛い座頭市や、座頭市の命を狙っているヤクザとの右腕をかけたサイコロ勝負などは人情を感じ、観ていて本当に気持ちがいい。人としてこういうふうに格好良くなりたいとしみじみ感じる。
 
また、人を斬りたくて斬っているわけではないのに、そういう世界に生きていかなければならない哀愁も強く感じる。日本的な心の、細やかな動きなどを観たいのならやっぱり同じ日本人が作った映画はだんとつに優れているなぁと改めて思った。

新・座頭市物語

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投稿者:
ゆうじ
詳細情報
  • 年(代): 1963年
  • 人名: 田中徳三監督 勝新太郎主演
  • 2004/07/06更新
  • 2004/07/06登録
  • 2321クリック

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