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ざんぞうにくちべにを

「残像に口紅を」

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 世界からことばが消えてゆく小説。作家は,まず世界から「あ」を消すことからはじめる。もうアヒルもいない亀有もない,朝は来ないし愛もない。しかも作家以外誰もそのことに気が付かない。そうして徐々に言葉は失われてゆく。
 
 世界から「あ」と「ぱ」と「せ」と「ぬ」と「ふ」と「ゆ」と「ぷ」と「べ」と「ほ」と「め」と「ご」と「ぎ」と「ち」と「む」と「ぴ」と「ね」と「ひ」と「ぼ」と「け」と「へ」と「ぽ」と「ろ」と「び」と「ぐ」と「ぺ」と「え」がなくなったところで帯封がしてあり,「ここで読むのが嫌になった方はこの封をやぶらずに出版社まで送れば返金する」と書いてある。むかしの推理小説では見たことがあるが文芸書ではおそらく空前にして絶後ではなかろうか。
 
 個人的にも筒井作品の中で最も好きな一冊である(まぁこれは次の作品が取って代わるかも知れないわけだがね)。最後のページの最後の1行を読んだ瞬間に鳥肌が立った,まじで。
 

「残像に口紅を」

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べ画像 投稿者:
詳細情報
  • 価格: 1100円 (文庫は税別601円)
  • 発売元: 中央公論社 (現在は中公文庫所収)
  • 年(代): 1989年
  • 人名: 筒井康隆
  • 2006/05/01更新
  • 2001/11/05登録
  • 9831クリック

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コメント (16)

最新コメント5件

2002/07/23

Gentoo 「べ」の人は、ハードカバーが出てすぐに買ったから(実はわたしもそう)、文庫本をわざわざ買ってはいないだろうが、実はこの文庫本の解説部分がすごいのである。わたしは本屋でパラパラッとみて、おもわず(ハードカバー持っているのに)レジにもっていってしまった。解説のためにお金を払ったのははじめてだ。

2002/08/15

文庫版の解説って誰が書いているの?

Gentoo 計量国語学第18巻第2号(1991)掲載の論文「筒井康隆『残像に口紅を』の音分布」の転載。泉麻子+水谷静夫の卒業論文に補遺したものらしい。

うーん,読みたいかも。

2003/03/29

怪盗ジバコ ゆうべ、ようやく手に入れることができました。

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