オヅヤスジロウ
小津安二郎
日本語がわかる映画好きでよかった!と自慢できる映画をたくさん作った人。目立った賞はとったりしていないが,「固定ショット」「超ローアングル」による映画的文体の確立によって,映画史的にはもっとも重要な日本人作家だと思う。
ドゥルーズも書いていたと思うが,作者の意識的な視線というものを極力拝して(「豆腐のような映画」),事物が持続して存在するさまを,ありのままにとらえようとした作業には,一種の哲学的判断すら感じる。でもそれが自意識過剰じゃ全然ないところがすばらしい。戦中期の作品は,当時見たアメリカ映画の影響を受けて多様な映画的文体を駆使してもいただけに,そぎ落とされた後期の文体には,作家としての完成度を感じる。
特に一本あげるとすると,やはり「東京物語」でしょうか。後期小津作品に常に現われるモチーフは,登場人物の誰かが必ず,誰かに死に別れているというもの。「東京物語」では,夫を戦争で亡くした原節子が,その夫の母の肩などもみつつ亡夫の話をしながら,突然泣き出すシーンが印象的でした。
12月12日生まれ。60歳の誕生日に死去。生涯独身。鎌倉住まい。もっとも重用した女優原節子は,小津の死後引退してしまった。原節子さん,お元気でいらっしゃいますか?
来年は生誕100周年で,松竹がイベントを企画中。企画内容も募集中なので,これぞという企画を応募しましょう。
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