山梔
*野溝七生子のデビュー作。
1924(大正13)年発表。自伝的小説。
大好きな一冊。
読むたび悲しくて苦しくなるのに
それでも何度も読み返してしまう本です。
『山梔』のヒロイン・阿字子は読書が好きで
自分で紡ぎ出した心の中の王国で暮らす少女。
でも 時代が時代なだけに周囲は阿字子のそんな生き方を認めず、拒み、
結婚して夫に尽くす「普通の」人生を強要します。
周囲のすすめる人生が果たして本当に幸福なのか
そう言い切れない時代だからこそ
阿字子は “永遠の少女” として生きようとするのだけれど
当然そんな阿字子の生き方は大人たちから理解されない。
その追い詰められていく様は切なく悲しく胸に迫ります。
きっと夢見がちで空想の世界に遊んだ少女時代を送った女の子なら阿字子に自分の姿を重ねると思う。
阿字子はかわいい。周囲の無理解に苦しむ姿は本当に可哀想。と思うように
「私」はかわいい。周囲から認められない「私」は本当に可哀想。
って そのときは思わなかったけれど今思えば
自己愛の塊りだった少女時代を思い出してしまうのは私だけ???
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コメント (4)
2004/10/06
Mi-Go わたしも大好きな作品です。作中に、あなたはあと十年遅く生まれてきたら…と言う台詞がありますが、阿字子が現代に生まれてきていれば…と思うとなんだか普通に内向的文学少女になってたような気もしますが。とはいえ、それだけで留まらないほど美しい少女像だと思います。
no*no そうですね。。。阿字子がもし現代の少女だったら、あのような結末にはならなかったと思うと、単なる文学少女でも良かったかもしれません。追い詰められていく姿がとにかく可哀想で自分まで苦しくなってしまうのです。「阿字子」って名前も可愛いですよね。物語の最初の方に出ていた「調」さんも素敵だなと思います。
2004/10/23
アネモオヌ 以前UAとブランキーのベンジーでやってた、AJICOって阿字ちゃんからきてるのかな?
2004/10/24
no*no AJICOって普通に思いつかなさそうな響きですものね。そうかも!!
つながりキーワード (2)
阿字子
- (yukicorn)
「阿字子」とは、野溝七生子さんの小説「山梔(くちなし)」の 主人公の少女の名前。 変な名前でしょ。 でも、読み終えた後には、アジコ、アジちゃん、ってかわいくて しょうがな...
野溝七生子
- (アネモオヌ)
1897(明治30)年兵庫県生まれ。作家、文学研究者。 「山梔」を初めてよんでやわらかな衝撃を受けました、定期的にまた読みたく(浸りたく?)なる作家。文体で芸術を感じた...





阿字子
野溝七生子
極光のかげに―シベリ...

