知っていますか、日本の島 虎ノ門DOJOブックス
"島から日本外交の歴史がみえてくる。日韓の係争の地竹島/アホウドリとオイルが尖閣諸島のキーワード/小笠原諸島をめぐるロシア、アメリカ、イギリスの事情。ほか、歯舞、色丹、国後、択捉、の様子が豊富な写真でよくわかる。"帯より。
下條正男 照屋健吉 田中弘之 児玉泰子
自由国民社 虎ノ門DOJOブックス 2002年12月10日
最近、なにかと問題となる領土問題。この本はそれぞれの問題を別々のひとが担当しているので、濃い内容が期待出来ると思って買ったのだが、ページ数が少ないせいか、それとも公演や討論をもとに刊行しているためか、ただでさえややこしい問題が分かりづらく感じるところもあって残念な部分もある。
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○竹島の現状と日韓の主張 下條正男 拓殖大学教授
サンフランシスコ講和条約は、一九五一年九月八日に調印され、五二年の四月二十八日に発効している。
問題はその第二条の(a)項にあった。草案の段階では「鬱陵島・竹島・済州島」が日本の領土から離れて、朝鮮側に返還される領土、島嶼と規定されていた。そこには「連合国軍総司令部訓令代六七七号」というのがあって、そのとき連合国軍総司令部が竹島を韓国側ときていしていたからである。
ところが、講和条約の最終案では日本から除かれる地域が「済州島・巨文島・鬱陵島」とされ、同条約によって竹島は朝鮮領から除外されていた。p12-13
→ 韓国側はサンフランシスコ講和条約が発効する前の五二年一月十八日公海上に「李承晩ライン」を引き竹島を自国領土と宣言し、翌月から始まる日韓国交正常化交渉の外交手段とした。公海上では当然日本の漁民達は漁業を行っているから、日本漁船が拿捕されることとなった。二〇〇隻以上三〇〇〇名を超える日本人漁民が拿捕された。「竹島問題」や「李承晩ライン」で個人資産問題で日本が譲歩すれば、漁民を解放しようというのである。
[韓国が歴史的に竹島を自国領とする根拠]
『東国文献備考』一九七〇 の分註「鬱陵、于山、皆、于山国の地。于山は則ち倭の所謂松島なり」松島は現在の竹島。
→韓国側は古い文献中に于山の名前を見つけるとことごとく竹島と読み替え、竹島は古来朝鮮半島の一部とした。
『世宗実録地理志』于山島と武陵島(今日の鬱陵島)が「二島相去ること遠からず。風日清明なれば則ち望み見るべし」
『東国輿地勝覧』(一八四一)于山島、鬱陵島「晴れた日には良く見える」
→日本側:竹島と鬱陵島は九二キロメートルほど離れている。「相去ること遠からず」と表現する距離ではない。晴れた日に良く見えるのは朝鮮半島から見た鬱陵島。「相去ること遠からず」は鬱陵島からちかくにある竹嶼という島。また、鬱陵島から竹島は見えないことを川上健三という人が計算した。一九〇五年、明治政府は竹島を島根県に編入しているので、日本側としては、そのまま引き下がることはできない。
韓国側:鬱陵島の海岸線からは見えないが山の上からなら見える。
→実際にそこの売店で聞いた話だと「今年は七月に一度みえただけ」、「晴れた日には見える」ということではないらしい。p21
54年 武力占拠開始
60年 李承晩ライン侵犯船の徹底拿捕決定
65年 「日韓漁業協定」締結
96年 接岸施設の建設開始
97年 接岸施設竣工
[韓国側の文献解釈の間違い]なんだかわかりにくいのだが原文のまま。
"『粛宗実録』の二〇年甲戌八月巳酉条にはその証拠がある。同条には竹島問題が発生した際、韓国側が『東国輿地勝覧』を引用して、鬱陵島から竹島が見えると解釈し、竹島の領有権を主張した同じ文献を、そこでは「本島峰巒の樹木。陸地より歴歴望み見るべし」と解釈しているからだ。
ここで「陸地より」という陸地はどこをさしているかといえば、それは朝鮮半島である。つまり竹島問題が起こった際、「鬱陵島から竹島が見える。竹島が見えるから竹島は韓国領だ」と韓国側が主張してきたその同じ文献は、竹島問題が起こる二五〇年ほど前の一六九三年には「朝鮮半島から鬱陵島がみえる」と読まれていたのである。"p25
ともかく同じ文献を
朝鮮政府:朝鮮半島から鬱陵島が見える。
韓国政府:鬱陵島から竹島が見える。
として共に鬱陵島、竹島の領有権の主張に使ったという事だそうである。
このあとどうして韓国側の文献に誤りが生じたかを詳しく書いているがややこしく、まとめにくいので割愛。
[日本海が東海に]
先述の『東国輿地勝覧』という十五世紀に書かれた地誌によると、東海というのは、沿岸部であり、地図でも遠くのところは大海と書いてある。つまり朝鮮時代の人々にとって、東海というイメージは沿岸部のことで日本の東北地方や北海道までも含めた、そういうところまでは意識していなかったのである
そのことは十九世紀末、朝鮮の高宗が、自分達は「東海の東にあり」と言っていることでも明らかである。ここで高宗がいう東海とは中国の東海、いまの黄海を東海ととらえて自分達はその東にあるのだと言っているのである。p37-38
[竹島を知らない日本人]
(韓国人が)「独島(竹島)はわが領土」と歌ってしまうと、それを前提に情報が集められていく。そのことはちょうど、神様がいると信じている人に、神はいないと告げるむなしさに似たところがある。日韓の歴史問題は宗教論争をやっているのと同じなのである。p40
ところでEEZに関しては朝鮮日報のhttp://japanese.chosun.com/site/data/...
"韓国外交部は「真っ向から対応してはならない」という諮問勧告を受け入れ、1年後の1997年7月、“独島起点”を放棄し、“鬱陵(ウルン)島起点”を採択、世界に宣言した。無対応主義で後退し、しまいには日本が攻撃的な外交に出ると逃げ出してしまったのだ。"(抜粋)
という記事があるのですがそのへん書いてないのが残念です。
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○尖閣諸島の歴史的経過と現状 照屋健吉 沖縄テレビ報道部
"ここは、日本人の古賀達四郎という人が開発したことによって知られ、現在では埼玉県にお住まいのK氏一族が所有(国有地の大正島を除く)しているのである。
そして、そのうちの久場島と大正島に関してはアメリカ軍に施設として提供しており名目上は射爆場ということになっているが実際は使われていないというのが実情である。"p45-46
「日本が帝国主義的侵略のもとに、この島を領有した」という説をなすものがあるが、そうではなくて、無人島であるため、むしろ漁民とか、あるいは、そこの天然資源を目標に、民間人が島に入って、それを開拓したという歴史的経緯を日本政府が追認したということになる。p51
"一九一九(大正八)年に、魚釣島に中国福建省の難破船が漂着し、漁民三十一人が救助された。そのとき彼らの救助にあたったことで、長崎の中華民国領事から、感謝状が贈られている。その感謝状に、「日本帝國沖縄県八重山郡尖閣列島内和洋島において」という表現がある。これが、「中華民国が、日本の領有を認めた正式の文書である」というように主張されることがあるので、このことには注目しておきたい。ちなみに和洋島とは尖閣諸島の中で最も面積の大きい魚釣島の別称である。"p52
"一九四五年九月七日、現在のアメリカ軍嘉手納基地のなかで署名した降伏の文章により、沖縄は組織的な戦闘状態が終わる。その降伏の範囲に、尖閣諸島が入っている。"p54
[アメリカの尖閣政策三つの時期]
1. 自明のこととしてアメリカ軍が日本軍から受け取った時期
1955年アメリカは久場島=黄尾嶼を海空軍の射爆場にし、翌年には大正島を海軍の砲撃演習場に指定している。
2. 積極的に尖閣政策を進めた時期
1967年アメリカのガルフ、エッソ、カルテックスの三つの石油会社とカイザー(セメント会社)が沖縄に製油所の建設申請をする。1968年には国連アジア極東経済委員会(ECAFE)がアメリカの探査船で海域の調査を行い石油、天然ガスの埋蔵を公表していた。
3. 消極的になる時期
1969年ガルフの探査責任者が尖閣海域の鉱業権の交付を打診している。これに対し国務省は琉球や日本との摩擦のおそれを指摘し断っている。その頃になると沖縄返還が日程に上がっており、アメリカが次第に手を引くような動きが出てくる。アメリカとしてはベトナム戦争で中国に和平を仲介してもらいたいと交渉を開始していた時期であり、中国も珍宝島(ダマンスキー島)事件でソ連と銃火を交えるという状況で互いに手を握った方が得だと言うような情勢が出てきたのである。ジャーナリストの船橋洋一郎氏も「尖閣はアメリカの対中接近の犠牲にされた」と断言しているp59
[中国側の主張]
"一九七一年四月に台湾が、その年の十二月には中国がおのおのの領有権を主張した。まず、中国外交部声明は、尖閣諸島は「台湾の付属島嶼である」と主張する。明の時代から清の時代にかけて、琉球が中国と朝貢貿易を行っていた時の古文書に、「赤尾嶼癘大正島を経て琉球に至る」という表現とか「久米島から先が琉球なり」とか、そういう古文書の記載を根拠に、中国は歴史的に尖閣を自己の領土と主張している。"p60
なぜ当初台湾の付属島嶼と主張したか
→1958年の宣言で領海を12カイリにしたが、南沙諸島、澎湖諸島、台湾(と台湾の付属島嶼)の記述はあるが尖閣諸島のきじゅつがない。台湾の付属島嶼にして主張に整合性をもたせたと思われる
→1992年の領海法で、釣魚台(尖閣諸島)を自国領土と明記した。
[中国主張の歴史的な問題点]
"一五六一年に明の提督、胡宗憲の著書に倭寇に対する防衛ラインとして尖閣(釣魚台)がはいっているというもの
→台湾の付属島嶼としていた。台湾は一六二四年オランダが明と争って手に入れている。"台湾史の専門家、伊藤潔二松学舎大学教授はこの事実を「明王朝がかくも簡単にオランダの台湾領有に同意したのは、もともと、この地を領土とみなしていなかったからにほかならない」と断じている。"p61
台湾が中国の版図に組み入れられたのは、一六六二年。このように尖閣が中国本土に属しているとしても、当初台湾の付属島嶼と主張していたことと矛盾するし、台湾に属しているとしても問題がある。
[台湾の主張]
地理的、地質構造的、歴史的に台湾に所属する(1971年外交部声明)。根拠は中国の同様に古文書など。
[台湾の変化]
1997年見解 → 主権は台湾が持っているが、まず漁民の権益を優先して平和的に解決すること。北京とは妥協しないといp62
[日本の主張]
尖閣問題は石油埋蔵の可能性を指摘されてきゅうに発生したもので、元来領有権の問題は存在しないとの立場。政府は所属が未確定の島々を明治28年の閣議決定で「先占による行為」で領土編入した。それ以来古賀家の経済活動、戦後のアメリカによる沖縄と一体の領土管轄憲の継承などが平穏におこなわれてきた。また、中国の地図や台湾の教科書が日本領として扱っている事実を指摘している。p63
2004/06/23のyahooニュースで共同通信 http://headlines.yahoo.co.jp/hl?... (リンク切れ)が"中国側はこれまで、(春暁等ガス田を)日本側との共同開発をたびたび提案しているが、「尖閣諸島の領有権棚上げ」などを前提としていたため、日本側は「境界画定が先」と拒否している。"と報じていたがそこらへんの事が書いてないようで残念(本がちょっと古いせいもあるかも)。
あと3章小笠原諸島と、4章北方領土が残ってるけどとりあえずここまでで登録
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