江戸一 鯉口シャツ
元々お祭りは好きな方ではない。大騒ぎを冷めて見ているのが常だ。しかしそんな私が、浅草に越してきて4年目の今年、訳あって遂に浅草のお祭りデビューを果たした。ひ弱な自分が、あの浅草の御輿を担いだのである。
屈強な男どもに紛れ、精一杯の大声を張り上げながら御輿を担ぐ。若い女達もいて、これまた如何にも気性が荒そうだ。浅草の若い衆の中で、始めはビクビクしながらの私だったが、だんだんそんなことはどうでも良くなり、自然と皆の声と動きに合わせてリズムに乗る。ソイヤッ、ウーリッ、ソイヤッ、ウーリッ!
休憩時間になり、配られるお茶とおにぎりを頬張りながら、ホッと一息。で、ふと気が付いた。ハッピはほぼ全員、町の名前入りのレンタル。しかし、そのハッピの下が、どうでも良い柄のTシャツの自分に比べ、地元浅草の若い衆は、みんなお祭り使用の完全武装。格好いい…。否、“粋(イキ)”なのである。
私も買うことにした。近くの祭り用品店に入って値段を見て愕然。本格的なお祭りスタイルは、結構値が張る。財布との相談の末、どう考えても全身は無理なので、手始めに鯉口シャツを買うことにした。“江戸一”の菊小紋。これにハッピを羽織った自分を想像してにやける。次はちょっとでも粋な出で立ちでお祭りに臨めそうだ。どちらかというと、お祭りは好きな方である。









