小島なお
特急の電車ぐわんとすぎるとき頭の中でワニが口開く
小島なお
■『角川短歌』2004年11月号より
俳句で「庭に鮫」なら金子兜太。
つまり、遊牧集の「梅咲いて庭中に青鮫が来ている」があまりにも有名。
なるほど、都会生活において、急行しか止まらない駅で電車を待つときは、
特急電車は鰐を想起させるのか・・・
これは、「特急の電車」と「頭の中でワニ」の比喩による二物衝撃手法。
今年の角川短歌賞受賞作「乱反射」50首を読んでいて気に入った一首であった。
エタノールの化学式書く先生の白衣にとどく青葉のかげり
なんて歌も詠んでいる。青山学院高等部三年在学中の17歳とのこと。しかし、角川短歌賞は短歌の新人賞の意味合いが強いらしいが、俵万智が出現したときは、初年度は次席か佳作で来年を期待しましょうと言って、2回目で受賞させたはず。短歌賞応募者にはもっと歌歴の長い歌人もいたはずだが、それほど歌壇では人材と才能が欠乏しているのだろうか。
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