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産業カウンセラー

昨年「初級産業カウンセラー」の資格を取りました。
将来的にそういう職業につきたいというわけではなく、現在従事している接客業という分野で何かヒントになればと考えてのことでした。

しかしこの勉強は予想以上に得るものが大きかったのが事実です。

そもそも、カウンセラーという役割は、一般的に「人の悩みを聞いてアドバイスしたり、協力して問題解決にあたる」金八先生的イメージがあるのではないでしょうか。

でも、実際は(流派にもよりますが少なくとも私の習った『初級』コースでは)何かアドバイスなり自分の意見を述べることは極力控え、ただひたすらに「相手の話を聴くこと」のみに専念するのです。(これを傾聴といいます)

それがどんなに荒唐無稽な悩みであっても、まずは全肯定して受け止めるのです。

「なんだ、ただ聴くだけなら何もしなくていいから誰にでも出来るんじゃない」なんて思われるかもしれませんが、これほど難しいことはありません。

「ただ聴くだけで、問題解決に何の役に立つのか?」

と思われるかもしれませんが、問題を解決するのはカウンセラーではなくクライエント自身です。クライエントが自分の中にある答えをみつけだすためのプロセスをお手伝いするだけですので、カウンセラーが意見をし、それで仮に問題解決したように見えても、その答えはクライエント自身が見つけ出したものではないので、依存関係が残ります。カウンセラーがいないと何もできないというのでは解決になりません。

悩みというのは大体において、過去を変えたい、あるいは他人に変わって欲しいという内容なのです。
しかし、事実「過去と他人は絶対に変えられない」わけですから、問題を解決するには、結局自分が変わるよりほかない。

それに気付くためのプロセスを共にするというだけなのです、だから優秀なカウンセラーは「クライエントを映す鏡」であるべきなのです。

資格を取らないまでも、こうした「聴く技術」の勉強をしてみることはとても有効だと思います。意外と、いろんな場面で役に立ちますよ。

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モニャー

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コメント (8)

最新コメント5件

2004/12/04

wahei こういう資格があるのを知りませんでした。また桃猫さんの説明が大変的確で、内容がよくわかり素晴らしいです。私は編集の仕事をしているので人の話を聞く取材の機会は多いのですが、人の話を「聞く技術」というのは、確かにどんな仕事でも、プライベートでも役に立ちますよね。聞く技術、読む技術、考える(思考する)技術、(あ、そういえば「知的生産の技術」なんていう言葉もありましたね)。「取材の技術」というものを、カウンセリングと関係づけて調べてみると面白いかなと思いました。 「カウンセリング」と聞くと、一般的には「心理カウンセリング」をイメージすることが多いと思います。「産業カウンセラー」と「産業コンサルタント」は、本質は桃猫さんがおっしゃるように「クライエントを映す鏡」であるべきですが、コンサルタントというと指導、助言のイメージが強く、依存関係が発生してしまって、問題の根本解決にならないということですよね。 心理カウンセリングについては、平木典子という日本女子大の先生の書かれた『カウンセリングの話(増補)』『カウンセリングとは何か』(いずれも朝日選書)を読んで見たことがあります。カウンセリングの利用現場の一つとして心理があるという理解の方が適切だと思います。何らかの悩みを解決できずにこじらせた結果、心理的なトラブルを引き起こすことも多いでしょうし、カウンセリングの適用範囲の一つに「職場」を中心とした産業分野があるということでしょうね。今はちょっと時間的・費用的に(加えて能力的にも?)余裕がないので、資格取得までは難しいとは思うのですが、これからも機会があれば関係の本を読むなりしてみようかと思っています。

モニャー 「産業」カウンセリングという分野ができるほどに、人にとって職場というのはストレスの溜まる場なのでしょう。 編集というお仕事には残念ながらご縁がありませんが、おそらく取材とするにあたって、まず相手に信用され心を開いてもらうこと、そして相手の言う言葉の意味を正しく受け止めて解析・翻訳し他者に広く伝える必要があるのでしょう。「言葉を受け止めて、返す」という作業はカウンセリングと共通していますね。

2004/12/05

ふー 桃猫さん、waheiさんのおっしゃること、すごく身にしみます。私自身、少しだけですが心理を学び、自身でも職場のストレスにより体調を崩し、カウンセリングに通いました。今は、仕事で人の話をきくことをしています。改めて、今の自分に必要な勉強なんじゃないか、と思いました。

モニャー 心理の分野は学べば学ぶほど、新しい発見がありますよね。他人に対してどうこう以前に自分自身についての気付きもあります。 よく誤解されることがありますが、精神病の治療とは違いますよね。産業カウンセリングの対象はあくまで正常な判断力をもつ社会人なのです。 誰しもがストレスを抱え、それをお酒なり、趣味の時間なりなんらかの方法で消化させているのでしょうけれども、その問題と自分自身に目を向けて解決をはかれるのがカウンセリングなのだろうと思います。(最初は単なる愚痴からはじまることが多いですけれども) 

2004/12/06

wahei ふーさん、大変つらい経験をされたんでしょうね。桃猫さん、編集とカウンセリングの類似点、正しくおっしゃるとおりです。ただ、これを実践するのが難しい。第一ステップの相手との信頼関係を作るときには、ある程度の自己開示が必要(相手から見た自分がどのような人間なのかイメージしてもらう必要があるから)ですが、これが無意識に相手の言葉にバイアスをかけてしまう恐れがあります。 村上春樹に「回転木馬のデッドヒート」(講談社文庫)という短編集があります。インタビューをまつわる短編なんですが、そこで彼は「相手の中に崇高な、その人の軸となる何かをインタビュアーは探す努力をすべきだ」というような言葉をいっています。自分がインタビュー現場にいるときに、この言葉を心がけています。

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