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千円札裁判 (センエンサツサイバン)

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裸婦の絵画がワイセツか? 芸術か? などという論争は大昔からあったようですが、模型の紙幣が犯罪か? 芸術か? というのはいかにも60年代カウンターカルチャー的で非常に興味をそそられますねえ。でもこの作品、よく見ると千円ではなくて零円(ゼロ円)で、ご丁寧に「本物」とまで印刷されてある。これも当時の作品の一部なのでしょうか。いやはや僕はもうこれ見ただけで嬉しくなって拍手喝采であります。

赤瀬川氏は著書で“「はい、これが芸術ですよ」と言って目の前に出された瞬間に、それは芸術ではなくなる”と言っています。「美術館に僕の芸術が置いてあるから見てくださいね」と案内したところで、そこには本当に“芸術的”価値のある日常の認識を越えた作用は生まれない。自ら『反芸術』を標榜していた当時の彼は決して『反社会』に走ったわけではなく、常に芸術という考え方そのものに対し自分の作品によって異義申し立てをしてきたわけです。皮肉なことにこの裁判ではそんな彼の作品がれっきとした“芸術”であるということをおおぴっらに解説してあげなきゃいけないという、いかにもナンセンスな事態となってしまったわけですが、芸術(特に現代美術)というものがそもそも究極のナンセンスなわけで、そのナンセンスを裁いたり、弁護したりすることができればセンスが良いかといえばそういうわけでもなく、それはもう裁判やってる本人たちも何がなんやらさっぱり分からんかったことでしょう。
僕がもし当時の裁判官の立場だったら「コン、コン、コン! 有罪!」と言った後でこっそり赤瀬川氏にサインもらいに行くと思います。

■千円札裁判
現代美術家の赤瀬川原平が1963年の読売アンデパンダン展をはじめとする一連の展覧会に出品した千円札紙幣の“模型”が「実物大の千円紙幣に紛らわしい外観を有する」として行われた裁判。憲法における表現の自由に基づいた芸術行為か? はたまた通貨及証券模造取締法を侵した犯罪か? 当時の法廷では瀧口修造、中原佑介など著名な美術評論家達が特別弁護人として参加し、近代~現代の美術講議が繰り広げられるという前代未聞の“芸術裁判”となった。東京地方裁判所第701号法廷で行われた第1審最終公判の判決は執行猶予付きの有罪。

【参考文献・参考サイト】
真贋のはざま/西野嘉章
模型千円札事件~芸術は裁かれうるのか/中原佑介(『美術手帖』第287号/1967年9月 美術出版社)
東京ミキサー計画/赤瀬川原平

http://www.um.u-tokyo.ac.jp/...

千円札裁判

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  • 2005/01/01更新
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