イシキトハナンダロウカ
「意識」とは何だろうか―脳の来歴、知覚の錯誤
下條信輔/講談社新書。
近年の脳神経科学、実験心理学、認知科学を成果をまとめて、「意識」に迫る。
まず、さかさめがね(プリズムによって上下が反転して見えるめがね)、錯誤図形(だまし絵)、虹などの錯誤(イリュージョン)の問題からはじまる。錯誤と正しい知覚を区別するのは大変困難で、脳内の神経過程に還元しようとすると、「錯誤」は蒸発してしまう。
「物理学的アプローチがだめだとすると、ではいったい何が、イリュージョンをリアリティから区別するのでしょうか。」「それは言ってみれば現実的な生活者のアプローチです。」
そして「来歴」という言葉を使って、生得説vs経験説の対立を乗り越え、脳と身体と環境世界の相互作用という構図を提唱する。
また、哲学や精神分析などの、直観と論理で描かれたスケッチのようなものを、実験によって検証して、細密化するような箇所もあってうまく連携が取れている。
- 2005/01/19更新
- 2005/01/03登録
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