犀のマークの晶文社
創業の御挨拶
新緑の候となりました。お元気にお過しのことと拝察いたします。
さて、私どもは、このたび晶文社という名のささやかな書肆を開きました。俗にいう山椒は小粒でもピリリと辛いの意気です。
もっとも尖端的で、同時にもっとも伝統的なもの、要するに語の根源的な意味でのラジカルな出版物を出したいというのが私どもの願いです。
(中略)
しかし意気は意気、願いは願いです。それだけで出版界の荒海を乗りきることは難しいと思います。もとより企画、販売についての創意工夫に、持てる力一ぱいの努力はいたします。しかし、それのいたらぬところ、さらに、それだけではどうにもならぬところは皆様の御援助なくしては突き破ることはできませぬ。
どうかこれら私どもの仕事に御支持を賜り、もしも晶文社の名を一つの生きたものと御記憶下さることあれば、これ以上の喜びはありません。
今後皆様に直接間接種々お世話になる機会があるかと存じますが、どうぞよろしくお願いいたします。
以上、不躾ながら書面をもって御挨拶に代えさせていただきます。
敬 白
昭和三十六年四月二十五日
株式会社 晶 文 社
代表取締役 中 村 勝 哉
********
その後の活動は、挨拶文通りになり今に至る。
画像は晶文社の建物。その佇まいからもどんな心意気で本を作ってきたかがわかる。
http://media.excite.co.jp/book/news/...
ところで、晶文社のマークはなぜ犀なのか。晶文社スクラップ通信(号外)によれば、会社が軌道に乗り始めた60年代中頃、東大正門前のバーで創立メンバーたちが集まり、会社のマークを作ろうということになった。当時老舗出版社には動物のマークがなかったので動物にしようとなった。では何の動物にしようか。そのときトイレに席を立った社長の背中を見て、誰かがこう呟く。
「犀……」
http://www.shobunsha.co.jp/
コメント (18)
最新コメント5件
2005/06/12
豆おじさん うむ、読んでみたいですね。また平野甲賀さんの話になっちゃいますが、「装丁の本」私も持っていまして、ときどき引っぱりだしてはながめています。本とそれを最終的に読む読者との距離が絶妙で、大きな声でもなく、かといってただ控えめなわけでもなく、読むことを静かに誘ってくれるような、本棚に置いてうれしい装丁なのですなあ。 [削除]
時 間 よくわかります。その誘い方が他とは違う。
2005/11/14
時 間 ご存知の方いらっしゃると思いますが、中村勝哉社長の訃報。
2005/11/15
雲衣。 ああ、それは知りませんでした、、、、小野二郎さんも一緒に一度だけ次の店に梯子したことを想い出しました。昭和も戦後も遠くなり、合掌あるのみ。
2005/11/19
時 間 仲俣暁生による関連記事http://d.hatena.ne.jp/solar/20051116
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