ぷるーとう
PLUTO
アトム復活。
かの浦沢直樹が、かの手塚治虫の「鉄腕アトム」の名作「地上最大のロボット」のリメイクに挑戦。ほぼ月2回の連載で、単行本は05年4月現在、2巻まで。
アトムが人間そのものの姿で登場するほか、お茶目で気が強いウラン、頑固そうな御茶ノ水博士、やり手のタワシ警部。そして警察ロボット「ロビー」は、火の鳥に出てくるロビタか。
さすが浦沢氏の描く世界は、SFとしてもミステリーとしても、ストーリー、構成は超一級品。ただそれ以上に、描写がすごい。
夫ロボットを破壊(殺害?)されたメイドロボットが「あの人の思い出...消さないで...」とうつくむ。表情のない、どう見ても機械そのものなのに、肩から悲しみがにじむ。
「ピアノを弾けるようになりたいのです。もう戦場に行きたくないから...」とつぶやく、ノース2号の後姿とその思い、やさしさ、思いやりが、凍りついた老作曲家の心をとかす。
母親に捨てられた悲しい思い出の野原の風景は、モノクロなのに、夕陽に照り輝いているように見える。
こどものために「少しでも長く生きたい」と願うロボット。
この描写力は、なんなんだろう。
謎だらけのストーリーなのでとにかく先が気になるが、あせらずじっくり描いて欲しいし、ゆっくりじっくり味わってつきあっていきたいと思う作品。
5/12
そして2巻を見た。タワシ警部が、手塚作品同様ロボット嫌いなのがおかしい。
そして何といってもアトムだ。
無邪気な子供そのものの表情から、憂いを帯びたり、人を思いやる大人の顔になり、少年の勇気を表したり。浦沢直樹、あっぱれといいたい。
個人的に特に良かったシーンは(ストーリーとあんまり関係ないので、ネタばれではありません)、ロボット刑事のメモリーチップを自分に入れ、データをコピーするとき。メモリードライブが胸にあるんだろうな。そこに差し込んで、「胸に手をあてて、目をつぶって...」な、なんだ、このシーンは!まるで人間とロボットの融合のような、まるで祈りのような。
そういえば火の鳥の「復活編」も、人とロボットの融合だったっけ。
- 2005/05/13更新
- 2005/05/01登録
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