セカイガカワルゲンダイブツリガク
世界が変わる現代物理学
竹内薫・ちくま新書。
現代物理学と科学思想(科学哲学)を同時に解説する一般人向け入門書。
ニュートン以降の理論物理学(相対性理論、量子論)の世界にあっては、物質の概念がゆらぎはじめた。著者はそれを「モノからコトへ」とまとめる。それは、実在論から実証論へとも説明される。
■実在論(realism)
「自然の背後にある隠された実在に迫る」という考え方(この世は虚像で、論理的秩序を持つ世界が実像)
~プラトン、アインシュタイン、シュレディンガー
■実証論(positivism)
「実証できることだけを問題にする」という考え方(この世が実像で、論理的秩序を持つ世界は架空)
~ボーア、ホーキング、ファインマン(?)
同じ「リアリズム」という言葉も、日常的に使う場合(現実主義)と哲学用語の場合では、意味が逆転していることに注目されたし。
「なんだろな」と思っていたファインマン図の解説も嬉しい。
なお、池田清彦『構造主義科学論の冒険』と似てる。構造主義科学論は、実証論の一種のようだ。
#ちなみに筆者はカトリック信者だが、科学の世界においては実証論をプッシュ。こういう「分離」のセンスがいい。
また、『近代科学を超えて』(村上陽一郎)で懐疑されていた「逆2乗の法則」に合理的な説明をしているのもナイス。
「私にいわせれば、神話と量子論の世界観が似ているのは、当たり前の話なのです。
なぜなら、人間の脳が目の前に拡がる世界の構造を写し取る精度が変わってきただけの話であり、それ以上でもそれ以下でもないと思うからです。」
- 2005/08/24更新
- 2005/05/01登録
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