ステッドラー REG 製図用シャープ 質実剛健でGoodDesign賞
■ステッドラーのシャープペンシルは、製図用に鍛え抜かれただけあって、一般用にも軽くて使い回しが良い。とくに製図用シャープペンシル925は、無駄のない引き締まったデザインに好感が持てる。手が届きやすい価格設定も嬉しい。2005年頃はグリップがプラスチックのものもあったが、現行のラバーグリップの方が感触が良い。硬度表示窓で硬さを表示できるので、複数揃えたときにも便利だ。
■芯は0.3mmから0.5、0.7、0.9までの4種があるが、ステッドラーのシャープペンで0.9mm芯を揃えるのは、黒軸の925 09と銀軸の925 25-09だけだ。個人的には2Bの0.9ミリ芯が好みだ。本にアンダーラインやメモを書き込んだり、紙にアイディアをスケッチするのにも、タッチが柔らかく、かつ折れにくい。
STAEDTLER 製図用シャープペンシル925 09 525円
http://www.staedtler.co.jp/products/...
デザインB、機能C、革新性D。
■ステッドラーREGは、同じ製図用シャープ925シリーズの最上位機種だ。トップのダイヤルでワンノックの芯の送り出し量を0.1mm~2mmの間で調整できる。メカニカルなアルミボディは、手に馴染むよう滑り止め加工がされている。0.3mm芯, 0.5mm芯, 0.7mm芯の3種類がある。2005年のグッドデザイン賞を受賞した。
STAEDTLER REG (925 55) 芯送り出し量調整機能付き 1,260円
http://www.staedtler.co.jp/products/...
http://www.g-mark.org/search/Detail?...
■STAEDTLER社(STAEDTLER Mars GmbH & Co. KG)は、欧州最大の鉛筆メーカーだ。1835年10月3日、ヨハン・セバスチャン・ステッドラー(Johann Sebastian Staedtler)が、南ドイツの中世都市ニュルンベルクで鉛筆工場を開設したのが始まりだ。しかし、Staedtler家は、少なくとも17世紀に遡り、代々鉛筆製造業を担ってきた。1662年のニュルンベルク市年報にもすでに、Friedrich Staedtlerの鉛筆作りが記されている。
■Johann Sebastian Staedtlerは、父Paulusが伝統的な職人仕事で鉛筆を作っていたのに対し、ニュルンベルク市参事会にも公認された新型工場で大量生産を開始した。同社の革新性は、色鉛筆の新開発にも裏付けられていた。創業に先立つ1834年2月26日、Johann Sebastianは『ドイツ通信(Korrespondenten von und für Deutschland)』で誇らしげに宣言した。「私はとうとう、どんな従来品よりも優れた品質の赤鉛筆の製造に成功した。この赤鉛筆は、黒鉛筆とまったく変わらず、削って尖らすことができ、素晴らしい書き味で、色も硬さも変わらないのだ」。
■19世紀のニュルンベルクは、近代鉛筆製造業の生誕の地であった。Farber-Castell(1761年Stein創業)やLYRA(1806年創業)も、同地域で時期を前後して鉛筆の大量生産を開始し、今に至るまでSTAEDTLER社と切磋琢磨を続けている。これは、鉛筆産業の工業化/産業革命と言えるかもしれない。実際、「刃物の町」として世界的に有名なゾーリンゲンでも、ちょうど同時期にツヴィリングJ.A.ヘンケルスが蒸気機関を導入した一貫生産工場を稼動させている。
■STAEDTLER社は、色鉛筆の技術革新を続け、1840年の製品数は63種にも上った。1856年には、同社の杉材鉛筆は、円形軸と六角形軸の双方で各48色の品揃えを誇るに至った。1866年には、従業員は54人を数え、年間製造本数200万本以上の量産体制に達した。こうして、当初は芸術家向けだった色鉛筆は、庶民の日常用品になっていった。
■1880年、L.クロイツァー(L. Kreutzer)がSTAEDTLER社を買収したが、それを引き継いだRudolf Kreutzer博士こそ、中興の祖であった。彼は、1905年の入社から1967年の引退まで、両大戦期を挟む激動の時代を支え、世界規模に経営を拡大した。Rudolf Kreutzerは、1922年に米国支社、1926年に日本支社、1929年に英国支社を置き、1937年には 社名をMars Pencil and Fountain Pen Factoryと改称して、鉛筆のみならずペンに商品の幅を広げた。他方、1912年のW.Staedtler社(J.S.Staedtlerの息子が1865年に創業した別会社)の吸収をもって、創業一族Staedtler家は退陣する。
■ニュルンベルク市は、第二次世界大戦期にはナチス党大会やニュルンベルク法(ユダヤ人の市民権剥奪)を担ったため、連合軍の集中攻撃の対象となり、街の9割が徹底破壊された。終戦後、ナチス戦犯を断罪した「ニュルンベルク裁判」の場に選ばれたのも、同じ象徴的理由だ。同市に立地した産業も空襲を受け、STAEDTLER工場は20%が焼失した。しかし、町の復興とともに、STAEDTLER社も危機を乗り越えた。1949年にボールペン、1950年に木製芯ホルダー、1954年にマーカー(Lumocolor)、1964年にフェルトペン、1969年にシャープペン、1998年に印刷機インクの製造を開始する。Lumocolorは、今や半世紀を経て、ドイツ市場の70%を占め、世界一のOHPペンとなった。
■現在のSTAEDTLR社は、24ヶ国に支社を持ち、150ヶ国で販売され、従業員は約3000人を数える。が、本社工場は、時代が変わり戦災にあっても、創業の地ニュルンベルクを離れない。1835年には城壁内の旧市街、1898年にはJohannis地区、1988年にはニュルンベルク北のMoosaeckerstrasseに移転したが、今も筆記用具の80%をここで製造する。
ステッドラー社史
http://www.staedtler.com/...
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■ちなみに、映画『スターウォーズ』で、主人公を含むジェダイ騎士達がベルトに挟んだ「ジェダイ・フードカプセル」は、STAEDTLER Liquid Pointのキャップを塗装したものだそうだ。どう見ても撮影協力とは関係なさそうな裏情報だが、STAEDTLER本社の公式ホームページが、本気で誇らしげに掲載しているのは微笑ましい。
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