OHTO MULTI 2+1/ MULTI PRO
オート・マルチ2+1 国産マルチペンの雄 お薦め!
■OHTO MULTI 2+1は、太さも形も通常の単色ボールペンと変わらず、スタイリッシュに使える細型多機能ペン。ペン軸の黒丸を上にノックすると黒、赤丸を上にすると赤、「0.5」の数字を上にするとシャープになる。複数レバーのついた仏BICの古典的な多色ペンと異なり、2色油性ボールペンと0.5mmシャープをスマートに切り替えられるのは、多機能ペンの近年の進化だ。しかもボールペンの替芯は、各社マルチペン共通の4C互換リフィルだ。
■ペン先からトップにかけて、緩・急・緩のリズムがある。グリップはひょうたん型の有機的なウェーブと横縞、ボディはメカニックな6角にクリップ、さらにトップが再び有機的な丸型と続く。丸型ペンと角型ペンを半分に切って前後に接合させたようで、一見失敗作のようにアンバランスだ。しかし、ユニークな個性は、一度見たら忘れられない。好みが分かれるところであるが、車に喩えて言えば、豚鼻のクライスラー・PTクルーザーにも似た存在感がある。持ってみると、おやっと思うほどの重量があり、アルミ金属棒の削り出しのような高質感を感じさせる。
■シルバーとガンメタリックがあるが、いぶし銀のような後者の方が工具的な無骨さが強調されて重厚だ。ノックされたトップは、RotringのマルチペンArtosにも似たクリップ内ボタンを押すと元に戻るが、シュタッというバネの触感も柔らかく上品。このメタリックな質感は、ぺんてるの秀作「グラフギア1000」にも勝る。メジャーでないがゆえに逆に、海外高級ブランド、たとえばLAMYの新しいカジュアルモデルかと勘違いされてしまいそうな迫力がある。少なくとも、持つ人のこだわりを感じさせることだけは間違いない。
■ピカクロ(黒)とイタアカ(赤)の新色モデル(2,100円)が出た。2008年時点でホームページには出ていないが、店頭で手に取ってみた。光沢のある派手な塗装だ。旧モデルより若い客層を対象にしたのか、ガンダムやミニカーにも似たメカニックな趣だ。
デザインA、機能B、革新性B
OHTO MULTI 2+1 MF-15K3A 1,575円
OHTO MULTI2+1 MF20K3A 2,100円
http://www.ohto.co.jp/html/...
■オートは他にも、1,050円でデザインの優れたマルチペンを出している。MULTI JOB3、MULTI fit、MULTI Lisse、そしてMULTI PROは、黒赤2色ボールペンとシャープペンシルの3機能だ。とくに、黒ボディのMULTI PROに「レッド」のクリップを組み合わせるのは鮮烈なコントラストだ。金パーツのMULTI fitに「レッド」や「ホワイト」のボディを組み合わせるのも上品だ。いずれも、価格以上の美しさだ。
OHTO MULTI JOB3, fit, Lisse, PRO 1,050円
http://www.ohto.co.jp/html/...
■OHTOマルチペンの隠れた売りは、高級マルチペンに共通する4C互換リフィルに準拠していることだ。LAMY2000、Rotring 4 in 1、Staedtler Avant-Garde、Sharbo Xなどの高級マルチペンは、相互に替芯を交換できるのが楽しみのひとつだが、高嶺の花だったその特権にOHTOは仲間入りできる。4C互換リフィルは奥が深く、変わったところでは、ZEBRAやPILOTの緑、PILOT HI-TEC-Cの0.3-0.4mmゲルインキ黒赤青、OHTOのピンクはもちろん、LAMY/Rotring/Staedtlerの蛍光オレンジ、LAMY/Rotring/掌極道のスタイラスなどがある。ただし、Sharbo X(黒赤青緑、セピア、ボルドー、エバーグリーン、ブルーブラック)のリフィルは、一応4C規格らしくて期待していたが、とくにゲルインキは通常より0.1mm太く、無理に他社ボディにいれると機構が壊れる危険があるようだ。
「文具」ボールペンの替芯を究める(Sideriver)
http://www.sideriver.com/stationery/...
■なお、オートは、今ではガチャックで有名だが、1919年創業の国産ボールペンの開祖だ。創業者・中田藤三郎は、印刷インクの中田機化工業を経営していたが、戦後、セルロイド・パイプへのインク充填に成功し、現在普及する透明プラスチック軸の「鉛筆型ボールペン」を作った。グッドデザイン賞にも関心を払わず、前身のオートボールペン工業の水性ボールペンが、1966年にG-Mark認定を受けたのに止まる。しかし、改めて品揃いを見ると、優れたデザインの掘り出し物が多い。とくに1,050円の水性ボールペンや木軸シャープは高級感があり、もっと注目されて良い。
オート・水性ボールペン群 べっ甲模様5,250円/木軸・マーブル3,150円/その他1,050円均一
http://www.ohto.co.jp/html/...
オート・木軸シャープペンシル 1,050円
http://www.ohto.co.jp/html/...
オートボールペン工業・水性ボールペンW-6
(1966年G-Mark)
http://www.g-mark.org/search/Detail?...
■同じ価格帯の多機能ペンなら、デザインが良いのに越したことはない。他方、1万円札を握り締めて外国製を物色する前に、オート製品をも手に取ってみるべきだ。毎日使う文具は、飾り物ではない。ブランドを鵜呑みにしても意味がなく、自分の眼と手で確かめてみないと、良否は分からない。
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