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ジャックスの世界

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1968年、日本ロックの誕生はジャックスから始まった。

早川義夫が率い、ギター 水橋春夫、ベース 谷野均、キーボード 木田高介。後にドラムスにつのだひろが加わる、元祖「伝説のロックバンド」である。

60年代末、すでに欧米では単なる8ビートの循環コードを基本とするポップはもはや「ロック」とは呼べなくなっていた。既成の芸能ポップの秩序を解体する意志を備えていることこそが「ロックの定義」となったのである。ロックは、その精神性や思想、芸術性を問われるようになったのだ。

当時の日本のポップにはこの様な潮流を消化するだけの「ロック」は存在しなかったが、状況を打破しアンダーグラウンド・シーンから出現したのがこの「ジャックス」である。
先だっての反体制カルチャーはフォークブームを生んでいたが「ロック的シーン」を初めて身に付けたジャックスの登場なしには「ニホンのロック」の誕生は遅延の憂き目となったであろう。

暗きロックの香りという点では「はっぴいえんど」より遥かにカッコいい。はっぴいえんどが、<声><技術>であるならば、ジャックスは<サングラス><黒い海の底>がテーゼとなる。
(はっぴいえんど/日本語ロックに挑戦したという点で彼等は最重要であるが、香りより実験性が優っていると感じる。これもまた、黎明期には早すぎた成熟)

さて、ニホンロック元年1968年に発表されたアルバム「ジャックスの世界」は、闇に響くドラムが印象的な「マリアンヌ」で始まる。絶望感の「からっぽの世界」、「裏切りの季節」、情熱の「われた鏡の中から」、無常感を描いた「ラブ・ジェネレイション」等からなる。早川義夫の泥の様に心を覆うボーカルが耳から離れない。

数年後の、日本を席捲するであろうミュージック・シーンを夢見た少年期であったが数十年たった今も、それは成就していない。見る前に跳べ!「ロック」は何処へ。

ジャックスの世界

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