OXO万能鋏 グッドグリップスの洗練と実用 お薦め!
■OXO万能バサミは、キッチン用品で有名なグッドグリップス・シリーズのひとつだが、台所回りに止まらず、厚紙、ダンボール、ビニール、プラスチック、布、皮などにも対応した万能鋏だ。ヘビーデューティーな用途に似合わず、都会的でスタイリッシュなフォルムを誇る。家庭はもちろん、オフィスのデスク上でも違和感がない。
■オクソ・インターナショナルは、1990年にサム・ファーバーがニューヨークで、ユニバーサル・デザイン専門のキッチン用品メーカーとして創業した。グッド・グリップス・シリーズの老若男女に優しいデザイン性は評価が高い。日本では、サラダスピナーやアングルドメジャーカップが、2004年度グッドデザイン賞を受賞している。
オクソ・インターナショナル
http://www.oxo.com
サラダスピナー
http://www.g-mark.org/search/Detail?...
アングルドメジャーカップ
http://www.g-mark.org/search/Detail?...
■OXO万能鋏の機能上の特徴は3つある。使用3ヶ月後の不満点や1年後の満足感は後述するが、機能面から説明しよう。
■第1に、ラバーグリップには自転車ハンドルのような柔らかいフィット感がある。指で挟むというより手の平で握る形であり、堅めのものに対しても力を込めやすい。さすが、アップリフト・ケトル等で定評のあるGood Gripsシリーズだ。しかも、この素材はデリケートな肌触りながら頑丈であり、食器洗い機の高温にも対応している。
■第2に、右利き・左利き・老若男女を問わないユニバーサル・デザイン。バネが自動的に鋏を開くため、堅めの噛みあわせも軽快。バネを外してみると、いかにバネが開閉を補佐しているかを実感できる。収納時はフックで、コンパクトに畳むことができるが、黒いグリップに真っ赤なフックが鮮やかなアクセントだ。
■第3に、直線の下刃に曲線の上刃がかぶさる形で、厚み・丸みのあるものを押し切ることができる。長さ22cm、刃渡り8.5cmと、万能鋏にしては刃が長いので、厚紙、ダンボール、ビニール等の大きなものをザクザク切るのに適している。ただし、マクロエッジ加工刃ではないので、丸みで滑りがちな野菜や蟹などはTwilling J.A. Henkelsの料理バサミの方が得意だろうし、針金・鉄板にはBAHCOのようなニッパータイプの方が適している。
■グリップは上(親指)側が直線、下(4本指)側が半円となっており、刃の上側が直線、下側がカーブを描くのと合わせて、すっきりした造形美がある。黒のグリップと赤いフックのコントラストも印象的。全体としてガッシリとした造りになっているので、ラフな使い方ができそうだ。
■ただし、刃はMade in Chinaの平板なステンレス板に刃をつけたもので、高級鋏のような鋳造の立体感がなく、料理バサミのようなマイクロエッジング加工もない。また、バネによる補佐は開閉が便利ではあるが、従来型の鋏と異なりバネの寿命が鋏の寿命だと割り切る必要があるようだ。
■加えて、米国価格11.99ドルでこの品質なら抜群のコストパフォーマンスだが、日本価格は千円上乗せされて2,800円強だ。なお、千円程度のプレミアムは、ブランド輸入鋏の相場のようだ。たとえばフィンランド製フィスカース・ソフタッチは17ドルが2,700円、ドイツ製ヘンケルス・ツイン料理バサミは28ドルが4,300円だ。輸送手数料や宣伝販売費か。
OXO All Purpose Scissors 11.99ドル(画像)
http://www.oxo.com/...
Zwilling J.A. Henkels
http://www.zwilling.jp/
Fiskars Softough Micro-Tip Scissors 17.05ドル
http://www.fiskars.com/
■その意味で国産品は、輸入プレミアムもなく価格競争力は上回る。しかし、万能鋏に限ってはデザイン・機能面で外国製に対抗しうる魅力がない。たとえば、アルスコーポレーション・クラフトチョキ・アルスヌーボー(2,100円)は、一応グッドデザイン賞受賞の万能鋏だ。手に合わせて変形するソフトグリップと、丸いものをも逃がさないマイクロエッジが特徴だ。しかし、デザインは没個性で冴えた特徴がない。長谷川刃物・アームレスラー・ストレートロング(1,800円)も同様だ。
■よりヘビーデューティーには、BAHCOの万能はさみ(2,173円)は、金属裁断にも対応し、まさしく万能だ。BAHCOは1886年スウェーデン創業の工具会社で、世界初のモンキーレンチで有名。スウェーデン鋼で、軟鉄板から、ワイヤー、プラスチック、革、木材まで切断する。刃渡りも短いので、紙類を主要対象とする事務鋏より、もはや工具のニッパーに近い。
■万能鋏は、荒っぽい使われ方をすることもあり、事務鋏としても使えるような好デザインが少ない。その意味で、サーベルの握りのようなスマートさを持つOXOが際立つ。このシンプルな輪郭にはフィスカース・ソフタッチもかなわない。
アルスコーポレーション・クラフトチョキ・アルスヌーボー3000BK(2,100円)
http://www.ars-edge.co.jp/03product2/...
長谷川刃物・アームレスラー・ストレートロングAW-190H(1,800円)
http://www.hasegawahamono.com/item/...
BAHCO 万能はさみ(Tool-KS、2,173円)
https://www.tool-ks.jp/goodslist.php?...
==============
後日談1・・・3ヶ月後
■使用開始から3ヶ月、厚紙を50-70枚ほど切ったところ、切れ味が鈍って切り口に毛羽が立つようになってきた。後から分かったが、蝶番に力が集中した結果、いつの間にか蝶番が緩んでいたらしい。しまいには、5mmの隙間ができたまま、中板が歪んで固定してしまった。調整ネジは気付かぬうちに落下・紛失したらしく、緩みを締めなおすことができない。蝶番に5mmの隙間があれば、いくら刃が新品同様でも、鋏として使用できない。
■仕方なしにラジオペンチで中板の歪みを直し、失われた調整ネジの代わりに「ふくろナット」を買ってきて、どうにか復帰した。しかし、ふくろナットは横にブクリと飛び出て、外見的に格好が悪い。また、ナットを探してくれた東急ハンズ店員によれば、この構造ではいずれすぐ緩むので、定期的な締め直しが必要だという。
■万能鋏では、針金や特殊繊維が裁断できるなど刃の切れ味が注目されがちであるが、実は蝶番こそが急所であると再認識した。蝶番の作りを吟味せずして良い鋏は選べまい。
■無理に硬いものを切ろうとしたり特別な使い方をしたわけでもないのに、蝶番が緩みネジが落下してしまうようでは、あらゆる日常素材の裁断を前提とする万能鋏として問題だと思う。メーカー公式の日本窓口も見あたらないため、修理・交換をすぐに請求することもできない。デザインを気に入っていただけに悲しい。
=============
後日談2・・・1年後
■その後幸いにも、落としたはずのネジを発見して、不恰好な「ふくろナット」はお役御免となった。以後ネジを失うこともなく、今もガンガン使っている。とくに牛乳パック等をリサイクル用に切り開くのは、事務鋏では頼りないので、いつもこのハサミだ。
■切れ味が悪くなると、やはりネジが緩んできた兆候だ。数ヶ月に1度気づいたときに手で締め直すと、問題なく元の切れ味に戻る。工具なしに手でネジを回せるくらいだから、元々ネジを自分で調整させるタイプなのかもしれない。とくに牛乳パックのように濡れたものを切る機会が多いと、ネジを外して刃を分解洗いできるのはありがたい。
■オフィスでも家庭でも違和感のない都会的なデザインは、他の万能鋏では並ぶものがない(強いて言えば、ツヴィリングJ.A.ヘンケルスのツイン料理バサミか)。力を込めやすい柔らかなグリップと、バネで開きフックで留める機能性にも愛着を感じ始めた。蝶番の弱点が残るが、グッドグリップス・シリーズを好きな人なら、許容範囲内ではないか。少なくとも自分にはこれで良いと、まずまず気に入っている。
デザインA、機能D、革新性B
「OXO万能鋏 グッドグリップスの洗練と実用 お薦め!」を検索
このキーワードはコレクションに選ばれています(1)
コメント (1)
2005/08/07
テリー 不器用は正しいですが、本KW群は「豊かな」「家庭道具」というより「廉価な」「オフィス文具」中心です。デザイン・革新機能の発掘に関心があるので、画一品にもブランド品・贈答品にも冷淡です。・・・ところで、「瀬戸内文化圏」のコスモロジーには圧倒されました。猪熊弦一郎美術館など、一度行ってみたいです(猪熊自作のミュージアム・グッズはマニア垂涎の的)。
つながりキーワード (32)
G・サカイ ムサシ 世界初の和鋏ツールナイフ
- (テリー)
■旅行時の携帯ツールとして、いま一番気に入っているのが、G・SAKAIのムサシ だ。刃を1枚引き出すとナイフ、2枚引き出すとハサミになる、世界に類例のない和鋏ツールナイフ...
コーンカッター (OXO)
- (メタボリカ)
OXO(オクソー)は、アメリカの調理器具メーカー。このOXOが発売したトウモロコシ専用削り取り器が、この「コーンカッター」。形はちょっとマウスっぽく、サイドにはグリップが...
折畳ハサミ トラベル用ツールの新定番
- (テリー)
■長期出張や海外旅行には、ポケット金切ハサミかFiskars Functional Form(画像)を旅行カバンに入れることにしている。トラベルやアウトドアというと、VI...
OXO Apple Divider
- (すっぽんはむ)
えっと・・・OXOのキッチンウェアで、これはまだ未登録?でしたかね。 はいはいぃ。これからの季節、りんごをこいつでスパンスパン斬り刻んで(つか、ぶち抜いて)、美味しく皮...
OXOのリフトアップケトル
- (hoa*)
OXOのグットグリップシリーズはゴムの握りやすい 持ち手が特徴ですが、このケトルも同じです。 じゃ何が他にいいの?ってことなんですが、 グリップを持ち上げて、ポットの注...
違和感
- (youten)
世の中には違和感を感じることが多い 何か変だ、何かおかしい こんな感覚をもっともっと研ぎ澄まし こうすれば良くなる、もっとおもしろい そんな世の中になることを祈っている
ハサミ型シュレッダー 領収書のクロスカットに
- (テリー)
■5枚の同時に動く刃を持つが書類を3.5mmの細さに切り刻む、ハサミ型の簡易シュレッダーだ。縦横2方向から切れば、クロスカットにもなる。インフデザインの「ネームオフ」はパ...
ハサミ研ぎ 錆びた40年物も復活!
- (テリー)
■実家から譲り受けた菊一文字の裁ち鋏は、40年近くの年季が入っている。ハンドルの塗装は剥げ、刃は一面灰黒色にくすみ、赤茶色の斑模様も作っている。長らく放置されていたので、...
OXO 縦型ピーラー
- (ivory)
OXOの縦型のピーラーです。 一見、「どうなんだろう?」と思ったのですが 慣れてしまうと、もう手放せません。 グリップが太くて安定しているので握りやすく 3年使ってい...
OXO GOOD GRIPS パームブラシ
- (bereza)
容器に液体洗剤を入れて、 黒いボタンを押すとブラシ面に洗剤が出てきます。 洗ってる最中に洗剤をつけ直す必要がなく、 使用しながら洗剤が同時塗布できます。 OXO社は19...
OXO ナイロンヘッド トング
- (lightgreen)
料理番組で料理研究家の方たちがトングを使っているのが気になっていましたので、購入してみました。 サラダスピナー、キッチン鋏など、OXOの製品を少しずつ揃えていまして、トン...
OXOのキッチン用品
- (ハルワ)
主婦になるまで料理なんぞしたことがなく、全く興味もなかった。 しかしそれでは早速三行半、と改心、母親の元で修行すること半年、まぁなんとかやれるようにはなりました。 そうす...
OXO/キッチン用品
- (たかはし)
アメリカのキッチンメーカー。その社名の由来は、「右利き 左利き」どちらでも使えるようにという、コンセプトのもと、右から読んでも左から読んでも・・とのこと。関節炎患者の人に...
OXOリトルサラダスピナー&ハーブスピナー
- (tree@kanagawa)
導入して半年。やっぱり手放せなくなったので紹介。 半分くらい水を貯めたスピナーにカットした野菜を入れ、プッシュプッシュで水洗い。そのまま汚れた水を出し、もう一度プッシュプ...
OXO グッド・グリップス シトラス・ジューサー
- (Niwa)
レモン~オレンジぐらいのサイズまで、手首や手の力に自信がなくてもしっかりしぼれます。 ぱっと見たところかわいらしいデザインというより「?」なデザインなせいか、店頭では搾る...
OXO チョッパー
- (buruma)
母と買い物に行って当初買うつもりのないへんてこな物を買ってしまいました。これ、みじん切り機です。タマネギのみじん切り。泣けますね。これを使えば「あら不思議」簡単にできちゃ...
OXO ナイロンポテトマッシャー
- (caminito333)
なかなかないんです。ナイロン製のものって。 OXOだけなんじゃないかなぁ。 金属製のものだとボールとか傷つけちゃいそうで。 220℃の耐熱だし。 ずっと気になっている物の...
菊一文字の裁ち鋏 沖田総司愛剣伝説
- (テリー)
■菊一文字の裁ち鋏は、鋼の刃と鋳鉄のハンドルを持つ、正統派の日本刃物だ。近年一般的な樹脂製ハンドルのステンレス製ハサミは、プレス打ち抜きの薄いステンレス鋼板に刃をつけただ...
■1957-2006年のグッドデザイン賞(Gマーク)受賞の名作ハサミ約100点から、デザインがとくに優れている鋏を選び、ランキングを作ってみた。事務ハサミと専門ハサミに絞...
アルミテーブル1やスリム蛍光灯デスクライトとの組み合わせで、肉厚のアルミ感とシンプルさを買って選んだ。非常に頑強である。画像は天板が正方形の小(幅49.5×奥行49.5×...








OXO/キッチン用品
眼に優しいパソコン照...
マーナのバスシリーズ
日本の名作ハサミ10...


